香港市民、サッカーの試合でも抗議 中国国歌にブーイング

Football fans hold up their phones and shout during a protest at the end of the World Cup qualifying match between Hong Kong and Iran at Hong Kong Stadium on September 10, 2019 Image copyright Getty Images

反政府デモが続く香港で10日、サッカーワールドカップ(W杯)アジア2次予選の香港対イラン戦が行われた。試合前の中国国歌斉唱では、多くの香港サポーターがブーイングで抗議した。

また、反政府デモのために作られた「Glory to Hong Kong(香港に栄光あれ)」を観客が歌う場面もあった。

「香港に栄光あれ」は抗議を象徴する歌となっていて、この日に香港各地のショッピングモールで行われたデモでも歌われた。

デモ鎮静化には向かわず

香港政府は5日、一連のデモの発端となった犯罪容疑者の中国本土引渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改定案を撤回すると発表した。

しかし、デモ参加者の要求は民主化や、警察による暴力行為への捜査にも及んでおり、依然として事態は沈静化していない。

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香港対イラン戦では、中国国歌が流れると同時に、数千人の香港サポーターがブーイングで抗議した。ブーイングの声は、スタジアムの外まで聞こえるほど大きかった。

スタジアムにいたBBCのニック・ビーク記者はツイッターで、これは香港を将来的に中国の一部にしたくないという明確な「メッセージ」だと伝えた。

香港市民が中国国歌にブーイングで抗議するのはこれが初めてではないが、いつまでこうした抗議ができるのかは不透明だ。

中国政府は2017年、国歌を侮辱する行為を違法化した。しかし、この法律はまだ香港では可決されていない。

「香港に栄光あれ」

この試合でサポーターが歌っていた「香港に栄光あれ」は、反政府デモの参加者たちから一緒に歌う曲を求める声が出たのを受け、香港のミュージシャンが作った。

歌詞には「怒りの叫びが聞こえるか? 立ち上がって声を上げろ」、「屈するな、われわれはひとつだ」といった言葉が入っている。

反政府デモではこれまでにも、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」や、キリスト教の聖歌「Sing Hallelujah to the Lord(直訳:主にハレルヤを歌え)」などが歌われている。

ジーニー・ロンさんはツイッターに、「帰属意識は強制できない。(中国国歌にブーイングした)同じスタジアムで、これが香港人が歌いたい国歌だ。私たちの革命、自由を求める闘いのための曲」と、「香港に栄光あれ」を歌うサポーターたちの様子を投稿した。

ショッピングモールでも合唱

10日夜には、香港各地のショッピングモールに数千人の市民が集まり、反政府のスローガンを叫んだり、「香港に栄光あれ」を歌ったりした。

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繁華街の旺角では、黒い服を着たデモ参加者が、ショッピングモールの各階に集まった。

作家のジェイソン・エンさんはデモ参加者が歌う様子をツイッターに投稿し、「数百人の買い物客が自然発生的にアトリウムに集まって、歌を歌いだした。国歌の代わりの『香港に栄光あれ』だ(香港は国家ではないので国歌を持てない)。中国共産党が何を恐れているのかーーその答えはここにある」とコメントした。

香港ではここ数週間、デモ参加者と警察との衝突が続いていたが、この日の抗議活動は平和的に行われた。

(英語記事 Booing and singing protests in Hong Kong

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