同性愛女性を描く舞台の俳優、「同性愛嫌悪犯罪」の被害に 英南部

Lucy Jane Parkinson (left) and Rebecca Banatvala
Image caption ルーシー・ジェイン・パーキンソンさん(左)とレベッカ・バナトヴァラさんは舞台「ロッテルダム」に主演していた

英南部サウサンプトンの劇場で同性愛を描いた舞台に出演中の俳優2人が8日午後、劇場へ向かう途中に石のようなものを投げつけられ負傷した。劇場は「卑怯な同性愛嫌悪の憎悪犯罪」だと非難している。

同性愛者の若い女性を描いた芝居「ロッテルダム」に出演中のルーシー・ジェイン・パーキンソンさんとレベッカ・バナトヴァラさんが昼公演に出演するためNST劇場に徒歩で向かっていたところ、パーキンソンさんが物体を投げつけられた。警察は、通りがかった車から何者かが石を投げつけた可能性があるとして、調べている。

ロンドン在住の俳優2人はカップルで、事件によって「ひどくショックを受けた」と劇場は明らかにした。

事件を受けてNSTキャンパス劇場は、2回分の公演を休演にした。作品の製作会社ハートショーン・フックは、襲撃された俳優2人が「卑怯な同性愛嫌悪の憎悪犯罪に、とてつもなく衝撃を受けた」とコメントした。

ジョン・ブリテン作「ロッテルダム」は、両親に自分が同性愛者だとなかなか話せずに苦しんでいるアリスと、自分はいつでも自分のことを男性だと自認してきたというフィオーナの、レズビアンのカップルを描いた作品。2017年には、英演劇界で最高峰のオリヴィエ賞も受賞している。

Image caption パーキンソンさんは事件で軽傷を負った

パーキンソンさんによると、パートナーで共演者のバナトヴァラさんにキスしたとき、何かが当たり、その勢いで地面に倒れてしまったと話す。軽傷を負ったパーキンソンさんは、遠ざかる自動車から「若い少年たちの笑い声」が聞こえたという。

「私たちはただほかの人と同じように、2人して幸せになりたいだけです」とパーキンソンさんは話した。「どうして他人から暴力を振るわれるのか、本当に理解できない」。

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Image caption NSTキャンパス劇場

バナトヴァラさんは「本当にショックで、動揺して怒っている」と話した。

「この芝居を初め、こうした物語がどれだけ大事なのか、あらためて気づいた。(同性愛は)正常で普通のことで、恐れたり攻撃したりするものではないと、認識を広めないと」

Image copyright Hartshorn-Hook
Image caption 「ロッテルダム」はロンドン・ウェストエンドでヒットした後、現在は地方巡業中

8日の昼・夜公演を休演すると発表した製作会社は、「このような行動が今もこれほど頻繁に起きることに、打ちのめされています。この舞台のメッセージの重要性がなおさら強調されました」、「出演者とスタッフを全面的に支援するとともに、観客や演劇関係者の皆さんの支援に感謝します」とコメントした。

NSTキャンパス劇場のサム・ホッジス芸術監督はツイッターで、「こうしたとんでもない行動がまだ起きているなど、とても悲しい。ましてや、寛容と包摂と市民としての誇りを地元の風土として推進しようと、これまで懸命に努力してきたこの街で」と書いた。

パーキンソンさんとバナトヴァラさんは当初、警察による捜査を辞退していたが、後から被害届を出した。

ハンプシャー警察報道官は、「通りがかりの車両内の人物たちが、女性2人に向かって、同性愛嫌悪的な罵詈雑言を浴びせ、石を投げつけたという報告を受理した」と明らかにし、目撃情報の提供を呼びかけた。

イギリスでは5月末にロンドンの深夜バスで、女性カップルが同性愛嫌悪が動機とみられる襲撃に遭い、負傷している。こちらの事件ではこれまでに15~18歳の少年4人が、人体への加重重大傷害と窃盗の疑いで逮捕された。

Image caption ロンドンの深夜バスで襲撃された後、「憎悪に立ち向かう」と話すクリスさん(左)とメラニア・ゲイモナトさん

(英語記事 Actors targeted in homophobic attack in Southampton

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