「終末」を待った? 9年間小部屋で拘束の6人発見 オランダ

A drone photo of the farm, where a father and six children had been living in the cellar, in Ruinerwold, The Netherlands Image copyright EPA
Image caption オランダ北東部ドレンテ州の警察は、農家の小部屋で拘束されていたとされる若者6人を発見した。「いまだ多くの謎が残されている」という

オランダ北東部ドレンテ州ロイネルウォルト郊外の孤立した農家で、9年間小部屋で拘束されていたとされる、きょうだいとみられる若者6人が発見された。警察はこの家で暮らし、父親だと名乗る男(58)を逮捕した。

6人のうちの最年長の男性(25)が部屋の外に出て、助けを求めたことから発覚した。

ドレンテ州の警察は15日、この男性のほか、小部屋にいたきょうだいとみられる5人を見つけた。6人の年齢は18~25歳だという。

「終末を待ち続けた」

逮捕された男は、違法な拘束と、他人の健康を損なった容疑がかけられている。

警察によると、男はこの農家を借りていた。男と若者6人の関係は不明だという。

彼らは「終末を待ち続けていた」とされる。

施錠可能な小空間

警察は15日、声明で「我々は、1軒の家の中の小さな空間で生活する6人を発見した。施錠ができる空間だった」と説明した。

当初、食器棚の裏の隠し階段を下った秘密の地下室に閉じ込められていたとされたが、警察はその後、地下室ではないと述べた。

警察はBBCの取材に対し、男の身元を調べていると述べた。

地元メディアは、男はオーストリア出身のジョセフ・B容疑者で、家周りの修理などを行う便利屋をしていたと報じている。

男は父親ではない

ロイネルウォルトのロジャー・デ・グルート村長は、「こんなことは今まで見たことがない」と記者団に述べた。

グルート氏によると、一家の中には住民登録がされていない人がいたほか、58歳の男が父親ではないことが分かったという。

バーで助けを求め

地元テレビ局RTVドレンテによると、発見のきっかけは、きょうだいの中で一番年上の男性がロイネルウォルトのバーでビールを注文したあと、店員に助けを求めたことだった。助けを求めた息子の名はジョンとされる。

バーのオーナーのクリス・ウェステルベーク氏によると、この男性は1人で入店し、ビールを5杯を飲んだという。

「男性と雑談をしていたら、逃げ出してきて助けが必要だと打ち明けられた。(中略)それで警察に通報した。男性の髪は長く伸び、ひげは汚らしく、古びた服を着ていて、混乱した様子だった」

「男性は、学校に一度も通ったことがなく、9年間床屋に行っていないと言っていた。農家で暮らす兄弟と姉妹がいて、きょうだいの中で一番年上だと言っていた。家族の暮らし方を終わらせたいと言っていた」

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Image caption 近隣住民は、6人が発見された農家では野菜を栽培して自給自足していたとみている

警察が農家を捜索した際、助けを求めた男性は家におらず、きょうだい5人と58歳の男が見つかった。

人口3000人以下の小さな村、ロイネルウォルト郊外にあるこの農家へ行くには、水路に架かる橋を渡る必要がある。

植木で人目につきにくく

農家は植木で一部が隠れた状態になっていた。ここには大きな野菜畑があるほか、ヤギが1匹が飼育されていた。

ある近隣住民は、オランダメディアに対し、これまでに目撃したのは男性1人だけで、子供は見たことがないと証言。また、ガチョウ1羽と犬1匹がいたとしている。

地元の郵便配達員は、この家に郵便物を届けたことは一度もないといい、「今考えてみると、かなり奇妙だ」と、オランダ紙アルゲメン・ダグブラド電子版に述べた。

多くの謎

警察はツイッターで、「ロイネルウォルトの家にいる人々の生活状況について懸念する通報があり(中略)現場に駆けつけた。いまだ多くの謎が残されている」と述べた。あらゆる可能性を考慮しつつ、捜査を行っているという。

6人が発見された後、農家と周辺一体は封鎖された。

どれほどの間、6人が小部屋にいたのかは分かっていない。

複数報道は、58歳の男は脳卒中を患い、寝たきりだったとしている。

(英語記事 Family 'waiting for end of time' found on farm/Man suspected of holding Dutch family against will

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