中国の習主席、北朝鮮に到着 G20直前に関係強化

Kim Jong-un and Xi Jinping shakes hands in Beijing (Jan 2019) Image copyright AFP
Image caption 今年1月に北京で会談した中国の習近平国家主席(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長

中国の習近平国家主席が20日、公式訪問先の北朝鮮・平壌に到着した。2日間の訪問中、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談し、同国の核・ミサイル開発をめぐる問題や経済問題について意見を交わすとみられている。

中国の国家主席による訪朝は2005年以来。習氏にとっては、12年の国家主席就任後、初の北朝鮮訪問となる。

ただ、両首脳はこれまで、中国で4回会談を重ねている。

今回の首脳会談では、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる国際協議が中断していることや、今年2月にヴェトナムで開かれ物別れに終わった米朝首脳会談について、意見を交わすことが確実視されている。

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習氏、米朝の橋渡し役に?

習氏は28日に大阪で開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、アメリカのドナルド・トランプ大統領と会談が見込まれており、それを目前にしたタイミングでの中朝会談となる。

習氏は金氏に、米朝会談で何があったのかを尋ね、大阪サミットでトランプ氏に伝えることがあるか聞くものとみられる。

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Image caption 金氏とトランプ氏は2018年6月にシンガポールで初の首脳会談を開いた

習氏はまた、北朝鮮の安定と中朝の経済協力の強化を呼びかけるとともに、北朝鮮の核開発をめぐる協議で、中国が一定の役割を担うことを確認したい考えだ。

中国の支持をアピール

一方、金氏にとっては、習氏の訪朝は、国際社会における北朝鮮の存在感をアピールできるメリットがある。

核・ミサイル開発をめぐって諸外国の関係が冷え込むなか、北朝鮮は中国の支持を得ていることを世界に示すことができる。

北朝鮮にとって中国は長年の主要な貿易相手であり、国際社会の厳しい経済制裁を受けている状況では、とりわけ重要な隣国となっている。

「北朝鮮は正しい方向を維持」

ともに共産主義の両国は古くから同盟関係にある一方、北朝鮮の核開発に対して中国は批判的な立場をとっており、中朝関係は近年、緊張感が増している。

そうしたなか、中国共産党の英字紙・中国日報は19日、習氏の訪朝は「具体的な共同プロジェクトへの合意」をもたらすだろうとの見方を報じた。

一方、朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は19日、習氏の寄稿を1面で掲載。習氏は、「北朝鮮が朝鮮半島における問題解決のために正しい方向を維持していることを、中国は支持する」と述べ、中国の核協議への支持を強調した。

経済制裁をどうするか

北朝鮮への経済制裁について、中国は諸外国と同様、支持を表明している。ただ、北朝鮮の非核化を進めるため、制裁緩和もすべきとの考えだ。

「中国は北朝鮮にとって、鉱物、魚類、繊維、それに労働力の最大の輸出先だ」と北朝鮮に詳しいアナリストのピーター・ウォード氏は話す。

同時に中国は長年、北朝鮮にとっての工業用品や家庭用品のおもな輸入相手でもある。ただ、現在の経済制裁により、中国からの輸入の大部分は中断されている。

「中国はこの面で国連の経済制裁を緩めたいと思っている。中国は北朝鮮が適度なペースで経済成長し、弾道ミサイルや核兵器の試験をする必要を感じないようにしたいと思っている」とウォード氏は解説する。

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Image caption 中国は北朝鮮のミサイル発射試験を中止させたいと考えている

経済制裁が解除されそうにない現状では、中国にできることはあまりない。

しかし、韓国国立外交院のキム・ヒョンウク教授は、中国がもし経済制裁に「抜け穴」をつくるなどして、北朝鮮が中国の経済支援を得られるようになれば、北朝鮮は「弱い立場からアメリカと交渉する必要がなくなる」と、ロイター通信の取材で述べた。

「北朝鮮は核兵器と中国からの経済支援の両方を手に入れることができる」とキム教授は話す。

(英語記事 China's Xi visits N Korea to boost ties with Kim

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