香港で3日連続デモ、交通機関に影響 警察とも衝突続く

Protesters prevent the doors of a MTR underground train from closing at Fortress Hill station Image copyright AFP
Image caption デモ参加者は香港MTRの主要駅で電車を止めようとした

香港では、反政府や民主化を求めるデモが3日連続で行われ、デモ参加者と警察が衝突した。5日にはゼネストが呼びかけられており、抗議者が道路を封鎖するなど、交通機関に大きな影響が出た。

また、デモの影響は空港にも出ており、一連の抗議デモが始まった9週間前から合わせて200便以上が欠航となっている。

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は記者会見で、香港に法の支配と秩序を取り戻すと約束。一方で、抗議者らが求める辞任の可能性を否定した。

デモは当初、刑事事件の容疑者を香港から中国本土へ引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案に抗議するものだったが、徐々に中国政府の権限を広く批判する抗議に変質している。

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デモは5日夜まで続き、一部の参加者は路上で火をつけたり、警察署を包囲したりした。これに対し、警察は催涙ガスなどで対応した。

この日だけで80人が逮捕されており、6月9日以降の逮捕者はこれで500人を超えた。警察は、これまでに1000個の催涙ガス缶と160発のゴム弾を使用したとしている。

また、この日はゼネストが呼びかけられていた。多くの市民が通勤できたものの、一部地域ではデモ参加者が電車の発車を阻止し、乗客と小競り合いになる場面もあった。香港MTRでは複数の路線が一時的に運転を見合わせた。

一方、九龍と香港島を結ぶ香港海底トンネルも封鎖され、車が通行できなくなった。

元朗区では、デモ参加者が作ったバリケードに車が突っ込み、1人が負傷する出来事があった。この様子の映った動画が、ツイッターで拡散されている。

実際にゼネストに参加した企業や人の数は明らかになっていないが、この日は何万人もの抗議者が街に繰り出した。これを受け、「トップショップ」や「ザラ」などを含む一部小売店は営業を停止した。

香港国際空港では、利用者にウェブサイトや利用する航空会社への直接連絡などで、状況を把握してほしいと呼びかけている。

これまでに欠航となったのは、キャセイ・パシフィックや香港航空といった地元の航空会社の便が大半だという。

「非常に危険な状況の一歩手前」

林鄭行政長官はこの日、2週間ぶりに記者会見を開き、、香港は「非常に危険な状況の一歩手前」と説明。デモ参加者は香港の「一国二制度」の原則を脅かしていると話した。

また、活動家が逃亡犯条例を建前に、本来の目的を達成しようとしていると非難した。

ロイター通信によると、中国の外務省はこの件について、香港の安定を守るという中国の決意を過小評価すべきではないと話している。

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Image caption 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は記者会見で、香港に法治主義を取り戻すと約束した

香港はかつて、150年以上にわたってイギリスの植民地だったが、1997年に「一国二制度」の下に中国に返還された。そのため、香港市民には返還から50年の間は、言論の自由や表現の自由など中国本土ではみられないような権利が保障されている。

しかし、「逃亡犯条例」の改正案が通れば中国政府による統治が迫り、自治性が維持されなくなるのではないかという懸念から大規模な抗議デモが始まった。

香港政府は6月半ばに改正案の審議停止を決めたものの、デモ参加者は完全撤回を求めている。

さらに、警察による暴力への独立調査や、林鄭行政長官の辞任、暴徒として訴追されたデモ参加者の解放などを求め、デモが拡大した。

先週には40人以上の活動家が暴動を起こした容疑で出廷した。有罪となれば最長で10年の禁錮刑となる可能性がある。

中国人民解放軍(PLA)は今のところ、一連の紛争からは距離を置いているが、中国政府の香港マカオ出先機関は先に、デモを「恐ろしい出来事」だと非難。「法治主義に深刻な被害を与えている」とする声明を発表した。

PLAの香港駐留軍は先週、兵士が対暴動訓練を行う様子を中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」に投稿した。これについても、香港市民の間で懸念が高まっている。

(英語記事 Running battles as Hong Kong police push back

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