米ジュリアーニ氏の仕事仲間、無罪を主張 違法献金の疑い

Lev Parnas and Igor Fruman appeared in court in Manhattan Image copyright Reuters/EPA
Image caption レフ・パルナス被告(左)とイーゴリ・フルマン被告は無罪を主張した(23日、マンハッタン)

ドナルド・トランプ米大統領らに政治献金をし、選挙資金規正法違反の罪に問われた事業家2人が23日、ニューヨークの連邦地裁で無罪を主張した。

2人は、トランプ氏の個人的な顧問弁護士、ルディ・ジュリアーニ氏の仕事仲間で、ジョー・バイデン前副大統領がウクライナで汚職に関わっていたとうわさを広めていた。

ニューヨーク連邦地検は、旧ソ連で生まれた実業家のレフ・パルナス被告(46)とイーゴリ・フルマン被告(53)が、外国からの資金をアメリカの政治家に提供するため画策したとして、共謀や記録改ざんなどの罪で起訴した。この日の罪状認否で、両被告は無罪を主張した。

資金洗浄して献金か

アメリカでは外国人や外国の組織からの政治献金は禁止されている。連邦地検は、両被告が資金洗浄によってこの規制をくぐり抜けようとしたとみている。捜査当局は50以上の銀行口座の記録を差し押さえた。

起訴状などによると、両被告は架空の会社を隠れみのに、外国から集めた資金をアメリカの政治家に寄付していたとされる。

2018年には、トランプ陣営を支持する団体に32万5000ドルを違法献金したという。訴状に「委員会1」として記載されている組織が、このトランプ派団体だとみられる。

この献金を含め、両被告は数カ月の間に共和党政治家の選挙陣営に40万ドル以上を献金したとされる。大口献金を重ねたことによって、トランプ氏を含む共和党幹部と直接面会することができたという。

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Image caption 逮捕前のパルナス被告とワシントンのトランプ・インターナショナル・ホテルで一緒にいたジュリアーニ弁護士

公判では、パルナス被告の弁護士エドワード・マクマーン氏が、事件の証拠の一部は大統領権限の対象になり、開示が差し止められるのではないかと質問した。

マクマーン氏はまた、パルナス被告はジュリアーニ弁護士とやりとりしたことがあると指摘。これを理由に、ホワイトハウスの法務顧問や司法省がこの裁判に関わるべきではないかと述べた。

ウクライナ出身のパルナス被告とベラルーシ出身のフルマン被告は、現在は共にアメリカ国籍を取得している。今月10日にヴァージニア州のダレス国際空港からウィーン行きの便で出国しようとしていたところを、逮捕された。

23日の公判で無罪を主張した2人は、100万ドル(約1億900万円)の保釈保証金を支払い、パスポートを提出した後、釈放された。

裁判所の前でパルナス被告は記者団に対して、「法廷で自分を積極的に弁護するのが楽しみだ。いずれ真実が明らかになり、私の主張が認められるはずだ」と述べた。

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Image caption 法廷に到着したパルナス被告

来年の米大統領選で民主党候補になるかもしれないジョー・バイデン前米副大統領とその息子について、トランプ氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に捜査を要請した問題で、野党・民主党が多数を占める連邦議会の下院は、大統領への弾劾調査を進めている。

パルナス、フルマン両被告の事件は、この弾劾調査と関係する可能性のある、最初の刑事事件。ただし、両被告に対する起訴状において、トランプ氏もジュリアーニ氏も、問題行動があったとはされていない。

下院での弾劾調査のきっかけとなった内部告発では、情報当局者がトランプ氏について、来年の大統領選に向けて「大統領権限を利用して外国の介入を獲得しようとしている」と懸念を示している。

内部告発者は、ウクライナでのジュリアーニ氏の活動のほか、ジュリアーニ氏の「仕事仲間」の両被告の活動についても、繰り返し言及している。

大使解任狙って献金?

両被告はさらに、「ウクライナ政府関係者の要請にもとづき」、当時のアメリカのマリー・ヨヴァノヴィッチ駐ウクライナ大使を解任させようと、匿名の下院議員に大口献金をして、協力を求めたとされている。ヨヴァノヴィッチ氏は、民主党が中心になり下院で進める弾劾調査で証言している。

民主党は、保釈された両被告から聞き取り調査をする必要があると主張し、機会を求めている。

ジュリアーニ弁護士は今年5月に、両被告を自分の「依頼人」と呼んでいた。

ジュリアーニ氏は、ジョー・バイデン前米副大統領とその息子について汚職疑惑で捜査するようウクライナ検察に働きかけたことを自ら認めている。そのウクライナ検察とジュリアーニ氏が接触できるように仲介したのが、両被告だと複数の米メディアが報道している。

弾劾調査の一環として、アメリカのウィリアム・テイラー駐ウクライナ大使は22日の下院監視・政府改革委員会で、「我々とウクライナとの関係は根本的に、アメリカの非正規で非公式な政策決定ルート、さらに、国内政治上の理由から相手に不可欠な安全保障上の援助を差し控えたことで、根本的に損なわれていた」と証言。この「非正規で非公式な政策決定ルート」の中心にいたのが、ジュリアーニ弁護士だったと述べた。

(英語記事 Trump donors plead not guilty to campaign finance fraud

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