【ラグビーW杯】 フランス、猛追アルゼンチンとの大接戦を制す

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Image caption フランスのCTBフィクーは前半、国際試合で自身8つ目となるトライを決めて逆転した

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は21日、1次リーグC組の試合が東京スタジアムであり、フランス(世界8位)が23-21という大接戦の末、アルゼンチン(同11位)を破った。

強豪のフランス、アルゼンチン、そしてイングランドのいずれかが1次リーグで必ず姿を消すことになる「死のC組」。

その皮切りとなった試合は、まさにW杯らしい、最後まで手に汗握る展開となった。

先制はアルゼンチン

試合開始直後は、一進一退の攻防が続いた。フランス、アルゼンチンのいずれの選手にも硬さが目立ち、22メートルラインをなかなか越えることができなかった。

じりじりした状況が続く中、先手を取ったのはアルゼンチンだった。

前半12分、フランス陣内でペナルティを獲得。SOニコラス・サンチェスがペナルティゴールを狙った。

これは惜しくも失敗したが、その3分後に再びペナルティを得ると確実にゴールを成功させ、3-0のリードに導いた。

しかし、これでフランスの目が覚めた。

スピードと個人技に勝るバックス陣が右サイドを攻撃。アルゼンチンに行く手を阻まれるとグラウンドの中央、さらには左サイドとワイドにパスを展開し、最後は左のゴール隅にCTBガエル・フィクーが飛び込み5-3と逆転した。コンバージョンキックも決まり、スコアを7-3とした。

完全にフランスのペース

フランスの勢いはその後も止まらなかった。

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Image caption 大接戦を制したフランス代表チーム

前半21分には、タッチライン沿いに突破すると見せかけて内側に切れ込む個人技などを活かして相手を翻弄(ほんろう)し、今度はSHアントワーヌ・デュポンで右のゴール隅にトライを決める。コンバージョンキックも決まり、スコアを14-3とじわじわ広げていく。

さらにここからは、試合巧者ぶりを発揮。前半29分と40分にペナルティを得た際には、トライを狙うのではなく、より確実に得点が奪えるペナルティゴールを選択。ともに成功させて3点ずつを加え、アルゼンチンを突き放した。

前半は20-3で終了。一進一退の攻防が続いた序盤の10分間を除けば、前半は完全にフランスのゲームだった。

後半は一転

ところが後半、試合の状況はガラリと変わった。

開始早々、ラインアウトからアルゼンチンのLOグイド・ペッティパガディサバルが、ゴール右隅に飛び込んでトライ。コンバージョンキックも決まった。

アルゼンチンはさらに後半13分、モールで相手を押し込み、HOフリアン・モントジャがゴール左にトライを決めた。コンバージョンキックは失敗したものの、フランスとの差を5点にまで縮めた。

後半20分と28分には、途中交代のアルゼンチンのSOベンハミンマリア・ウルダピジェタが、ペナルティゴールを2本とも成功。ついには21-20と逆転にまでこぎつけた。

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縦への強さ

戦況が一変した理由は明らかだった。

もともとフランスは、バックス陣の展開力とスピードに関してはアドバンテージがあるが、フォワード陣の強さと縦方向の突破力に関しては、アルゼンチンが上回る。

後半のアルゼンチンは、ラインアウトでボールを支配するようになっただけでなく、自らの持ち味を存分に生かせるようになったのだった。

意表つくプレーで決着

前半3-20の大差をつけられたチームが、逆転勝ちを収めるのではないか。

このW杯の歴史に残る逆転劇が成立するかに思われた瞬間、試合を決定づける瞬間が訪れた。

途中出場のフランスのWTBカミーユ・ロベスが意表をついて、ドロップゴールを決めたのだ。

フランスは再び23-21と逆転。アルゼンチンは試合終了直前、ペナルティゴールからの再逆転を狙ったが、キックはポストの左に外れた。

これで万事休す。アルゼンチンはぎりぎりまで相手を追い詰めながら、あと一歩のところで涙をのんだ。これでアルゼンチンは、国際試合で10連敗となった。

しかし、死の組の皮切りとなった試合は、前半と後半で両チームの特徴が見事に現れ、終盤まで息の抜けない展開が続いた、まさにW杯にふさわしい熱戦だった。

「半分よくてもだめ」

試合後、フランスのギレム・ギラド主将は、「きつい試合だったが、白星発進ができて満足だ」、「後半はボールも試合もコントロールできなかったが、前半はとてもきっちり動けたので非常によかった」と述べた。

一方、アルゼンチンのパブロ・マテラ主将は、「チームとしては悪いスタートとなった。(試合の)半分だけよくてもだめだ」、「フランスはすごくよかったわけではないが、チャンスで着実に得点した。劣勢から挽回するのは難しい」と話した。

この試合の最優秀選手:WTBダミアン・ペノー(フランス)

この試合の最優秀選手には、ボールを持って67メートルを進み、トライをアシストするなどアルゼンチンの脅威となった、フランスのWTBぺノーが選出された。

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Image caption 22歳のぺノーはこの試合、ボールを67メートル運び、トライをアシストするなど、アルゼンチンの脅威となった

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