アンドリュー英王子は「白状して」  米富豪疑惑で女性訴え

Lawyer David Boies arrives with his client Virginia Giuffre Image copyright Reuters
Image caption 裁判所に入るヴァージニア・ジュフリー氏(左)と弁護士のデイヴィッド・ボイーズ氏

米富豪ジェフリー・エプスティーン被告(故人)の性的人身取引疑惑に絡み、現在35歳の女性が17歳のときにイギリス王室のヨーク公爵アンドリュー王子との性交を強制されたと訴えている。女性は27日、王子に「白状」するよう求めた。

女性はヴァージニア・ジュフリー氏。この日、エプスティーン被告から受けたとする被害について、ニューヨーク市の裁判所で証言した後、記者会見に臨んだ。

ジュフリー氏は、アンドリュー王子について、「自分が何をしたか分かっている」と述べた。

アンドリュー王子は、こうした訴えを否定している。

被告と王子は友人関係

未成年者の性的人身取引と共謀の罪で7月に起訴されたエプスティーン被告は、ニューヨークの拘置所に勾留中の今月10日、死亡しているのが発見された。検視の結果、自殺と断定された。

死亡時66歳だった同被告は、ドナルド・トランプ大統領やビル・クリントン元大統領、アンドリュー王子と交友関係にあった。

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エプスティーン被告の死を受け、同被告に対する刑事訴追は終結する。27日には最後の審理として、被害を訴えた女性約15人に、法廷で証言する機会が与えられえた。

証人席で女性たちは怒りをあらわにし、エプスティーン被告は自殺することで法の裁きを免れたと指摘した。

検察は、捜査はなお続いており、共犯者に対する訴追はまだあり得るとしている。

ジュフリー氏の証言

ジュフリー氏は、アンドリュー王子との性交は3回にわたって強制されたと主張している。

また、エプスティーン被告については、自分を「性奴隷」にしたと訴えている。27日の審理では、「私の希望はあっという間に失われ、夢は奪われた」と話した。

裁判所に提出した宣誓供述書によると、ジュフリー氏は15歳の時に、トランプ大統領がフロリダ州に保有するゴルフリゾート「マール・ア・ラーゴ」で働いていた。その際、イギリスのセレブリティー、ギレーヌ・マクスウェル氏から、エプスティーン被告にマッサージをしてほしいと頼まれたという。

記者会見でアンドリュー王子へのコメントを求められたジュフリー氏は、「彼は自分のしたことを分かってるはずだし、証明だってできるはず。何をしたのかはっきり分かっているのだから、白状してくれることを願っている」と話した。

有罪後も被告と付き合う

アンドリュー王子は2001年から2011年まで、イギリスの国際貿易担当特使を務めていた。2010年には、ニューヨークのセントラルパークでエプスティーン被告と一緒のところを撮影された。当時、同被告は2008年に未成年を売春に勧誘・斡旋(あっせん)した罪で有罪を認めた後だった。

アンドリュー王子はその後、有罪を認めた後の同被告に会ったのは「間違い」だったと話した。一方で、同被告の犯罪と疑われる行為を見たことも疑ったこともないと述べた。

女性たちが次々と証言

この日の法廷では、深刻な被害の訴えが相次いだ。

14歳の時にエプスティーン被告に性的虐待を受けたと主張しているコートニー・ワイルド氏は、「激しい怒りと悲しみを感じている。この件では正義が貫かれなかった」と話した。

ワイルド氏は、エプスティーン被告の保有する「ロリータ・エクスプレス」とあだ名されたプライベートジェットで、マッサージ師として働くよう誘われたという。

ワイルド氏は同被告を「法体系をゆがめる」ことのできた「ひきょう者」だと批判した。

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Image caption 法廷で証言するコートニー・ワイルド氏のスケッチ

ジェニファー・アローズ氏は、15歳の時に被告のニューヨークのマンションでレイプされたと証言。「彼は私の夢や、憧れのキャリアに進むチャンスを踏みにじった」と述べた。

「加害者に法廷で向き合う機会が奪われ、心が押しつぶされる思いだ。この男は自殺を許され、たくさんの人が正義を勝ち取る機会を失った」

シャンテー・デイヴィス氏は、「(エプスティーン被告には)死による勝ち逃げは許さない」と語った。

デイヴィス氏は、同被告の保有する島でマッサージをするために雇われ、そこでレイプされたと話している。

匿名で証言した別の女性は涙を流しながら、「彼がどうやって死んだかを知る必要がある。新たなトラウマが生まれたように感じる。あの朝、悪い気分で起き、彼が自殺したようだと知った」と語った。

エプスティーン被告の資産に対し、多くの告発者が訴訟を起こしている。同被告は死の2日前、資産5億7700万ドル(約611億円)を信託基金に入れる遺言に署名していた。

自殺について、さらなる調査の要求も

ニューヨーク連邦地検の起訴状によると、被告は2002~2005年、ニューヨーク市マンハッタンとフロリダ州に所有する邸宅に未成年の女子を引き入れていた。数百ドルと引き換えに、性行為を強いていたという。最年少の被害者は14歳だったとされる。

有罪となれば、最長45年の禁錮刑が言い渡される可能性があった。

27日の法廷では、エプスティーン被告が死んだときの状況について、被告弁護人が捜査を求める場面があった。

レイド・ウェインガーテン弁護士は、エプスティーン被告が勾留されていた刑務所では監視カメラに問題があったとし、「被告の死が自殺だという検視官の結論の確実性に疑問を持っている」と話した。

一方、告発者たちの代理人となっているブラッド・エドワーズ弁護士も、同被告の「早すぎる死」には「不可解な点」があり、被害を受けたとする人たちから正義を奪ったと指摘した。

米紙ワシントンポストは、エプスティーン被告の入っていた独房に面した廊下の監視カメラには使用できない動画が含まれていたと、当局筋の話として伝えた。

その動画に何が映っていたのか、どうして使用できないとされているのかは明らかにされていない。

現在、連邦捜査局(FBI)と司法省が、この件について不正がなかったか捜査に当たっている。

(英語記事 Epstein accuser urges Prince Andrew to 'come clean'

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