イギリスで38.1度、史上2番目の暑さ 交通混乱

Commuters faced disruption at London St Pancras Image copyright PA Media
Image caption ロンドンのセント・パンクラス駅構内は、鉄道架線が損傷した影響で、足止めされた利用客でごったがえした

イギリス東部ケンブリッジで25日、最高気温が38.1度に達した。これまでの7月の最高気温だった36.7度を2度近くも上回ったほか、2003年の38.5度に続き、同国の観測史上2番目の暑さとなった。この猛暑により鉄道架線が損傷し、鉄道の利用客が足止めされた。

同国の鉄道運行会社「ネットワーク・レイル」 によると、この日の猛暑による影響で複数のトラブルが発生した。この結果、鉄道の遅延や運休が相次ぎ、混乱が生じた。

英気象庁によると、同国内で37.7度を超えたのは過去に1度しかなく、今回のケンブリッジでの観測が2度目だという。

英北部スコットランドではこの日、31度を記録し、今年で最も暑い日となったほか、英西部ウェールズでも最高気温が30度に達した。一方で、北アイルランドでは20度前後に留まった。

暑さの影響で一部地域では大雨となり、洪水や停電に加え、通勤へ更なる混乱をもたらすおそれがある。

英気象庁は、26日朝にかけて雷雨になるとして、スコットランド東部と、イングランドの北部と東部に気象警戒レベルの「黄色」を発令した。

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Image caption 相次ぐ遅延や運休により、ロンドンのユーストン駅にも混乱が広がった
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Image caption 一方、南部の海辺の町ブライトンでは、大勢が記録的猛暑を存分に楽しんだ

鉄道利用客への影響

ネットワーク・レイルは、猛暑が原因のトラブルが発生し、同社の鉄道網の至るところで混乱が生じていることから、利用客に対し、旅程に影響がないか事前に確認するよう注意を呼びかけている。

同社は一刻も早く問題を解決すべく、「全力で」取り組んでいるとしている。

鉄道会社の団体、レイル・デリヴァリー・グループ(RDG)によると、特にロンドンや南東部での混乱が深刻で、今週末まで続く可能性があるという。

RDGのロバート・ニスベット氏は、26の加盟鉄道会社のうち20社で、運行取りやめや、速度制限などの影響が出ていると述べた。

「我々は、影響が明日まで続く可能性があると考えている。この混乱により、車両の多くが予定とは違う場所に停留することになり、鉄道職員の多くが予定とは異なる場所に留まることになるからだ。配置のやり直しや、運行時刻表の作成に時間を要することになる」

鉄道架線が損傷したことでイースト・ミッドランズ・トレインズ(EMT)やテムズリンクなどの一部路線で深刻な混乱が生じ、ロンドンのセント・パンクラス駅では利用客が足止めされた。駅に設置された案内板には、ほとんどの鉄道の運行中止や、遅延の情報が掲示された。

さらに架線損傷の影響で、ロンドンのユーストン駅~ワトフォード・ジャンクション駅間でも、遅延や運休が相次いだ。

鉄道の利用を控えるよう呼びかけも

EMTや、グレーター・アングリアEMT、ロンドン・アンド・ノース・イースタン・レイルウェイ(LNER)、ハル・トレインの各鉄道会社は、それぞれが運行する一部路線の利用を控えるよう、利用客に呼びかけた。サウスイースタン・レイルウェイは、「絶対に必要な」移動を除き、すべての利用を控えるよう求めた。

一方、グレート・ウェスタン・レイルウェイ(GWR)では、ロンドン~カーディフ~スウォンジー間の一部鉄道の運行が取りやめになったほか、ロンドンからスコットランドにかけての路線にも影響が出た。

ロンドンとガトウィック空港などを結ぶガトウィック・エクスプレスや、グレート・ノーザン・レイルウェイ(GNR)、サザン、テムズリンクでも、遅延や運行中止が相次ぐとみられる。

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「史上最も暑い日」が続々と、欧州各国で今夏2度目の熱波

熱波に見舞われた欧州

西欧各地は今夏2度目の熱波に襲われており、フランスやドイツ、オランダでは最高気温が40度を超えるなど、観測史上最高を更新している。

パリでは25日、観測史上最高の42.6度を記録。仏報道によると、5人が熱波が原因で死亡した可能性があるという。

ドイツ北部の一部では、複数の湖が干上がり、魚に「深刻な危険が迫まる」おそれが出ている。

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Image caption ダービシャーの屋外プールで涼む子どもたち

気候変動との関係は

単独の事象を地球温暖化と結びつけることは難しい。

熱波などの異常気象は自然に発生するものだが、専門家は、気候変動が原因で、このような異常気象が今後さらに発生するだろうと指摘する。英気象庁は、異常気象は今後、「おそらく1年おきのペースで発生する」としている。

英気省庁が昨年行なった調査によると、イギリスが熱波に見舞われる可能性は、1750年と比較して30倍高くなっている。「大気中の二酸化炭素(温室効果ガス)濃度が濃くなっている」ことが原因だという。

19世紀後半の記録を見ると、工業化が進んで以降、地表の平均温度が約1度上昇していることがわかる。

ドイツ・ポツダムにある気候研究所によると、ヨーロッパで1500年以降、最も暑かった夏の上位5位は、すべて21世紀に入ってからだという。

科学者は、人為的な急速な温暖化は、地球の気候安定に深刻な影響を及ぼすと懸念している。

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Image caption 25日早朝、ドーヴァー海峡でカヤックをする男性

イギリスで過去に観測された最高気温

  • イングランドおよびイギリス:38.5度、2003年8月10日にケント・フェイヴァーシャムで観測
  • スコットランド:32.9度、2003年8月9日にボーダーズ・グレイクルックで観測
  • ウェールズ:35.2度、1990年8月2日にフリントシャー・ハワーデンブリッジで観測
  • 北アイルランド:30.8度、1976年6月20日にファーマナ・ノッカラヴァンおよび1983年7月12日にベルファスト・ショウズブリッジで観測

(英語記事 Hottest July day leads to travel chaos

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