サウジ石油施設攻撃で原油急騰、4カ月ぶり高値 世界供給の5%に打撃

Smoke is seen following a fire at Aramco facility in the eastern city of Abqaiq Image copyright Reuters
Image caption サウジアラビア・アブカイクにある国営石油会社サウジアラムコの施設が空爆を受け、黒煙が上がった

サウジアラビア・アブカイクとクライスにある石油関連施設が14日、空爆によって炎上し、日量570万バレルの生産が停止した。これは、世界供給量の約5%に相当する。15日には原油価格が急騰し、約4カ月ぶりの高値水準となった。

15日夜のブレント原油先物は、前週末より1バレル11.73ドル(19%)上昇し、71.95ドル。ウェスト・テキサス・インターミディエイトは15%上昇の63.34ドルだった。

ただし、ドナルド・トランプ米大統領が必要ならアメリカの備蓄放出を認めるとツイートしたことで、上昇が抑制された。

14日に攻撃を受けたのは、サウジアラビア国営の石油会社サウジアラムコの心臓部である、世界最大の石油処理施設を含む石油施設2カ所。

イランが後押しするイエメンの反政府武装組織「フーシ」が犯行声明を出している。

しかし、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は14日、ツイッターで、イエメンからの攻撃を示す証拠はないと反論。攻撃にはイランが関与していると述べたが、証拠は示さなかった。

一方、イランはポンペオ氏の主張は「うそ」だと反発。ムハンマド・ジャヴァド・ザリフ外相は「イランを非難しても、イエメンでの大惨事は終わらないだろう」と述べた。

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トランプ大統領は、「サウジアラビアの石油供給が攻撃された。誰が犯人か知っていると、根拠をもって言えるし、いつでも反撃できる。しかし、サウジアラビア側から、誰が攻撃したとと考えているのか、我々にどう対処してほしいのか、連絡が来るのを待っている」とツイートした。

トランプ氏は原油備蓄放出を発表した後、別のツイートで「石油はたっぷり!」と大文字で書いている。

石油供給への影響は

石油施設の全面再開には数週間かかる見通し。

サウジアラビアは、無人航空機(ドローン)によるものではないかとされる攻撃の詳細を明らかにしていない。サウジアラムコによると、攻撃による死傷者はいないという。

エネルギー相のアブドゥルアジズ・ビン・サルマン王子は、生産量の低下分は、巨大貯蔵施設を活用することで補えるとしている。

サウジアラビアは世界最大の石油輸出国で、1日に700万バレル以上を輸出している。

英ロンドンの分析機関「インターファクス・エナジー」のアビチェク・クマール分析官は、「サウジ当局は石油施設での火災を鎮火したと主張しているが、この影響は、鎮火からは程遠い。アブカイクとクライスの施設への被害は、広範囲に及んでいるとみられ、石油の供給が通常に戻るまでは数週間かかるかもしれない」と指摘している。

石油備蓄を放出か

サウジアラビアは石油備蓄を放出すると見られる。そうなれば、今週の輸出量は通常通り維持できる。

一方、米ニューヨークの投資銀行「RBCキャピタル・マーケッツ」でエネルギー戦略を担当するマイケル・トラン氏は、「供給停止が早急に正常化されたとしても、世界供給の6%近くを失うことへの脅威は、もはや仮説でも、ブラックスワンでも、ファット・テールでもない。リスクプレミアムが戻ってくる」と述べた。

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Image caption ドローン攻撃を受け、炎上する石油関連施設

イエメンでは、2015年にフーシ派が首都サナアを占拠し、アブドルラッボ・マンスール・ハーディ暫定大統領が首都を脱出して以降、内戦が続いている。ハーディ政権を支援するサウジアラビアは、反政府勢力に対抗するため、周辺アラブ諸国の連合軍を主導している。

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一方アメリカは、イランが今年に入ってたびたび外国船籍の石油タンカーを妨害していると非難している。アメリカが2018年5月にイラン核合意から一方的に離脱し、イランへの経済制裁を再開したことで、両国の緊張が高まっている。

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イエメン内戦 隠された現実

(英語記事 Oil prices soar after attacks on Saudi facilities

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