トニ・モリスン氏が死去、米黒人女性初のノーベル文学賞作家

Toni Morrison

アメリカのノーベル文学賞作家、トニ・モリスン氏が亡くなった。88歳だった。遺族は6日、モリスン氏が「短期間の闘病」のあと、5日夜にニューヨーク市内の病院で亡くなったと発表した。

モリスン氏は1970年に「青い眼が欲しい(The Bluest Eye)」でデビュー。全11作品を残した。

1993年にはアメリカの黒人女性として初めてノーベル文学賞を受賞したほか、脱走した女性奴隷を描き1987年に発表した「ビラヴド(Beloved)」は、1998年に女優・番組司会者のオプラ・ウィンフリー主演で映画化されている。

モリスン氏は生前、「私たちは死ぬ。それが命の意味かもしれない。でも私たちには言葉がある。それが命を測るものかもしれない」と語っていた。

2012年にはバラク・オバマ大統領(当時)が大統領自由勲章を授与した。

オバマ氏は6日にツイッターでモリスン氏を追悼。「トニ・モリスン氏は国宝で、語り上手で、人柄もその作品と同じように魅力的だった。彼女の作品は私たちの良心や道徳的想像力に訴えかける美しさと意味があった。ほんのひと時でも、彼女と同じ空気を吸うことができたのは、なんて恵まれたことだったか」と語った。

モリスン氏は1967~1983年に、出版社ランダム・ハウス初のアフリカ系編集者になった。

有色人種の作家を擁護し、ゲイル・ジョーンズ氏やヘンリー・デュマス氏の書籍のほか、プロボクサーのモハメド・アリ氏の自伝などを手掛けた。

また、プリンストン大学で講師も務めた。同大学で同僚だったノリウェ・ルックス教授はBBCの取材に対し、黒人の少女を描いた「青い眼が欲しい」が、1970年当時としては画期的な作品だったと語った。

「この作品が出た当時、誰が黒人の女の子を話を書いていた? 誰がこのような心の傷を描いていた? 誰が主人公のような人の、内面を書いていた? 誰が黒人コミュニティーについて書いていた?」

「こういう事柄を取り上げ、真実と醜さ、壮大さと美しさをもって書く人はモリスン氏しかいなかった」

「車を買いに行くことを、まるでホメロスの冒険物語のように語れる人だった」

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Image caption モリスン氏(1979年撮影)

モリスン氏が1993年にノーベル文学賞を受賞した際、スウェーデン・アカデミーは「視覚的な力と私的な重要性を兼ね備えた小説で、アメリカの現実の重要な側面に活気を与えた」と称賛した。

また、1996年には全米図書協会からアメリカ文学に対する特別功労賞を受賞した。

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Image caption バラク・オバマ氏は2012年、大統領時代にモリスン氏に大統領自由勲章を授与している

(英語記事 Celebrated author Toni Morrison dies

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