米大統領選、民主党テレビ討論スタート 健康保険と軍事で党内の溝くっきり 

Booker, Warren and O'Rourke Image copyright Getty Images
Image caption テレビ討論会に臨んだブッカー、ウォーレン、オロークの各氏(左から)

アメリカの2020年大統領選に向けた野党・民主党の候補者指名争いで、最初のテレビ討論会が26日夜に開かれた。ドナルド・トランプ大統領からの政権奪還を掲げる20人超の立候補者のうち10人が、激しい舌戦を繰り広げた。

フロリダ州マイアミで2時間にわたって開かれたこの夜の討論会では、扇動的な弁舌で知られ、世論調査で急速に支持率が上昇しているエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)がステージ中央に立った。

ウォーレン氏は、現在の民間企業による健康保険制度をやめ、政府による国民皆保険制度を提唱している。立候補者の中でこの制度改革を唱えているのは、同氏とビル・デブラジオ市長(ニューヨーク市)の2人しかいない。

健康保険めぐり応酬

ウォーレン氏は他の立候補者たちに挑むように、「『ああ、それは無理だ』と言う政治家はたくさんいるが(中略)実は、そのために闘ったりしないというのが、その人たちの本音だ」と発言。会場から大きな拍手を浴びた。

そして、「健康保険は基本的人権であり、私は基本的人権のために闘う」と声を張った。

Image copyright Getty Images
Image caption ときに激しく意見を闘わせたカストロ、ブッカー、ウォーレン、オルーク、クロブシャー、ギャバードの各氏(左から)

これに対し、エイミー・クロブシャー上院議員(ミネソタ州)は、「私はただ、4年以内にアメリカ国民の半分を、健康保険から追い出してしまうことを心配しているだけだ」と反論した。

ジョン・ディレイニー前下院議員(メリーランド州)も、政府による皆保険制度への反対意見を述べた。

「もっと勉強しろ」

一時期、リベラルの期待の星として脚光を浴びたべト・オローク前下院議員(テキサス州)は、得意のスペイン語を披露。安定した民主国家には「すべての意見を聞く」ことが求められていると訴えた。

このオローク氏を、立候補者の中で唯一のヒスパニック系で、オバマ政権の住宅都市開発長官をつとめたフリアン・カストロ氏が激しく攻撃。不法移民を犯罪者とみなすのをやめるというカストロ氏の政策案を支持するように求めるとともに、同郷でもあるオルーク氏に「もっと勉強しろ」と言い放った。

知名度の低いティム・ライアン下院議員(オハイオ州)とタルシ・ギャバード下院議員(ハワイ州)は、外交政策をめぐって衝突した。

ライアン氏は、アメリカが中東に「完全に関与」する必要があると主張。一方、反戦主義者のギャバード氏は、「アフガニスタンで亡くなったばかりの2人の兵士たちの親に向かって、同じことを言うのか」と言い返した。

アメリカの軍事介入をめぐって、民主党内で意見が分かれていることをあらわにした場面だった。

誰が抜きん出た?

ウォーレン氏が、「いまの経済は誰のために本当に機能しているのか。ごくわずかの富裕層だけにとって素晴らしいものになっている」と訴えると、会場の聴衆は大きく沸いた。

コーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州)は、オバマ政権時の2015年に結ばれたイランの核合意にアメリカを戻すかという質問に、ただ1人手を挙げず、核合意への支持を示さなかった。

ジェイ・インスリー知事(ワシントン州)が人工妊娠中絶の権利を擁護してきたと自己アピールし、クロブシャー氏が「壇上には女性が3人いて、みんな女性の選択権のためにかなり厳しい闘いをしてきた」と言い返した場面では、大きな拍手が沸いた。

デブラジオ氏は銃問題が話題となった場面で、「私は過去21年間、黒人の息子を育ててきた点で、仲間の立候補者たちとは違う」と発言。息子のダンテ氏について、「この国の若者たちと警察との間であまりに多くの悲劇が起きているため、特別な注意」が必要だと訴えた。

テレビ討論会は27日にも開かれ、この日登場しなかったジョー・バイデン前副大統領やバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)ら10人が火花を散らす。

(英語記事 Democratic divisions laid bare in feisty TV debate

この話題についてさらに読む