香港で抗議参加者が実弾で撃たれる、デモ開始から初めて

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香港デモ、実弾で初の負傷者 中国建国70周年の記念日に

香港で1日、警察が発砲した実弾が、デモ行動に参加していた若者に当たった。抗議参加者が胸を撃たれたと、香港警察が明らかにした。今年6月から香港で反政府デモが続くようになって以来、デモ参加者が実弾で撃たれるのは初めて。中国共産党による中華人民共和国の建国70年となったこの日、北京での大々的な祝賀行事に対抗して、香港で激しい抗議行動が繰り広げられた。

警察の実弾でデモ参加者が撃たれた現場では、その直前に傘や金属棒を手にしたデモ隊が機動隊と衝突する様子が録画されていた。映像では、警官がデモ隊に向けて発砲する様子が捉えられていた。

別のビデオでは、撃たれて地面に倒れた男子学生が、「病院に連れて行ってくれ。胸が痛い。病院に行かないと」と言う様子が映っている。

学生の同級生はBBCに対して、学生の命に別状はないようだと述べる一方、「苦しんでいる様子を動画で見て、本当につらかった」と言い、学生同士でクラウドファンディングを立ち上げ学生のために寄付を募りたいと話した。若者は18歳だという。

今年6月から連続して行われ激しさを増してきた香港のデモでは、これまでも参加者が警察のゴム弾に撃たれたことはある。8月には警察が初めて実弾を発砲していた。しかし、抗議参加者が実弾で撃たれるのは、今回が初めて。

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香港でデモ隊と機動隊が衝突

中華人民共和国の建国70年を祝う国慶節の祝賀行事が、北京で大々的に開かれたこの日、香港でも祝賀式典で中国国旗が掲げられた。厳重警備の中、国際会議場の中で招待客1万2000人が北京の祝賀行事の様子を見守った。香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、北京での式典に参加している。

これに対して、この日を「悲しみの日」と呼ぶ香港市民は、中心部など各地で抗議行動を繰り広げ、道路を封鎖したり、機動隊に火炎瓶を投げたりした。

警察は催涙ガスやゴム弾などで応戦し、衝突の中で抗議参加者31人が負傷した。実弾で胸を撃たれた男性を含め、2人が重体となっている。

警察は抗議に参加した人たちを後から特定しやすいよう、デモ隊に向かって水砲で青い染料を放水するなどした。

デモ隊はバリケードに火をつけながら後退し、抵抗を続けた。警官にねじ伏せられ、出血する抗議参加者も大勢いた。

Image caption 機動隊は軒尼詩道 (ヘネシーロード)からデモ隊を一掃した
Image copyright AFP
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警察は、「腐食性の液体」を浴びせられた複数の警官が負傷したと話している。

地元メディアによると、これまでに100人近くが逮捕されている。

欧州連合(EU)は1日の激しい衝突を受けて、香港の政府と市民の双方に、事態の「沈静化と抑制」を呼びかけた。

一方で、ドナルド・トランプ米大統領は、中国の習近平国家主席と中国国民に建国70周年を祝うツイートをする一方、香港情勢には触れていない。

BBCニュース中国語が多くの写真と共に伝える、デモの様子はこちら(中国語)。BBCニュースの英語ライブブログはこちら

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市内では少なくとも15の地下鉄駅や複数のショッピングセンターが閉鎖された。抗議鎮圧のため、警官約6000人が配備されている。

毎年恒例の国慶節の記念花火は中止された。

香港では例年、10月1日に反中国政府デモが行われている。今年は特に「逃亡犯条例」の改正案を発端にした抗議活動が数カ月にわたって行われているため、1日のデモも大規模になると当初から予想されていた。

逃亡犯条例は中国本土への犯罪容疑者の引き渡しを可能にするもので、反政府派からは、中国本土で不公正な裁判にかけられるとの懸念が出ていた。

香港政府は9月に逃亡犯条例の改正案を完全撤回したものの、市民の抗議の声はやまず、相次ぐデモは香港の未来をかけた生存闘争へと変化しつつある。

(英語記事 China anniversary: Hong Kong protester shot by live round

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