【ラグビーW杯】 イングランドが決勝進出 ニュージーランドは3連覇ならず

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Image caption イングランドが破ったニュージーランドは、2007年に準々決勝でフランスに負けて以来、W杯で無敗だった

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は26日、横浜国際総合競技場(横浜市)で準決勝の第1試合があり、2003年大会以来の優勝を狙うイングランド(世界2位)が、大会3連覇を狙ったニュージーランド(同1位)を19-7で破って決勝進出を決めた。

W杯でイングランドがニュージーランドに勝ったのは初めて。W杯以外の対戦を含めても、イングランドは2012年以降、ニュージーランドに6連敗していた。

ニュージーランドは前回と前々回の大会を連覇し、W杯では18連勝中だったが、その記録が途絶えた。

V字に並びハカに対抗

事実上の決勝戦と評された顔合わせだった。

ニュージーランドは優勝候補の筆頭にふさわしく、圧倒的な破壊力を見せつけて準決勝に順当に駒を進めてきた。

対するイングランドは、4年前は母国大会でありながら1次リーグで敗退するという屈辱を味わったが、エディ・ジョウンズ監督の下で再建に成功。組織力を武器に、危なげない戦いぶりで勝ち上がってきた。

試合開始前にニュージーランドの選手たちがハカを披露した際、イングランドの選手たちはV字に並んで相手に対抗してみせた。ジョウンズ監督率いる面々が、ピッチ上でも完全に相手を分析し尽くしていることをうかがわせた。

開始直後にトライ

ニュージーランドの勝利を予想する声が多かったが、試合は思いもよらぬ形で幕を開けた。

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Image caption イングランドのCTBトゥイランギ(ボールを持った選手)の前半2分のトライは、ニュージーランドにとって、W杯で許したトライで最も早いものとなった

前半開始早々、イングランドはハーフウェイライン付近でラインアウトを獲得した。そこからまずは右サイドへ、そして次には左へと大きくボールをつなぎながらライン攻撃を展開し、22メートルライン内へと侵入した。

中央に折り返すと、ゴールポスト周辺で密集を作り、CTBマヌ・トゥイランギがそのままゴールポスト右に飛び込んだ。

まさに電光石火。ラインアウトからトライに至るまで、プレーは一度も切れなかった。ニュージーランドのお株を奪うような速攻だった。

CTBオウエン・ファレルのコンバージョンキックも決まり、イングランドが7−0と先手を取った。

散発的な反撃

イングランドは、その後もキックをほとんど使わなかった。しぶとくパスをつなぎながらライン攻撃を展開したり、考え抜かれた素早いコンビネーションプレーで突破を図ったりしながら、相手を揺さぶり続けた。

対するニュージーランドは、個の突破力を武器に何度か反撃を試みた。だが決定的な場面は作り出せなかった。

攻撃は散発的で、敵陣深くまで攻め入る場面そのものが少なかった。ボールハンドリングのミスやペナルティで、自ら攻撃の芽を潰してしまう場面も見られた。

ニュージーランドがこのような姿を見せるのは、今大会初めてだった。

光った積極的な守備

ただしニュージーランドが実力をフルに発揮できなかった真の要因は、別のところにあった。イングランドが展開したアグレッシブな守備である。

ジョウンズ監督に鍛え上げられた選手たちは、高いラインを維持しながら、ボールを持った相手の動きを次々に封じていった。

当然、後方には大きなスペースが生まれるが、バックス陣はしっかり対応。相手の攻撃パターンを頭に叩き込んでいるために、おとりのランや飛ばしパスにおびき出される場面もほとんどなかった。

28年ぶりの前半無得点

ニュージーランドは、スクラムやモール、ラインアウトでも優位に立てなかった。

そのため前半は、イングランドがボールをキープしながら敵陣で攻撃を続け、試合の主導権を握る場面が目立った。

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Image caption イングランドのSOフォード(右)は4本のペナルティーゴールを決めた

前半終了間際、ニュージーランドは波状攻撃をかけて同点に追いつこうとするが、やはり相手を崩すことはできなかった。それどころか逆に相手にペナルティを与え、前半40分にはSOジョージ・フォードにペナルティゴールを奪われた。

こうして前半はイングランドが10−0でリードしたまま終了。ニュージーランドがW杯で前半に得点できなかったのは、28年前の大会で1度経験して以来だった。

スコアだけでなく、試合の内容においても、誰もが予想しなかった展開だった。

リードを拡大

イングランドは後半も、ニュージーランドにペースをつかませなかった。

ニュージーランドは再開直後、ライン攻撃を試みたが、イングランドがアグレッシブな守備で対応。主導権を握らせなかった。

イングランドは攻撃でも、より頻繁にキックを使い始めるなど、さらに相手を悩ませていった。

そして後半9分にはフォードがペナルティゴールを決め、13-0と引き離した。

反撃のトライ奪ったが

後半16分には、イングランドは自らのラインアウトでニュージーランドのFLアーディー・サヴェアにボールをキャッチされ、トライを許した。

ニュージーランドはSOリッチー・モウンガがコンバージョンキックも決め、7-13と詰め寄った。

だがイングランドは、後半22分と27分にペナルティゴールを確実に決め、19−7と再び相手を突き放すことに成功。イングランドはその後も攻守にわたって、試合の主導権を握り続けた。

終盤は、ニュージーランドの選手たちがボールをキープしながら波状攻撃をかけているにもかかわらず、逆にじわじわと押し下げられていくという珍しいシーンも見られた。

ニュージーランドは、ハンドリングミスで自ら流れをふいにする場面が目立った。

「規律が見事だった」

試合はこのまま終了。イングランドは優勝候補の筆頭を撃破し、決勝に駒を進めた。

決勝では、27日の準決勝第2試合、ウェールズ対南アフリカの勝者と対戦する。

イングランドのジョウンズ監督は試合後、BBCラジオ5ライブに、「戦術的な規律が見事だったし、ディフェンスの仕事ぶりもよかった。攻撃の機会が訪れたときには、うまく攻めることができた」と勝因を分析。

「世界王者になるためにここに来た。まだ実現していないので、それを目指す」と語った。

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一方、ニュージーランドのスティーヴ・ハンセン監督は、「イングランドにおめでとうと言いたい。彼らの驚異的なプレーは勝利に値する。イングランドには付け入るすきを与えてはいけないが、付け入られてしまった」と述べた。

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Image caption イングランドのFLアンダーヒルは相手を圧倒するタックルを見せた

この試合の最優秀選手:サム・アンダーヒル(イングランド)

この試合の最優秀選手には、強烈なタックルでイングランドの試合のペースをつくったFLサム・アンダーヒルが選ばれた。

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