【分かりやすく解説】 なぜポンドが下がっているのか 鍵はブレグジット

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英ポンドの対ドル相場が、過去2年で最低の水準まで落ち込んでいる。また、ユーロや日本円に対しても下落が進んでいる。

ポンドは7月末、1ポンド=1.2101ドルと過去30カ月で最低を記録。対ユーロでは一時、1ポンド=1.0881ユーロまで下がった。対円では8月5日現在、1ポンド=129円を切って128円台で推移している。

これはイギリスに住む人全員に影響がある。夏休みで出かける人や、ガソリンスタンドで給油する人、実業家や投資家にも影響が及ぶ。

なぜ今、ポンドが下がっているのか? そして誰が通貨の価値を決めているのだろう? 分かりやすく解説する。

通貨の価値はどうやって決まる?

ポンドが上がったり下がったりすると言う場合、それは外貨との交換率(為替レート)が変わり、1ポンドで買える外貨の量が増えたり減ったりしていることを意味する。

現在、ほとんどの国々が変動相場制を採用している。これは、ある通貨をその時点でどれだけの人が必要としているかによって、通貨の価値が代わるシステムだ。

変動相場制では世界中での各通貨の需要を反映し、為替レートが刻一刻と変わっていく。

ポンドに何があった?

下の図は、2016年1月からの対ドル・ポンド相場の推移だ。

2016年6月の国民投票でイギリスがEU離脱を決めた時、1ポンドは1.50ドルをわずかに下回っていた。

Image caption 2016年1月から2019年7月31日までの対ドル・ポンド相場の推移。EU離脱が決まった2016年6月には1.5ドルだったが、徐々に下落。テリーザ・メイ前首相の辞任、ボリス・ジョンソン首相の就任を経てさらに下がり、1.22ドルまで落ち込んだ

その後、イギリス政府がEUと協定を結ばずに離脱する可能性が高まるにつれ、ポンドの価値は下がり続けた。

今年に入り、テリーザ・メイ前首相の辞任、ボリス・ジョンソン首相の就任を経てさらに下がり、1.22ドルまで落ち込んだ。

いわゆる合意なしブレグジット(イギリスのEU離脱)では、イギリスは協定に基づいた段階的な離脱を促す移行期間を持たず、期日のその日からEUから離脱することになる。

ジョンソン新政権は、合意なしブレグジットは「とても現実的な可能性」だとしている。

為替レートはどうやって決まる?

為替レートは、通貨の需給のバランスで決まる。ポンドの需要が高まれば価値が上がり、供給の方が多ければ価値が下がる。

通貨の需要は、さまざまな要因によって変化する。

  • 経済: 力強い経済を持つ国には他国が投資したがるため、その国の通貨の価値は上がる。
  • 貯蓄: イギリスの金融機関が金利を上げれば、戻ってくるお金が多くなるため、ポンドでの預金や投資への注目が集まる。その結果、ポンドの需要は高まる。
  • 物価: イギリスの品物が他国のものより安ければ、外国企業がポンドでそれを買おうとする。その結果、ポンド相場が上がる傾向にある。
  • 財政: 政府の公的債務残高の額も、為替レートに影響を与える
  • 憶測: これから起こる出来事への期待に基づいて通貨を先売り・先買いする通貨投機家にとって、為替レートは非常にぜい弱性が高い

日々の為替レートの変動は、こうした投機家の動きや、その国の経済見通しへの信頼度によって起こっている。

ポンド安が与える影響、日本円からの両替は有利に

為替相場が家計に与える影響のひとつが、外国製品の値段の変化だ。。

ポンドが下がっている今、イギリスでは外国製品が値上がりしている。例えば石油はドルで取引されているため、給油所でのガソリンの値段は上がるだろう。

また、イギリスから海外旅行のために両替する人も、為替レートの影響を感じるはずだ。ポンドで同じ金額を支払っても、両替されてくる外貨はこれまでより少なくなるかもしれない。

反対に日本円からポンドへの両替では、レートはここ数年でもっとも安くなっている。

ポンドはいつ回復するのか

ポンドはさらに下落する可能性があると言うアナリストもいる。中には、対ユーロ相場でパリティー(1ポンド=1ユーロの等価)になる可能性があると指摘する声もある。

シティー・インデックスの上級市場アナリスト、フィオナ・チンコッタ氏は、「合意なしブレグジットへの懸念が高まるにつれ、ポンドは対ドルで2017年10月以来で最低の1.1650ドルまで下がる可能性がある」と説明する。

「イギリスが秩序のない状態でEUを離脱すれば、ポンドは最終的にはドルともパリティーとなる場合がある」

チンコッタ氏は一方で、イギリス議会がEU離脱協定を承認すれば、ポンドはすぐに急上昇するだろうとの見方を示した。

(英語記事 Why the pound is getting weaker

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