日本の#KuToo ― ハイヒール着用の圧力に対する闘い
深田志穂、キース・ベッドフォード
日本の「ハイヒール文化」との闘い、性差別に「気づいて」 発起人女性の願い
石川優実さんは今年1月に、職場の服装規定により高さ5センチから7センチのハイヒールを履くよう命じられ、足の痛みに耐えた経験をツイートした。
この時、石川さんは、運動が誕生するとは想像もしていなかった。
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葬儀場の仕事でハイヒールを強制されたことをきっかけに署名活動を始めた石川優実さん
しかし、石川さんのツイートは日本全国の働く女性の共感を呼び、3万人以上がリツイートした。
8時間ハイヒールで立ったまま
フリーライターで元モデルの石川さんは当時、葬儀場の案内係として働いていた。8時間もの間ハイヒールで立ちっぱなしだったという。
一方で隣に立つ同僚の男性は、ヒールのないフラットで楽な靴を履いていた。
この不平等な扱いに憤った石川さんは、#KuToo(クーツー)というハッシュタグを作り出した。#MeTooになぞらえたもので、「靴」と「苦痛」をもじったネーミングだ。
3万超の署名が集まる
#KuTooは瞬く間に、雇用主が女性にハイヒール着用を強制するのを止めさせる運動へと変わった。
石川さんはChange.orgで、3万以上のオンライン署名を集め、今年6月、厚生労働省に対し、特定の種類の靴を履くよう女性に圧力をかけることを禁止するよう求めた。
「必要かつ相当」
石川さんらの求めに対し、根本匠厚生労働相は、職場でのハイヒール着用は「必要かつ相当」と述べた。
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ハイヒール強制の服装規定を容認した根本匠厚労相
日本のすべての企業が、女性社員にハイヒールの着用を求めているわけではないものの、厚労相の発言は、国内にまん延した物の考え方と、性差に基づいた社会的圧力を反映している。