天皇陛下、「即位礼正殿の儀」で国内外に即位を宣言

「即位礼正殿の儀」で高御座に座った天皇陛下(22日、皇居) Image copyright Reuters
Image caption 「即位礼正殿の儀」で高御座に座った天皇陛下(22日、皇居)

今年5月の皇位継承にともない即位した天皇陛下(59)が即位を国内外に宣言する、「即位礼正殿の儀」が22日午後1時から、皇居・宮殿で行われた。朝からの強い雨と風は儀式の直前にやんだ。天皇即位は今年5月だが、伝統に即し政府が決定した一連の即位関連行事が続いている。

12日夜に伊豆半島に上陸し、約80人の犠牲者を出した台風19号「ハギビス」による影響が各地に残る中、22日午前9時から、即位礼関連儀式「即位礼当日賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」が皇居・宮中三殿で行われた。

天皇陛下は、重要な儀式で天皇のみが着用できる、黄色がかった茶色の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を身につけて高さ6.5メートルの「高御座(たかみくら)」に座った。

皇后雅子さまは十二単姿で「御帳台(みちょうだい)」に座った。

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即位礼正殿の儀で天皇陛下は即位を内外に宣言

天皇陛下は、「さきに、日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに『即位礼正殿の儀』を行い、即位を内外に宣明いたします」とおことばを読み上げた。

さらに、「上皇陛下が30年以上にわたる御在位の間、常に国民の幸せと世界の平和を願われ、いかなる時も国民と苦楽を共にされながら、その御心を御自身のお姿でお示しになってきたことに、改めて深く思いを致し、ここに国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」と続けた。

この後、安倍晋三首相が「寿詞(よごと)」と呼ばれる祝辞を読み上げた。続き、首相の万歳三唱のかけ声にあわせて、陸上自衛隊の礼砲部隊が即位を祝う礼砲を発射した。

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Image caption 「即位礼正殿の儀」で高御座に座った天皇陛下
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Image caption 御帳台に座った皇后陛下
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Image caption 天皇陛下のおことばの後、安倍首相が祝辞を読み上げ、万歳を三唱した
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Image caption 天皇、皇后両陛下

天皇、皇后両陛下は午後19時20分から、外国要人らを招いた「饗宴の儀(きょうえんのぎ)」に出席した。「即位礼正殿の儀」を終えていったん赤坂御所に戻った両陛下は、洋装の正装姿で午後7時ごろに皇居に入った。車内から沿道の人たちに笑顔で手を振る姿が見られた。

当初は「即位礼正殿の儀」後に予定されていたパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」は、台風の犠牲者や家族への配慮から、11月10日に延期された。

即位の礼にあわせ、約55万人を対象に恩赦が実施される。対象者の大半は、罰金刑を受け、医師などの公的資格を制限された人への「復権」となる。

直前に青空と虹

「即位礼正殿の儀」には、英王室のチャールズ皇太子をはじめ、170以上の国と地域から外国要人が参列した。

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Image caption 即位礼正殿の儀に出席した、イギリスのチャールズ皇太子とデンマークのメアリ皇太子妃(22日、皇居)

78歳の男性はAFP通信に、「今日は新しい天皇、皇后両陛下にとって、大事な日。以前よりも天皇陛下に親しみを感じる(中略)平和への思いをお伝えしたい」と話した。

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Image caption 皇居の前に集まった人たち

強い雨と風は儀式が始まる直前にやみ、青空がのぞいた。

ソーシャルメディアには、儀式の直前に上空に虹が出たという投稿も相次いだ。

1990年以来

この日の儀式は、1989年に天皇に即位した上皇陛下(明仁さま)の「即位礼正殿の儀」が執り行われた1990年以来だった。

上皇陛下は今年4月30日に退位した。天皇の譲位は202年ぶりで、陛下は「上皇」に、美智子さまは「上皇后」となった。

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Image caption 強い雨の中、皇居に到着された天皇陛下(22日朝、東京)
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Image caption 「賢所大前の儀」の会場に向かう秋篠宮さまをはじめ皇族方(22日午前、皇居)

がんを患い、心臓のバイパス手術も受けた上皇陛下は、健康悪化によって公務を果たすことができないと感じ、2016年8月に異例のお気持ちを表明するビデオメッセージを公開した。これを受けて、4月30日の「退位の礼」に法的根拠を付与することなどを盛り込んだ「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が施行された。

天皇は日本国の象徴だが、政治的権限はない。国民との交流や各国要人の歓迎、文化的行事や公の行事への出席など、儀式的な公務が多い。

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雅子さま、これまでの重圧と新たな皇后像

すでに即位しているのでは?

徳仁さまは5月1日に新天皇に即位した。ジャパンタイムズによると、5月の儀式は「簡素化されたもので、皇位継承をただちに知らせるためのもの」だったという。

即位日から日にちをあけて「即位礼正殿の儀」が行われるのは珍しいことではない。1989年1月に昭和天皇の死去にともない天皇に即位した上皇陛下の時は、諒闇(喪に服す期間)が明けた翌年11月に儀式が執り行われた。

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Image caption 上皇陛下は、健康悪化によって公務を果たすことができないことを理由に生前退位した

「国民の天皇」の著者のケン・ルオフ氏は、「通常は、天皇の死去にともない新天皇がただちに即位するという流れなので、諒闇が明けるまでの間『即位礼正殿の儀』が行われないのはごく自然なことだ」と話す。

一方で、徳仁さまは200年ぶりの天皇の譲位によって新天皇に即位したため、今回は慶事として扱われている。

「国外からの代表者が来日し、信じられないほど綿密な宴会が開かれる。パレードも予定されていた。『もうやったんじゃないの?』と考えている国外では、この儀式は重要だと認識されてはいない。しかし、日本人にとっては大事なことなんです」と、ルオフ氏はBBCに話した。

(英語記事 Japan's Emperor Naruhito set to mark enthronement

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