米下院、トランプ氏非難決議を可決  「発言は人種差別的」

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差別発言の標的となった女性下院議員は15日、記者会見でトランプ氏を非難した

ドナルド・トランプ米大統領が野党・民主党の女性下院議員4人に「もとの国に帰れ」などとツイートした問題で、米下院は16日、トランプ氏の言葉を「人種差別的な発言」と非難する決議を可決した。

決議は、トランプ氏による「新たなアメリカ人(New Americans)と有色人に対する恐怖と憎悪を正当化する人種差別的な発言」と非難するとしている。特別な効力はなく、象徴的な意味合いが大きい。

決議案は賛成240票、反対187票で可決された。野党・民主党の全議員と与党・共和党の4議員、無所属で元共和党のジャスティン・アマシュ議員が賛成票を投じた。

下院は昨年11月の中間選挙以来、野党・民主党が多数派となっている。

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Image caption 一歩も引かない構えのトランプ氏

一方、トランプ氏はこの日も、「私の体には人種差別主義者の骨など1本もない!」とツイッターで非難に反論。女性議員たちに対する要求は正当だと主張した。

「ほとんどの米国人は移民の子孫」

決議は、アメリカ「建国の父」や過去の大統領の言葉を引用しながら、「トランプ大統領による下院議員に向けた人種差別的な発言を非難する」という内容。

また、移民が「米国史のすべての時期を形成してきた」とし、「原住民および奴隷にされたアフリカ系アメリカ人の子孫を除くすべてのアメリカ人は、移民または移民の子孫である」と述べている。

さらに、愛国心は人種や民族ではなく、「平等、自由、包含、民主主義という憲法の理想への忠誠」によって判断されると訴えている。

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ペロシ議長も意見表明

決議案に対する投票の前には、議場で騒々しい議論が交わされた。

ジョン・ルイス議員(民主党)は、「政府の最高レベルでは、人種差別は絶対に許されない」と演説。一方、ダン・ミューザー議員(共和党)は、トランプ氏に対する批判を「ばかげた中傷だ」と表現した。

ナンシー・ペロシ議長(民主党)もマイクの前に立ち、「ホワイトハウスからの発言は恥ずべき不快な内容であり、人種差別的だ」と主張した。

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Image caption House Speaker Nancy Pelosi, centre, said the president's comments were "disgusting and disgraceful"

ペロシ氏はこれまで、トランプ氏の「帰れ」発言の標的とされる、「スクワッド(Squad)」と呼ばれる4議員――アレクサンドリア・オカシオ・コルテス、ラシーダ・タリーブ、アヤナ・プレスリー、イルハン・オマールの各氏――と意見が衝突したこともあるが、この日は4議員を守る立場を鮮明にした。

議長が意見を表明したことに対し、共和党議員たちはルール破りだと反発。ケヴィン・マカーシー院内総務(共和党)は、議場の「秩序と節度」を壊すものだと批判した。

大統領は人種差別認めず

この問題のきっかけは、トランプ氏の14日の連続ツイートだった。

トランプ氏は、「『進歩的』な民主党の女性下院議員たち」は、政府が機能していない国から来たと表現。「もといた国へ帰って、完全に壊れて犯罪まみれの地元を直す手助けをしたらどうだ」などと書き込んだ。

以来、オカシオ・コルテス氏ら下院議員4人はトランプ氏を強く批判。それに対し、トランプ氏はツイッターで「問題なし」との姿勢を強調し、激しい言葉の応酬が続いている。

(英語記事 US House condemns Trump's attacks

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