ファーウェイとの取引、米中貿易合意に「含めるかも」 トランプ氏

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は23日、米国家安全保障上「非常に危険」だとして機器の使用などを規制している中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との取引について、米中貿易協議で合意に至った場合には、何らかのかたちでその中に含むかもしれないと述べた。貿易戦争をめぐる協議が行き詰まる中、駆け引きの材料に使う可能性を示唆した。

トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、米中貿易協議で合意に至れば、その中にファーウェイとの取引を含めることは「可能」だと述べた。

「もし我々が合意に至れば、ファーウェイを何らかのかたちでそこに含める可能性も考えられる」

一方で、「ファーウェイは非常に危険なものだ。中国が何をしてきたか、セキュリティーの観点や軍事的観点から見ればわかる。非常に危険だ」とも述べた。

ファーウェイを「いじめている」

アメリカと中国は互いに関税率の引き上げを発表し、更なる報復措置をちらつかせるなど、両国による貿易戦争はここ数週間で激しさを増している。

トランプ大統領は15日、同国の安全保障にとってリスクのある外国企業の通信機器を、米企業が使うことを禁止する大統領令に署名した。特定の企業を名指しはしていないが、ファーウェイを念頭に置いたものとみられる。

また、米商務省は15日、安全保障上の懸念がある外国企業のリストにファーウェイを追加。同社が米国企業の技術を政府の許可なく入手するのを禁止した。

アメリカはファーウェイ製品が安全保障上のリスクをもたらすと主張。一方で中国は、ファーウェイを「いじめている」としてアメリカを非難している。

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ファーウェイをめぐる懸念とは

ファーウェイは、西洋諸国からの高まる反発に直面している。アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアは、国家安全保障を理由に5G通信網からファーウェイ製品を排除している。

複数の国が、ファーウェイ製品は中国政府による情報収集に利用され得るとの懸念を示している。

一方、ファーウェイはそうした見方を全面的に否定している。諜報や妨害行為の危険性について否定しているほか、中国政府からの統制は受けていないと主張している。

アメリカによるファーウェイとの取引禁止措置は、すでに国際的なテクノロジー産業に連鎖反応を引き起こしている。

米グーグルがファーウェイ機器を対象に、同社の携帯端末用基本ソフト(OS)アンドロイドのアップデートを制限したほか、ソフトバンクとKDDI(au)は22日、ファーウェイの携帯電話の販売を当面中止すると発表した。

パナソニックは23日、ファーウェイとの取引がアメリカの規制に違反しないか、細かく調査していることを明らかにした。

また、イギリスの半導体設計会社アームも、ファーウェイとの取引を中止するよう社員に指示していることが、BBCが入手した社内文書でわかった。

中国商務省の高峰報道官は23日、北京での記者会見で、「アメリカによるいじめ行為に対する一番良い対応は、中国企業をさらに強く成長させ続けることだ」と述べた。

貿易関税

今回の発言に先立ち、トランプ大統領は23日、中国との貿易摩擦で損害を被った米国内の農家のための、160億ドル(約1兆7500億円)規模の支援策を発表した。

9日から2日間の日程で行なわれた、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表と中国の劉鶴副首相による貿易協議では、合意には至らなかった。

アメリカは10日、2000億ドル(約22兆2000億円)相当の中国からの輸入品に対する関税率を現行の10%から25%に引き上げたほか、現在は課税対象外となっている3250億ドルの中国製品に対して25%の関税を課す手続きを開始した。

この報復として中国は13日、6月1日から600億ドル(約6兆6000億円)相当のアメリカからの輸入品への関税率を最大25%に引き上げると発表した。

ナイキやアディダスなど世界的な靴メーカー170社は20日、消費者への「壊滅的な」打撃が危ぶまれるとして、大統領に対して貿易戦争を終わらせるよう求める公開書簡を出した。

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現状、貿易摩擦解決に向けた取り組みは行き詰っている。米中両国の溝を埋められないまま終了した10日の協議以降、公式協議は1つも予定されていない。

高報道官は23日、アメリカが貿易協議の継続を望むのであれば、「誠意を見せ、間違った行為を正すべきだ」と述べ、アメリカをけん制した。

(英語記事 Trump says Huawei could be part of trade deal

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