ムラー特別検察官は「矛盾だらけ」 トランプ氏、声明に反撃 

US President Donald Trump talks to reporters in Washington DC. Photo: 30 May 2019 Image copyright Getty Images
Image caption ドナルド・トランプ大統領は繰り返し、ロバート・ムラー特別検察官の捜査を「魔女狩り」だと批判してきた

アメリカのドナルド・トランプ大統領は30日、2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査したロバート・ムラー特別検察官が発表した声明を受け、ムラー氏は「矛盾だらけ」などと攻撃した。

トランプ大統領はツイッターで、「大統領に対する史上最大のハラスメントだ。暗黒の2年間に4000万ドル(約43億7500万円)も費やし、無制限に人やリソースや協力へのアクセスができる状況にあったのに、矛盾だらけのロバート・ムラーは、仮にひとつでも罪を見つけたなら起訴もできたのに、何も起訴できなかった!」と述べた。

ムラー特別検察官は、2016年大統領選でトランプ陣営がロシア当局と結託した疑いや、トランプ氏が捜査を妨害したかについて2年近くにわたって捜査し、4月に捜査報告書を発表した。

29日には就任以来、初めて公の場で捜査報告書について説明。トランプ大統領による司法妨害については、罪を犯していないという証拠があったならそう結論していた、司法省方針で現職大統領を起訴するという選択肢はなかったなどと述べた。

ムラー氏の声明を受け、民主党の2020年大統領選の立候補者からは、トランプ大統領を弾劾すべきだとの声もあがっている。

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トランプ氏はまた、ムラー氏が2017年に大統領執務室に向かい、連邦捜査局(FBI)長官を再び務めたいと申し出たことがあると話した。ムラー氏はジョージ・W・ブッシュ政権とバラク・オバマ政権でFBI長官を務めていた。

トランプ大統領は、「ロバート・ムラーは(特別検察官に)選ばれるべきではなかった。FBI長官の座が欲しかったのにもらえなくて、次の日に特別検察官になった」と述べている。

しかしムラー氏の報告書によると、トランプ大統領の首席戦略官だったスティーブ・バノン氏は、ムラー氏が求職のためホワイトハウスを訪れたことなどなかったと証言している。

トランプ氏は、ムラー氏が自分に対して利害の衝突があったと主張を繰り返しているが、バノン氏はこれを「ありえない」と一蹴している。

「地球上で最悪の人間」

トランプ大統領は30日、ホワイトハウスでも政敵攻撃を繰り返した。民主党が求めている弾劾については「汚くてけがらわしい、吐き気のする言葉だ」と述べた。

ムラー氏については、共和党内の反トランプ派になぞらえて「真のネヴァー・トランパー(Never Trumper)」だと説明したほか、ムラー氏の特別捜査チームを「地球上で最悪の人間たち」と呼んだ。

さらにトランプ氏は、ムラー氏は自分と「ビジネス上のあつれき」があったと主張している。

トランプ氏の発言が何を指しているかは明らかではないが、ムラー氏は2011年、トランプ大統領が保有するヴァージニア州のゴルフクラブの会員権をはく奪されている。

ワシントン・ポストによると、ムラー氏はその後、年会費の返還を求めたが、トランプ・オーガナイゼーションからは何の音沙汰もなかったという。

ムラー氏の声明とは

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ムラー氏、トランプ氏を起訴しなかった理由を自ら説明

ムラー氏は29日の声明で、ロシアによる大統領選介入については、体系的かつ多岐にわたる介入があったと断定した。

これに関する捜査で、トランプ大統領の司法妨害があったかについては、もしトランプ大統領が「明らかに罪を犯していないと、自分たち捜査陣が確信できていたなら、そのように結論していたはずだ」と述べた。

さらに、現職大統領を連邦法違反で起訴しないというのが長年の司法省方針のため、自分たちにトランプ氏を起訴するという選択肢はなかったとも述べた。

4月に発表された448ページにわたる捜査報告書では、トランプ氏とロシアの共謀は特定できなかったとした一方、大統領による司法妨害と考えられる行為を10件挙げている。

民主党からは連邦議会が大統領の弾劾手続きを始めるべきだとの声が挙がっているが、仮に弾劾手続きに踏み切ったとしても、与党・共和党が過半数を占める上院で拒否されることが確実視されているため、党幹部は懐疑的だ。

ロシアの介入を認めた?

トランプ大統領は30日、ロシア政府が自身の大統領当選を助けたことを認めているともとれるツイートを投稿した。ロシアとの関連を拒否し続けている中、こうした発言をしたのは初めて。

「ロシア、ロシア、ロシア! 嘘っぱちの魔女狩りが始まったときに聞いたのはそれだけだ……そして今ロシアはいなくなった。ロシアが僕の大統領当選を助けたことに、自分は何の関わりもない」

しかしトランプ氏はその後、ホワイトハウスで記者団に対し「ロシアは私の大統領当選を助けていない。誰のおかげで当選したか分かるか?  自分自身だ。ロシアの助けは一切ない」と述べた。

(英語記事 Trump assails 'totally conflicted' Robert Mueller

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