赤ちゃんに「ヴィーガン食」強いた夫婦に社会奉仕命令 豪

Police officers talk in front of the Downing Centre local courts on February 19, 2015 in Sydney, Australia. Image copyright Getty Images
Image caption シドニーのダウニング・センター裁判所で22日、量刑が言い渡された

赤ちゃんに十分な食事を与えず、重度の栄養失調に陥らせたとして、豪裁判所は22日、30代のオーストラリア人夫婦に300時間の社会奉仕命令などを言い渡した。夫婦は、動物性食品を一切口にしない「ヴィーガン」で、赤ちゃんに同様の食生活を強いていた。

シドニーのダウニング・センター裁判所で開かれた量刑言い渡しの公判で、サラ・ハジェット裁判官は、女児に「完全に不適切な」食事制限を強いたとして、夫婦を非難。

それぞれに対し、地域における18カ月の集中的処遇命令と、300時間の社会奉仕命令を言い渡した。

他にも子供2人を養育

ハジェット裁判官は、「女児は、重度の栄養失調に陥り、体重不足で、標準より小柄で、発達に遅れが見られた」と認定。

女児の健康状態の改善に「取り組むようなことはまったく何も」しなかったとして、父親を非難した。

豪放送局ABCによると、ハジェット裁判官は、「子供たちに与える食事を保証することが、すべての親の責任だ。(中略)適切な成長のために、バランスがよく、必要不可欠な栄養素が十分に含まれた食事を」と述べた。

この夫婦には、女児の他に2人の子供がいるが、いずれもけがなどなく成長していたという。

1歳7カ月で「見た目は生後3カ月」

現在3歳の女児は、1歳7カ月当時、深刻な栄養失調の影響で生後3カ月のような見た目だった。

オーツ麦やじゃがいも、トースト、米が与えられていた女児は、昨年3月に保護された際、歯が生えていなかった。

言葉が話せず、食事も取れず

昨年3月、女児が発作を起こし、母親が救急サービスに電話したことで事態が発覚した。

豪AP通信によると、発見当時、女児の唇は青く、手足は冷たかった。また、低血糖と筋緊張低下の症状が見られたという。

親から引き離された女児を迎え入れた里親は、女児は発達が「他の子供たちより遅れて」いたと述べた。

里親は、今年5月の被害者影響報告書の中で、「起き上がることも、言葉を話すことも、自分で食事を取ることも、おもちゃで遊ぶこともできなかった。(中略)寝返りすら打てなかった」と証言した。

ハジェット裁判官によると、夫婦は極端に若いわけでもなく、教養がないわけでもないのに、「当初、自分たちの娘の体調が悪いのは、栄養失調によるものということを受け入れられずにいた」。うつ病を患っていた母親は、ヴィーガン生活など自分の信念に「ますます固執」していったという。

夫婦は昨年5月に初出廷した際、十分な食事を与えず、女児に重傷を負わせたと、起訴事実を認めていた。

(英語記事 Vegan parents of malnourished baby avoid jail