米大統領補佐官に人質担当のオブライエン氏 現政権で4人目

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Image caption ドナルド・トランプ米大統領(左)と、新たな大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に任命された国務省のロバート・オブライエン人質問題担当特使

アメリカのドナルド・トランプ大統領は18日、解任したジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の後任に、国務省のロバート・オブライエン人質問題担当特使を任命した。

トランプ氏とオブライエン氏はそろってこの日朝、訪問先のカリフォルニア州ロサンゼルスで記者団に語った。

長年、外交政策に携わってきたオブライエン氏は、民主党政権と共和党政権のどちらも経験済みだ。

国務省では人質問題担当特使として、北朝鮮やトルコなどとの人質交渉に尽力してきた。

トランプ氏は、「ロバートは素晴らしい仕事をしてきた」とオブライエン氏を称賛。「われわれは互いのことをよく知っている」と述べた。

任命されて「光栄」

オブライエン氏は、任命は「光栄」だと表明。「われわれには数多くの課題があるが、すばらしいチームが整っている。そのチームや大統領と共に、アメリカを守り、軍を再建し続けるために働くことを楽しみにしている」と意気込みを語った。

オブライエン氏は安全保障政策のトップアドバイザーとして、移民政策から、緊張が高まっているイラン問題に至るまで、すべての課題を担うこととなる。

トランプ政権で4人目

トランプ政権の国家安全保障担当の大統領補佐官は、オブライエン氏で4人目。同職はこれまで、マイケル・フリン元陸軍中将(2017年2月に辞任)、H・R・マクマスター将軍(2018年4月に解任)、ジョン・ボルトン氏(2019年9月10日に解任)がつとめてきた。

同職への就任には、議会の承認は不要。

モルモン教徒としては、トランプ政権で最高位になるとみられる。

ロバート・オブライエン氏とは

弁護士出身のオブライエン氏は、共和党議員らの外交政策顧問を務め、さまざまな政府の役職についてきた。

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Image caption 長年外交政策に携わってきたロバート・オブライエン氏は、民主党政権と共和党政権の両方を経験してきた

2015年、ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領から国連総会の米国代理代表に使命され、当時国連大使を務めていたボルトン氏と共に働いた。

オブライエン氏はまた、コンドリーザ・ライス元国務長官(共和党)やヒラリー・クリントン元国務長官(民主党)の下、国務省の「アフガニスタンの司法改革のための公共・民間パートナーシップ」の共同議長を務めた。

オバマ前政権幹部が就任を歓迎

バラク・オバマ前政権で中東政策担当の国防次官補代理を務めたアンドリュー・エグザム氏は、ツイッターで、「私が言いたいのは、ロバート・オブライエンは本当に、本当に良い人物だということだけだ。間違いなく能力が試されるであろう職務での成功を祈る」と述べ、オブライエン氏の大統領補佐官就任を喜んだ。

オブライエン氏とボルトン氏の類似点

オブライエン氏と前任のボルトン氏は、いくつかの点で似た考えを持っている。

オブライエン氏は著書「While America Slept: Restoring American Leadership to a World in Crisis」(アメリカが眠っていた間に:危機的な世界にアメリカのリーダーシップを取り戻す)の中で、国連を批判。

さらに、同氏の息子が国連総会を、「すべての独裁者がアメリカにやってきて、われわれがいかに悪いかということを演説している」と表現したことを紹介。これまでに聞いた「より的確な表現のひとつ」だとしている。

オブライエン氏はまた、イランを「世界最大のテロ支援国家」と呼び、イラン核合意について批判的な立場をとっている。

人質交渉で尽力

人質問題担当特使のオブライエン氏は、米国人捕虜の家族と連携し、人質問題について政府に助言を行ってきた。

2016年にトルコ当局に拘束され、2018年に帰国したキリスト教福音派の牧師、アンドリュー・ブランソン氏や、北朝鮮で拘束された米国人、スウェーデンで暴行容疑で訴追されたラッパーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)などの解放に尽力してきた。

オブライエン氏が直面する課題とは

サウジアラビアの世界最大の石油処理施設が14日に空爆されたことを受け、米政権とイランの関係が最悪の危機の手前まで悪化している中、オブライエン氏は大統領補佐官に就任する。

アメリカは、この空爆にイランが関与していると主張。サウジアラビアを訪問中のマイク・ポンペオ国務長官は18日、この空爆は「戦争行為」だと述べたほか、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談で、イランに責任を取らせることで合意した。

停滞する非核化交渉をめぐっては、トランプ大統領と共に、北朝鮮を説得する戦略を練る必要がある。

さらにアフガニスタン問題も残っている。

トランプ氏は7日、アフガニスタンの和平を目指し、同国の反政府武装勢力タリバンとの「秘密会談」を米国内で予定していたが、これを取りやめた。同国首都カブールで5日に発生した自動車爆破事件で、死者12人の中に米兵1人が含まれていたことが、この決定につながったとしている。

9日には、タリバンと続けていた和平交渉は「死んだ」と述べ、交渉の打ち切りを表明した。

タリバンの交渉責任者の1人はBBCに対し、交渉が「アフガニスタンの和平実現の唯一の道」だとした上で、「交渉の扉は開いている」と述べた。

(英語記事 Trump names new national security adviser

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