ゴーン被告の弁護団、公訴棄却を要求 司法取引は「違法」

Chairman and CEO of Renault-Nissan-Mitsubishi Carlos Ghosn looks on during a visit of French President at the Renault factory, in Maubeuge, northern France, on November 8, 2018. Image copyright Getty Images

日産自動車の前会長で会社法違反罪などで起訴されている、カルロス・ゴーン被告(65)の弁護団は24日、都内で記者会見を開き、日産幹部と検察の司法取引は「違法」として、公訴棄却を求める書面を東京地裁に提出したと明らかにした。

ブラジル出身で、自動車業界の大物だったゴーン前会長は昨年11月19日、役員報酬の過少記載や会社資金の不正利用など「重大な不正行為」があったとして、金融商品取引法違反容疑で逮捕された。

ゴーン氏は一貫して無罪を主張している。現在は保釈されており、来春にも公判が始まる見込み。

検察と日産による「国策捜査」

弁護団の弘中惇一郎弁護士は24日、裁判所に提出した書面を公表。「事件は検察と日産に仕組まれたもので、日産をフランスに渡すまいとする国策捜査だ」と述べた。

さらに「司法取引」について、 「フランス・ルノーとの統合を阻止するために、日産役員らがゴーン氏を失脚させる目的でなされたものだ」、「本来の制度趣旨に反していて違法だ」と主張した。

BBCは日産にコメントを求めたが、拒否された。

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昨年11月に逮捕されたゴーン前会長は、今年3月に保釈保証金10億円を納付し、逮捕から108目に保釈された。その後、特別背任の疑いで再逮捕され、再び保釈された。

ゴーン前会長は以前から、彼の逮捕はルノー、日産、三菱を統合する計画に反対する日産幹部らによる「謀略と裏切り」によるものだと主張している。

ルノーと日産の再建に貢献し、両社のアライアンスの要となった前会長の失脚と長期間の勾留は、世界の注目を集めている。加えて、国際的な自動車メーカーの連合や、日本の法制度の問題にも関心が寄せられている。


<解説>――テオ・レゲット、ビジネス担当編集委員

カルロス・ゴーン前会長の弁護団に、引き下がる様子がないのは明らかだ。ゴーン前会長本人も以前、自分を「裏切った」日産幹部らが、検察と共謀して失脚を図ったと非難していた。

しかし今、ゴーン氏側の主張の矛先は、日本政府当局にまで及んでいる。日本の産業界トップの日産がフランスの支配下におかれないよう、ゴーン氏主導による日産とルノーの統合を阻止しようとしたと示唆したのだ。

今回の動きは、ゴーン氏を国家主義者のわなに陥ったかわいそうな犠牲者と描くことで、日本に最大級の恥をかかせようと狙っているように思える。そして、実質的に日本の司法制度を裁判にかけようとしているとも思える。

ゴーン氏にかけられた容疑(同氏はそのすべてを否認)が、ほとんど無関係になっているようにみえる。ただ、それが目的なのかもしれない。


(英語記事 Carlos Ghosn accuses Japan of unlawful conspiracy

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