コックピットでコーヒーこぼし……緊急着陸の非常事態に

A cup holder (left) and audio control panels (APC) 1 and 2 Image copyright AAIB
Image caption AAIBの報告書に記載されていたものと同型のコーヒーカップホルダー(左)と、コックピット内の通信機器(右)

今年2月6日、ドイツ・フランクフルト発メキシコ・カンクン行きの旅客機が大西洋上を飛行中、思いがけないトラブルに見舞われていた。操縦士がホットコーヒーをこぼし、コックピットの通信機器が溶け出したため、緊急着陸を余儀なくされたという。

英航空事故調査局 (AAIB)が12日に公表した報告書によると、アイルランド・シャノン空港に緊急着陸したのは、乗客乗員337人を乗せたエアバスA330-243。

AAIBによると、操縦士が副操縦士を指導していた際に、ホットコーヒーが提供された。コーヒーカップにはふたは付いていなかったが、当該機の運航会社では当たり前のことだったという。

操縦士はコーヒーカップをテーブルに置いたものの、後にひっくり返してしまったという。

コントロールボタンが溶け出し……

コーヒーのほとんどは操縦士の膝にかかったが、少量がメインの音声コントロールパネル(ACP1)にかかった。

ACP1と、副操縦士側の音声コントロールパネル(ACP2)は、コントロールボタンが溶け出すほど熱くなった。

この影響で、ACPは故障し、通信に問題が生じた。

コックピット内で煙

コックピット内には煙が立ち上り、操縦士らは酸素マスクを着用しなければならない事態となった。

けが人はいなかった。

飲み物にふたを徹底

AAIBはこの旅客機の運航会社がどこか、明らかにしていない。

しかし、民間航空の安全確保を掲げる米非営利団体「フライト・セーフティ・ファウンデーション」によると、当該機は、英トーマス・クック航空を運航するトーマス・クック・グループの子会社、ドイツのコンドル航空のものだったという。

AAIBによると、問題機の運航会社はその後、すべての便で、飲み物にふたをすることを定めるなど、社内方針を変更した。乗員に対し、規定を守るよう周知されたという。

(英語記事 Spilled coffee forces plane to divert over Atlantic