米FRBが利下げもトランプ大統領は不満 2008年以降で初

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Image caption 連邦準備理事会(FRB)ジェローム・パウエル議長は7月初め、利下げの可能性を示していた

アメリカの中央銀行に当たる連邦準備理事会(FRB)は7月31日、フェデラルファンド金利の誘導目標を0.25%引き下げ、年2~2.25%にすると発表した。利下げは2008年以降で初めてとなる。

ドナルド・トランプ米大統領はかねて利下げを要求していたが、下げ幅が小さいと不満を表わにしている。大統領はツイッターでFRBのジェローム・パウエル議長について、「いつも通り、パウエルは我々を失望させた」と述べた。

「市場はジェイ・パウエルとFRBから、これが長期的・野心的な利下げサイクルの始まりで、中国や欧州連合(EU)、世界中の国々と足並みを揃えられるようになると言われるのを期待していたのに

利下げを受け、ニューヨーク証券取引所の主要指標は軒並み1%近く下げて終了した。アナリストは、市場は今後どれくらいの利下げを期待すればいいのか、先行き不透明感を覚えているとしている。

記者会見でパウエル議長は、今回の利下げは「あらかじめ広く周知されていた」と述べた上で、「1回だけ」にするとは考えていないと語った。

政策金利を決める連邦公開市場委員会(FOMC)では、委員のうち2人が利下げに反対した。一方、パウエル議長やジョン・ウィリアムズ副議長を含む8人が賛成した。

通商における緊張

パウエル議長は、アメリカ経済は年初からの6カ月間、「健全なペース」で成長したと分析。しかし、その間に「良い展開も悪い展開もあった」と述べた。

「製造業生産は2四半期連続で落ち込んでいる」

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また、世界経済の弱い伸びも利下げを決める理由になったと話した。

一方、FRBは政府の貿易政策を批判する立場にないと述べた。アメリカは中国との貿易戦争の中で、互いの製品に重い関税をかけあっている。

パウエル議長は、貿易政策の緊張は5月から6月の間に「沸騰寸前だった」が、「現在はぐつぐつするくらいまで戻っているようだ」と述べた。

その上で、FRBはトランプ大統領の利下げ圧力に屈したわけではないと話し、FRB内での協議に政治的な思惑が入る隙は「全くない」と強調した。

低いインフレ率

FRBの発表によると、アメリカの雇用市場はなお力強く、経済活動も堅調に伸びている。

「新規雇用はここ数カ月、平均して手堅く伸びており、失業率は低い値を維持している」

支出については、「家計支出の伸びは年初から回復してきていたが、企業固定投資の伸びは緩やかだ」と分析。

また、「12カ月ベースで見ると、全体のインフレ率と食品・エネルギーを除くインフレ率は2%以下を推移している」という。

この値がインフレ目標を下回っているため、利下げに踏み切ったとFRBは説明した。

現在、アメリカ経済では十分な雇用が創出されており、失業率は5月に過去49年を記録。6月も3.7%だった。

しかし専門家によると、新たに創出された雇用の多くはサービス業で、フルタイムではない、低賃金の職だという。

(英語記事 US interest rate cut fails to impress Trump

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