香港長官「辞任したい」 会合の録音が流出、本人は辞意否定

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Image caption 香港政府の林鄭月娥行政長官は3日の記者会見で、個人的な発言が録音され、メディアに渡されたことは「全く容認できない」と批判した

反政府デモが続く香港で、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が「辞任したい」と述べた録音がメディアに流出した。林鄭氏は3日、記者会見を開き、辞任を申し出たことはないと説明して火消しにつとめた。

録音はロイター通信が2日、報じた。先週開かれた、ビジネス界のリーダーたちとの私的な会合でとられたものという。

それによると、林鄭氏は「自分で選べるなら、まず最初に辞任し、深く謝罪したい」と述べている。

また、香港の政治危機は自らが招いたことで、大規模な混乱を起こした事実は許されることではないと話している。

「2人の主人に仕える立場」

林鄭氏はさらに、自分は香港と中国、両方に仕えなくてはならないため、香港の危機を収束させる力がないと話している。

「行政長官は不幸にも、憲法によって中央政府と香港という2人の主人に仕えなくてはいけない。その立場で取れる政治的な動きは本当に、本当に限られている」

また、香港でのデモ制圧のため、中国当局が部隊を送り込むことはないと信じているとも語っている。

音声の信ぴょう性は争わず

この音声が流出したことを受け、3日に開かれた記者会見で林鄭氏は、個人的な発言が録音され、メディアに渡されたことは「全く容認できない」と批判した。

ただ、録音が自分の発言であることについては、争わなかった。

「辞任しないのは私の選択」

林鄭氏は会見で、「中国政府に辞任を打診したことは一度もない。辞任について協議したこともない」と強調。

「辞任しないの私の選択だ」と話し、「非常に難しい状況にある香港を助け、香港市民に仕えない」と述べた。

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Image caption デモはおおむね平和的に行われていたものの、ここ数週間は警察との衝突も増えている

林鄭氏はまた、香港政府は市内で起きている暴力を「非常に憂慮」しており、「香港のほとんどの人は暴力を見たくないはずだ」と話した。

さらに、「我々の共通のゴールは暴力を止めること。そうすれば香港社会は間もなく平和を取り戻すだろう」と述べ、抗議者との対話を約束した。

香港で3カ月以上にわたって続く反政府・民主化デモでは、参加者らが林鄭氏の辞任を求めている。

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市内ではスト続く

犯罪容疑者の中国本土引渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案をめぐって始まった一連のデモは14週にわたって続いている。

香港政府は「逃亡犯条例」改定案の審議を棚上げしているものの、デモ参加者は条例の完全撤回に加え、デモに対する警察の暴力的な対応への捜査や、民主化も求めている。

ここ数週間はデモ参加者と警察の衝突が続き、デモ参加者は火炎瓶などを使っている。一方、警察は催涙ガスやゴム弾、放水車で対応。実弾による威嚇射撃も行っている。

2日からは中等学校(日本の高校も含む)の生徒や大学の学生が授業をボイコットしており、3日にも継続している。

授業ボイコットは、香港の少数政党「香港衆志(デモシスト)」が計画したストライキの一環だという。

(英語記事 Carrie Lam 'never tendered resignation to Beijing'

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