ウーバー運転手は「従業員」 米で企業負担求める州法が可決

Protestor in front of Uber sign Image copyright Getty Images

米カリフォルニア州議会は11日、単発で仕事を受けて収入を得る「ギグ・エコノミー」の労働者に、医療保険や傷病休暇を付与する法案を可決した。

「議会法案5」と呼ばれるこの法案は、配車サービスの「ウーバー」や「リフト」、食品配達サービス「ドア・ダッシュ」といった、カリフォルニアに本拠を置き、労働力をギグ・エコノミーに依存している企業が影響を受ける。

ある推計では、ギグ・エコノミーの労働者を従業員として扱うことになった場合、これらの企業のコストは30%増加する可能性もあるという。

反対派は、この法律は柔軟な勤務形態を望む人々に悪影響をおよぼすと懸念している。

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ギグ・エコノミーという働き方は、モバイルアプリの普及によって、人々が運転手や配達人に直接連絡が取れるようになったことで急速に広がった。

しかしその規模が広がるにつれ、労働者を搾取し、権利を侵害するのではないかとの懸念も拡大。州議員たちが労働者の権利保護の検討に乗り出した。

議会法案5は、カリフォルニア州で昨年、州最高裁が出した判決を法制化するもの。この判決を受け、同州ではギグ・エコノミーの労働者を従業員と見なすかどうかの試験が行われていた。

労働者は企業の従業員となることで、医療保険や最低賃金、有給休暇などの対象となる。それにより、ウーバーなど有力新興企業が採用している業務モデルの根幹が揺らぐことになる。

議会での審議中、マリア=エレナ・ドゥラゾ上院議員(民主党)は、不当に低い賃金で労働者を働かせる手法は革新的ではないと指摘した。

企業はどうなるのか

法案はギャビン・ニューソム州知事の署名を経て正式に発効する。ニューソム氏も先に、この法案への支持を表明していた。

しかし10日、ニューソム州知事はウォール・ストリート・ジャーナル紙に対し、この法案からの除外を求めている企業との交渉を続ける予定だと話した。

法律として発効した場合、どのように施行されるかは明らかではない。

法案には、エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州)、カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)といった2020年大統領選の民主党候補の立候補者が支持を表明している。

「住民投票にかけるべき」

一方、ウーバーとリフトはこの決定について住民投票を行うべきだとしており、ロビー活動に9000万ドル(約97億円)を確保している。

法案可決を受けた声明でリフトは、「ドライバーや配達人が必要とする自由とアクセスを確保するため、カリフォルニア州の有権者にこの問題を問いかける用意がある」と述べた。

カリフォルニア州はこれまでにも、全米に先駆けて産業のあり方を変える法律を制定し、他州がそれに従ってきた経緯がある。

ギグ・エコノミーを含む請負業務の形態はさまざまな産業で取り入れられており、議会法案5が正式に発効した場合、カリフォルニア州外に拠点を置く企業にも影響が及ぶ可能性がある。

(英語記事 California passes landmark gig economy rights bill

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