バグダディ容疑者を「下着」で特定 クルド人スパイが事前入手

Baghdadi addressing crowd in Mosul, 2014 Image copyright AFP
Image caption バグダディ容疑者は2014年7月、「イスラム国」による「イスラム帝国」樹立をイラク北部モスルで宣言した

クルド人民兵が多数を占めるシリア民主軍(SDF)は28日、過激派勢力「イスラム国」(IS)の指導者アブ・バクル・アル・バグダディ容疑者が自殺した27日の米軍事作戦の際、対象とした人物が同容疑者であることを事前に確認するため、SDFのスパイが入手した下着を使ったと明らかにした。

SDFのポラト・ジャン司令官はこの日、ツイッターで、バグダディ容疑者の潜伏先を突き止める上で、SDFのスパイが重要な役割を担ったと主張。軍事作戦でのクルド人部隊の活動を軽視するアメリカのドナルド・トランプ大統領に反発した。

SDFでは、入手した下着のDNAを分析し、米軍が狙いをつけた人物がバクダディ容疑者であることを、作戦前に確認したという。

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上空から潜伏先の建物を砲撃 バグダディ容疑者急襲の映像

「我々の活動のたまもの」

トランプ大統領は、クルド側は「役に立つ」情報を提供してくれたが、「軍事的役割」はまったく果たさなかったと述べていた。

ジャン司令官は、「容疑者に関するあらゆる諜報活動や接触方法、潜伏先の特定は、我々独自の活動のたまものだ。我々の諜報活動筋は最後まで、潜伏先の座標の提供や、空中投下の指示、軍事作戦への参加および作戦を成功させることに至るまで関与していた」とツイートした。

ジャン氏は、バグダディ容疑者の居場所を突き止めるため、SDFは今年5月15日以降、米中央情報局(CIA)と連携してきたとも付け加えた。その結果、今回の軍事作戦が行われたシリア北西部イドリブ県の潜伏先にたどり着いたとしている。

このスパイが、バグダディ容疑者がイドリブからジャラブルスへ移動しようとしていたことを確認したと、ジャン氏は述べた。

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バグダディ容疑者のアジトは跡形もなく…… 米軍事作戦後のドローン映像

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その場でDNA鑑定

遺体の身元確認は、容疑者のDNAサンプルを使い、特殊部隊に同行していた技術者がその場で行ったという。

トランプ氏は、鑑定の結果「確かに、即座に、完全に本人であると確認」したと説明した。

技術者は、容疑者の遺体の「相当な部分」を回収したという。

Image caption バグダディ容疑者のアジトの場所
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米軍はバグダディ容疑者をどう追い詰めた? ISへの影響は?

軍事作戦で自爆

トルコやイラク、クルド人部隊、ロシアなど、アメリカの複数の同盟国やシリア北部地域で活動する組織には、事前に軍事作戦実施が伝えられた。

米軍はヘリコプター8機で容疑者の潜伏先を攻撃。銃砲による反撃を受けたものの、特殊部隊は無事に着地し、わなが仕掛けてあると予想される玄関を避け、爆発物で壁に穴を開けて建物内に入った。

米軍の軍用犬に追われてトンネルに逃げ込んだ容疑者は、身につけていた自爆チョッキを爆発させ、容疑者本人と子供3人が死亡した。

容疑者の遺体を水葬

米統合参謀本部のマーク・ミリー陸軍参謀総長は28日、米当局がバグダディ容疑者の葬送を「完了した。適切に執り行った」と発表。詳細は述べなかった。

匿名の当局筋がロイター通信に話したところによると、バグダディ容疑者の遺体はイスラム教に則り、過激派勢力アルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者の遺体と同じように、海で水葬されたという。

IS掃討作戦で協力

クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」が大部分を占めるSDFはIS掃討作戦でアメリカ軍と協力していた。

ドナルド・トランプ米大統領が6日にシリア北東部からの米軍撤退を突然発表。トルコによるクルド人部隊への軍事作戦に関与しないと表明したのを機に、トルコはシリア国境を越えてクルド人地域を空爆し、国境近くの2つの町を制圧した。

アナリストは、米軍撤退はトルコによるクルド人攻撃への事実上の「青信号」だと指摘している。

(英語記事 Baghdadi underwear 'proved identity' for US raid

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