ブレグジット記念硬貨、延期で「リサイクル」へ  合意なし離脱対策も中断

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Image caption 記念の50ペンス硬貨は、最初の離脱予定日に向けて用意されていたデザインとほぼ同じで、3月29日の代わりに10月31日の日付が刻印されるはずだった

イギリスの欧州連合(EU)離脱が2020年1月31日に延期されたことを受け、当初の10月31日の離脱に向けた準備が次々と「待った」をかけられている。王立造幣局は、10月31日の日付が入ったブレグジット(イギリスのEU離脱)記念の50ペンス硬貨を「リサイクル」すると発表した。

財務省の報道官は、政府は今後もブレグジット記念硬貨を作る予定があり、EUを「離脱した段階で流通を開始する」と話している。

EUは28日、イギリスのEU離脱期限の延期で合意したと発表。ボリス・ジョンソン英首相はこの日のうちにこの期日を受け入れた。

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王立造幣局は、ブレグジット期日に合わせた記念の50ペンス硬貨を鋳造するようされていた。7月に就任したサジド・ジャヴィド財務相の指揮の下、最大1000万枚が鋳造されていたという。

しかしブルームバーグなどによると、離脱延期を受け、10月31日に向けてすでに用意されていた記念硬貨は破棄されるようだ。

記念硬貨のデザインは、10月8日の枢密院(女王の諮問機関)が承認したもので、片側に「全ての国に平和と繁栄、友情を」というメッセージと、2019年10月31日という日付が刻まれ、反対側にはエリザベス女王の横顔など通常の50ペンスと同じデザインが施されることになっていた。

また、通常の銅とニッケルの硬貨のほか、特別に金と銀でも記念50ペンスが鋳造される見通しだった。金の記念硬貨以外は、法定通貨として流通する予定だった。

造幣局のサイトによると、貴金属は一度溶かされてから精製され、再び固められて再利用される。通常の50ペンス硬貨は、希少性が高まりつつある銅やニッケルでできている。

記念硬貨製造の費用には税金は使われない。

「ブレグジットに備えよう」キャンペーンを中断

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イギリス政府はブレグジット延期を受け、離脱に備えるよう国民に呼びかける「ブレグジットに備えよう(Get Ready for Brexit)」キャンペーンを中断すると発表した。また、「合意なし離脱」が引き起こすかもしれないさまざまな不測の事態に備えて発動していた「イエローハンマー計画」も、いったん中断したとみられる。

「ブレグジットに備えよう」キャンペーンは9月頭に開始されていた。政府は特設サイトを開設したほか、屋外広告やソーシャルメディアの広告、テレビCMなどで準備を促しており、経費は1億ポンド(約140億円)に上るとみられている。

最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首はこれについて、「公的資金が1億ポンドも無駄づかいされた」と批判した。

「この予算で一体何人の看護師を雇い、一体どれだけの資源をフードバンクへ提供し、一体どれだけの社会福祉政策に投資できただろうか。首相は失敗するべくして失敗したのに、それを議会のせいにしようとしている」

イギリスの会計検査院(NAO)は先に、「ブレグジットに備えよう」キャンペーンは開始時期が離脱期限に近すぎたため、「限られた効果」しか発揮していないとの報告を発表している。

キャンペーンの特設サイトには、10月18日までは「イギリスは10月31日にEUを離脱します」と書かれていたものの、ジョンソン首相がEUと離脱協定案に合意した後は、「イギリスは10月31日に合意なし離脱をする可能性があります」に変更された。現在は、10月31日という表記が一切消えている。

(英語記事 Government pauses £100m Brexit ad campaign / Brexit coins to be 'recycled' amid further delay))

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