アマゾン従業員、「プライムデー」に世界規模でストライキ 賃金を「割引」するな

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15日から2日間開催される、米アマゾンの有料「プライム会員」向けセール「プライムデー」に合わせて、賃金の引き上げや労働環境の改善を訴える同社従業員が、世界各地でストライキを実施している。

ドイツの労働組合「ヴェルディ」によると、同国内では2000人以上がストライキに参加。一部報道によると、米ミネソタ州の倉庫では6時間にわたって操業が停止したという。イギリスでは、1週間にわたるストライキが計画されている。

アマゾン側は、同社は「素晴らしい雇用機会と卓越した賃金を提供」していると反論している。

「安全で信頼できる仕事を」

ミネソタ州シャコピーにある倉庫で、伝票や指示書などに沿って商品の選定を行なうピッカーとして働くウィリアム・シュトルツ氏は、BBCの取材で、従業員はアマゾンに対し「安全で、信頼できる仕事」を求めていると述べた。

1日10時間勤務のシュトルツ氏は、8秒ごとに商品を1つ、あるいは1時間あたり332の商品を選定しなければならないという。

「私たちが仕事で求められているスピードは、体力的にも精神的にも非常にきつい。時には、けがにつながることもある。要するに私たちは、会社にロボットのようにではなく、人間としての敬意を持って扱ってもらいたいだけだ」

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Image caption ドイツの労働組合「ヴェルディ」によると、同国内では2000人以上がストライキを行なったという。写真は、ドイツ・ラインベルクにあるアマゾンの物流センター

「収入を割引するな」

ヴェルディによると、国内の7つの倉庫で、「これ以上私たちの収入を割引(ディスカウント)するな」を合言葉に、2000人以上の従業員がストライキを実施した。

同労組で小売担当を務めるオルハン・アクマン氏は、「アマゾンが多額の割り引きをすることでプライムデーの特売をあおる一方で、従業員は自分たちの生活賃金を奪われている」と指摘する。

ロボットではない

イギリスでは、今後数日の間に、ウェスト・ミッドランズのスウォンジーやルージリーにある複数の倉庫でストライキが行なわれるとみられる。

英全国都市一般労組(GMB)幹部のミック・リックス氏は、「アマゾン従業員は、自分たちは人間でありロボットではないということをジェフ・ベゾスに分かってもらいたいと思っている。これは、アマゾンにとって、GMBとテーブルを囲み、労働環境をより安全にし、従業員に主体性を与える方法について議論すべき重要な時期(プライムタイム、prime time)だ」と述べた。

また、GMBは消費者に対し、アマゾンをボイコットするよう呼びかけてはいないとした上で、リックス氏は、消費者が行動を起こすことはできると話す。

「我々はアマゾンに経済的打撃を及ぼすことは呼びかけていない。多くの人々に(アマゾンの問題に)気づき、アマゾンに意見を寄せてほしいと願っている」

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「素晴らしい雇用と賃金」

「素晴らしい雇用機会と卓越した賃金を提供」していると主張しているアマゾンは、シャコピーの倉庫で働く従業員に対し、同地域で働く他社の従業員の状況と、比較するよう求めている。

約2万9500人を雇用するイギリスのアマゾン広報は、賃金について、1時間あたり9.50ポンドを支払っており、業界トップの水準だと主張。「イギリス中の何千もの人々から、魅力ある企業として選ばれている」としている。

ドイツ国内の賃金については、「同様の職種の中での最高額」を支払っているとし、「ドイツ国内での(ストライキ)参加者は非常に限定的で、経営に与える影響はゼロだ。つまり、顧客への配送業務に支障はない」と主張している。

Image caption 2018年の世界のオンラインプラットフォームでの総売り上げ(約524億ドル)を占める割合。アマゾンが全体の45%を占めている

5分ごとにお買い得品を提供

プライムデーについてアマゾンは、5分ごとに新しいお買い得品を提供し、「消費者に何度も何度もサイトに戻ってきてもらうための沢山の動機を与える」としている。

世界一の富豪、ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が創業したアマゾンは、世界で最も時価総額が高い株式会社の1つ。昨年のオンライン売り上げ総額は235億ドル(約2兆5370億円)にのぼる。

アマゾンは全世界に約63万人の従業員を抱えており、そのうち約30万人がアメリカ国内で働いている。

(英語記事 Amazon workers launch protests on Prime Day

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