太陽系外の地球型惑星で「水」を初確認=英大学研究チーム

パラブ・ゴーシュ、BBCニュース科学担当編集委員

K2-18b Image copyright ESA/UCL
Image caption 惑星「K2-18b」の大気中の水蒸気濃度は最大で50%だという

ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内で恒星の回りを公転する太陽系外惑星から、初めて水が検出された。英科学誌「ネイチャー・アナトミー」に11日発表された論文で明らかになった。

論文によると、惑星「K2-18b」の大気中に水蒸気が存在することが確認された。大気中に存在する水蒸気量は、コンピュータモデリングのデータによると、最大50%だった。

この発見により、「K2-18b」で地球外生命体探査が行われる可能性が出てきた。

今後10年以内に、新型の宇宙望遠鏡によって、「K2-18b」の大気中に、なんらかの生命が排出した可能性のあるガスが含まれているかどうかが明らかになるかもしれない。

「驚異的な」発見

論文の共同執筆者でユニバーシティ・コレッジ・ロンドン(UCL)の教授のジョバンナ・ティネッティ氏は、これは「驚異的な」発見だと述べた。

「気温が生命の存在に適しているとされるハビタブルゾーン内で、惑星から水を検出したのは初めてだ」

ハビタブルゾーンとは

ハビタブルゾーンとは、地球と似た生命が存在できるとされる天文学上の領域のこと。液体の水が存在するのに十分適した温度になっている恒星の周りの領域を指す。

「K2-18b」は2015年に発見された、巨大地球型惑星(質量が地球と海王星の中間の惑星)で、大きさは地球の約2倍。気温は液体の水に適した摂氏0度から40度。

過去には、別の複数の惑星で水が検出されたものの、生命を維持するには惑星自体が大きすぎる、あるいは高温すぎるという結論に至った。気温が低く、より小さな惑星となると、発見は困難になる。

UCLの研究チームは、2016年~2017年にハッブル宇宙望遠鏡が収集したデータをもとに、オープンソースアルゴリズムを開発。その結果、水蒸気の痕跡を確認した。

宇宙望遠鏡が唯一の調査手段

地球から111光年離れた場所にあることから、「K2-18b」を直接探査することはできない。

そこで、次世代の宇宙望遠鏡が2020年代に打ち上げられるのを待ち、生命が排出したとされるガスが「K2-18b」の大気中に含まれているかを確認するというのが、唯一の調査手段だと、論文の共同執筆者でUCLのインゴ・ヴァルドマン博士は話す。

「これは、科学における最大の疑問の1つだ。宇宙にはわれわれしかいないのだろうかと、常に疑問に思っている。われわれは今後10年以内に、生命がもたらした化学物質が大気中に存在しているかどうかを知ることになるだろう」

論文の共同執筆者で、UCLのアンゲロス・チアラス博士は、生命が存在できるかもしれない太陽系外惑星の大気中に水を発見できて「すごく興奮」したと述べた。

「この発見によって、われわれは、『地球は特殊なのか?』という根本的な疑問への回答に近づいた」

長い道のり

天文学者の長年の疑問を解明するには、さらなる長い道のりが待っているかもしれない。どのタイプのガスが、生命が存在する証拠になるのかをめぐり、天文学者の意見はまとまっていない。

ティネッティ教授は、おそらく、数百の惑星の化学成分に関する調査や、惑星がどのように誕生し、発展したのかを理解することが必要だろうと指摘する。

「地球は、太陽系内で非常に突出している。酸素や水、オゾン層が存在する。しかし、太陽系外の惑星で、こうしたものすべてを見つけた場合、その惑星が生命を維持していると発言することに、われわれは慎重にならなければならない。だからこそ、銀河系内のわずかな惑星だけではなく、数百の惑星について理解する必要がある。われわれは、生命が存在可能な惑星と、そうでない惑星の大きな違いを発見できることを期待している」

Image copyright ESA/STFC RAL Space/UCL/Europlanet-Science Office
Image caption 欧州宇宙機関(ESA)のアリエル宇宙望遠鏡は、様々な惑星の生命の存在を確認するため、2028年に打ち上げられる予定

人類の「パラダイム・シフト」

エジンバラ大学物理・天文学部のベス・ビラー博士は、BBCに対し、ゆくゆくは生命が存在しているという証拠は見つかるだろうとした上で、そうした発見は「すべての人類にとっての『パラダイム・シフト』になるだろう」と述べた。

「米映画のETのような生き物ではなく、微生物や単純な生命である可能性が高い。たとえそうであっても、発見できればすごいことだ」

宇宙望遠鏡の打ち上げは2021年以降に

アメリカ航空宇宙局(NASA)が中心となって開発しているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の打ち上げは、2021年にずれ込み、欧州宇宙機関(ESA)のアリエル宇宙望遠鏡も2028年に打ち上げられる予定だ。

これらの宇宙望遠鏡では、これまでに確認されている様々な惑星の大気中を詳しく調査することができる。


太陽系外惑星とは

  • 太陽系の外にある惑星
  • 1992年に初の太陽系外惑星、パルサー惑星が発見された。この惑星は、電波を発生する天体パルサーの周りを公転している
  • 様々な技術によって、これまでに4000以上が発見されている
  • 太陽系外惑星の多くは、木星や海王星のような大型の惑星
  • 多くの大惑星が、それぞれの恒星の非常に近い場所を公転していることが分かっている

(英語記事 Water found for first time on 'habitable' planet

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