93人の殺害を自白、うち50人を確認 米史上「最悪の連続殺人犯」

Samuel Little victims Image copyright FBI
Image caption リトル受刑者が描いた、自らが殺害したとする女性たち。FBIは被害者の身元特定のため、この似顔絵を公開した

アメリカの連邦捜査局(FBI)は7日、元ボクサーのサミュエル・リトル受刑者(79)について、殺害を自白した93人のうち50人の被害を確認したとし、同国史上最多の連続殺人犯だと発表した。

FBIは1970~2005年に起きた殺人事件50件について、リトル受刑者の犯行だと断定したという。他の43件についても、引き続き同受刑者の関与を調べる。

FBIは「自白のすべてが信用できる」との声明を出した。ただ、殺害についての記憶は確かだが、日付があいまいなため、捜査は難航したという。

リトル受刑者は2012年、女性3人を殺害した罪で終身刑が言い渡され、刑務所に収監されている。

殴って首を絞める

当局者によると、リトル受刑者は弱い人々を狙った。被害者は主に黒人女性で、その多くはセックスワーカー(性労働者)や違法薬物の使用者だったという。

拳で殴り倒し、首を絞めて殺したとされる。そのため、残虐な殺人にもかかわらず、「明白な形跡」が必ずしも残されなかった。

FBIによると、薬物の過剰摂取や事故だと誤って判断した被害者も多く、一度も捜査しなかった事案もあった。遺体が発見されていない事件もあるという。

FBIのクリスティー・パラゾロ犯罪分析官は、「サミュエル・リトルは長年、誰も彼の被害者について説明できないので捕まらないと信じていた」と声明で説明。

「彼はすでに刑務所にいるが、FBIは被害者一人ひとりについて正義を追求し、可能な限り多くの事件を終結させることが大事だと考えている」と述べた。

インタビューを公開

FBIにとって難題なのが被害者の特定だ。

リトル受刑者はかつて、殺害した女性たちの似顔絵を刑務所で描いていた。FBIはそれを公開し、情報を募ってきた。

また、リトル受刑者が殺害状況を詳しく話したインタビューの動画も公開している。

Image copyright Wise County Jail
Image caption 最近のリトル受刑者。サミュエル・マクドウェルという名前も使っていたとされる

その中でリトル受刑者は、1970年代初めにフロリダ州マイアミで、トランスジェンダーの19歳の女性と出会い、サトウキビ畑わきの道路で殺害したと証言。

遺体はエバーグレーズ湿地に引きずって移動したとし、「地面はやわらかかった」、「手を放すと顔を下に向けて崩れ落ちた」などと説明した。

1993年にラスベガスのモーテルの部屋で女性を絞殺した事案については、その女性の息子に会い、握手もしたと話した。

FBIは今回、これら5件の殺人事件に関して情報提供を呼びかけている

Image caption リトル受刑者が自白した殺人事件の場所。緑色の丸は被害者が1人、赤色の丸は2人以上とされる(FBIのデータをもとに作成)

すでに3回の終身刑

リトル受刑者は2012年、ケンタッキー州の薬物事件で逮捕され、カリフォルニア州に移送された。それ以前に、強盗や強姦などの前科があった。

DNA鑑定の結果、ロサンゼルス郡内で1987~1989年に起きた3件の未解決殺人事件への関与が判明。リトル受刑者は裁判で無罪を主張したが、保釈なしの3回の終身刑が言い渡された。

その後、未解決の凶悪犯罪や性犯罪の連続犯を追う、FBIの凶悪犯逮捕プログラム(ViCAP)の対象になった。

ViCAPの捜査官とテキサス州公安局のジェイムズ・ホランド氏が合同で、リトル受刑者を聴取した。ホランド氏らによると、リトル受刑者は別の刑務所に移りたいと言って、捜査への協力に同意。ホランド氏は「ほぼ毎日」聴取を続け、リトル受刑者による犯行の全体像を描くことができたという。

リトル受刑者が今後、新たに確認された殺人事件で訴追されるかはわからない。

(英語記事 FBI names America's deadliest serial killer

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