英首相の弟、閣僚と下院議員を辞任 「家族と国益の板ばさみに」

Jo Johnson
Image caption 閣僚と議員辞任を発表したジョー・ジョンソン氏はBBCに「もう潮時」だと話した

ボリス・ジョンソン英首相の弟で閣外相のジョー・ジョンソン下院議員(47)は5日、「家族と国益の板ばさみになり悩んでいた」と、閣僚と議員を引退すると発表した。ジョンソン議員は2016年の国民投票では、イギリスの欧州連合(EU)残留を支持していた。また昨年末にも、政府のブレグジット交渉に反発し閣外相を辞任していた。

ロンドン南東オーピントン選出の下院議員でビジネスと教育担当の閣外相だったジョンソン氏は、「オーピントンを9年間代表し、3人の首相の下で閣僚を務めたのは光栄でした。ここ数週間というもの、家族への忠誠と国益の間で板ばさみになっていました。解消しようのない緊張関係で、もはやほかの人に自分の下院議員と閣僚の役目を譲るべき時です。#以上」とツイッターで書いた。

ダウニング街の首相官邸報道官は、「ジョーにとってたやすい決断ではなかったことを、首相は政治家として、そして兄として、理解している。オーピントン選挙区の有権者たちにとって、最高の代議士だった」とコメントした。

BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、「信じられないタイミング」だと書き、ジョンソン議員が「同僚議員たちの一掃に動揺していた」ようだとツイート。またブレグジットについて兄と「かなり立場が異なっていた」ようだと説明した。

ブレグジットをめぐり3日と4日には、保守党議員21人がジョンソン政権に造反して投票したため、党執行部は全員を除名した。党の大ベテランや主要閣僚経験者を含む除名に、保守党内では異論や動揺が広がっているという。

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ジョンソン氏は2016年の国民投票でEU残留に投票した。一方のジョンソン首相は当時、元ロンドン市長の下院議員として、離脱運動の先頭に立っていた。

弟の辞任発表の後に、イングランド北部で開かれた式典に出席したジョンソン首相は、弟は「最高の奴」で「素晴らしい閣僚」だとほめる一方、「欧州連合へのアプローチは自分と違っていた」と認めた。

ジョンソン議員は昨年11月、テリーザ・メイ首相(当時)のブレグジット交渉を批判し、閣外担当相を辞任した。しかし、今年夏にメイ氏が辞任し保守党党首選で兄が後任に選ばれると、ビジネス・エネルギー・産業戦略省と教育省の閣外担当相に就任した。

ジョンソン首相が4日に提案した解散・総選挙は、造反議員の反対票もあり下院で否決された。しかし政府は5日、あらためて週明けの9日に、総選挙前倒しの提案を下院に提出すると発表した。イギリスでは2011年の議会任期固定法(FPA)により首相の議会解散権が制限されており、解散には内閣不信任案の可決、または下院議員の3分の2以上の同意が必要と定められている。

ジョンソン首相の決定により、英議会は来週中から10月14日まで閉会される予定。

政府に造反し保守党を除名された1人で、メイ政権の法務相だったデイヴィッド・ゴーク議員はツイッターで、「多くの下院議員はここしばらく、色々な人やものへの忠誠心が自分の中で衝突する事態に苦しんでいた。ジョーは特にそうだ。議会にとって、政府にとって、保守党にとって、大きな損失だ」と書いた。

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Image caption 首相官邸はジョー・ジョンソン氏(右)を「素晴らしい」閣僚とたたえた。左はジョンソン首相(中央)の妹でジョンソン議員の姉、レイチェル・ジョンソン氏

最大野党・労働党のアンジェラ・レイナー影の教育相は、「ボリス・ジョンソンはあまりにひどい脅威なので、実の弟の信用さえ得られていない」と批判した。

ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首は、「保守党の重心が急速に移りつつある」ことがジョンソン議員の辞任で明らかになったと述べた。

その一方、ジョンソン首相(中央)の妹でジョンソン議員の姉、レイチェル・ジョンソン氏はツイッターで、「家族は、特に食事の間はブレグジットの話題を避けている。首相を集中攻撃したくないので」と書いた。レイチェル氏はEU残留派。

(英語記事 PM's brother quits as Tory MP and minister

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