【ラグビーW杯】 南アフリカ、3回目の優勝 イングランドは及ばず

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Image caption 南アフリカは1995、2007年大会に続き、3回目のW杯優勝に輝いた

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は2日、決勝があり、南アフリカ(世界3位)が王座を獲得した。イングランド(同1位)と横浜国際総合競技場(横浜市)で対決し、32-12で勝利した。

南アフリカの優勝は2007年以来、3大会ぶり3回目。最多優勝回数でニュージーランドに並んだ。決勝の勝率10割は南アフリカだけ。

イングランドは4大会ぶり2回目の王座を狙ったが及ばなかった。決勝で敗れたのは3回目で、最多のフランスとタイとなった。

初の黒人主将が優勝杯を高々と

閉会式で南アフリカのシヤ・コリシ主将が優勝トロフィー「ウェブ・エリス・カップ」を両手で高々と掲げると、チームとサポーターは歓喜に沸いた。

これで44日間にわたった日本大会は幕を閉じた。次のW杯は2023年にフランスで開催される。

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Image caption 試合が終了し、喜びを全身で表す南アフリカの選手と、肩を落とすイングランドの選手

予想ではイングランド

下馬評ではイングランドの勝利を予想する声が多かった。

イングランドは優勝候補筆頭だったニュージーランドを準決勝で倒し、勢いに乗っていた。台風の影響で、1試合を免除されたことからも、有利が指摘されていた。

試合内容については、勝負に徹したロースコアの争いになり、キックを駆使した激しい肉弾戦が見られるだろうと言われていた。

序盤はその通りの展開となった。ただし先手を取ったのは、有利とみられていたイングランドはなく、南アフリカだった。

先取点は南ア

南アフリカのSOハンドレ・ポラードは、前半2分にペナルティゴールに失敗。しかし前半9分、ゴール正面からのキックは成功させ、南アフリカが3−0とリードした。

一方のイングランドは、守備で後手に回っただけでなく、攻撃でもリズムがかみ合わない。

パスのタイミングが合わない場面さえあった。イングランドがこのような姿を見せるのは、今大会初めてだった。

またイングランドは、セットプレーでも劣勢に立った。相手のプレッシャーに対抗することができず、スクラムで力負けした。

同点、また同点

イングランドが初めてチャンスらしいチャンスを得たのは、前半20分過ぎだった。敵陣22メートルライン付近でのラインアウトから、波状攻撃を展開。相手のディフェンスラインを突破してトライを奪うことはできなかったものの、ペナルティを獲得した。

CTBオウエン・ファレルはキックを成功させ、22分に3-3と試合を振り出しに戻した。

その3分後、南アフリカがペナルティゴールを成功させ、イングランドは3-6と引き離されたが、前半34分にペナルティゴールを奪い返し、再び同点に追いついた。

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Image caption イングランドは主将のCTBファレル(中央)が全得点を挙げた

だが試合の流れそのものは変わらなかった。

相手のペナルティ誘う

南アフリカはキックを有効に使いながら、主導権を握り続けた。さらにボールを持った際には、サイドにパスを展開しながら縦方向への突破も試み、ペナルティを誘った。

これらは確実に点を加えていく上で、きわめて効果的だった。

南アフリカはまた、守備において高いラインを維持しながら、体を張ったディフェンスを展開し続けた。ちょうどイングランドがニュージーランドを倒したときと同じように、守備で自分たちのリズムを生み出していった。

前半38分と42分には、南アフリカはそれぞれ訪れたペナルティゴールのチャンスを確実にものにし、12-6とイングランドをリードした。

前半は6点差で終わったが、内容的にはそれ以上に大きな差があった。

追いすがったイングランド

攻守両面において持ち味を発揮できないだけでなく、試合の主導権も握れない――。

イングランドはこの状況を覆そうとしたが、後半も先手を取ったのは南アフリカだった。

後半5分、またもポラードがペナルティゴールを成功させ、15-6と引き離しにかかった。

対するイングランドは後半9分、敵陣10メートルライン付近でスクラム戦に初めて勝利し、ペナルティを獲得。ファレルが球足の長いキックを成功させ、9-15と追いすがった。

南アフリカは後半17分にもペナルティゴールを成功させたが、イングランドも直後にペナルティゴールを奪い返し、12-18と6点差を維持。逆転のチャンスが訪れるのを待った。

ミス許されない神経戦

こうして試合は、一種の神経戦の様相を帯びた。

互いに守備が堅く、トライを奪うのは難しい以上、ペナルティゴールからの得点が勝負の鍵を握る。ミスを多く犯した方が負け――。

そんな雰囲気の中でも、南アフリカは優位を譲らなかった。ライン攻撃の途中でそのままモールを作る秘策まで披露し、相手を揺さぶっていった。

そして後半26分には、決定的な場面が訪れた。

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Image caption 南アフリカのWTBマピンピ(ボールを持った選手)は後半、この試合でチーム初のトライを決めた

相次いでトライ成功

南アフリカは、敵陣のマイボールのスクラムから左サイドに攻撃を展開。最後はWTBマカゾレ・マピンピがライン沿いを走り抜け、両軍を通じて初のトライをもたらした。

さらにコンバージョンキックも決まり、25-12と差を広げた。

後半33分には、南アフリカは敵陣でボールを奪い返すことに成功。右のタッチライン沿いにいたWTBチェスリン・コルビは、相手を振り切ってだめ押しとも言えるトライを奪った。

コンバージョンキックも成功し、スコアは32−12となった。

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Image caption 南アフリカのWTBコルビ(中)はチーム2つ目のトライを決めた

イングランドも必死に反撃を試みようとした。だが、南アフリカはボールをキープしながら、さらに3トライ目を狙おうかという勢いで攻撃を続けた。

そして試合は終了。大会開幕前、優勝候補の中では3番手以降に目されていた南アフリカが、2007年大会以来の戴冠を果たした。

「優勝は非現実的だった」

南アフリカのラシー・エラスムス監督は試合後、「変な感じだ。2年前には優勝は現実的と思えなかった。しかし半年前、現実的になり始めた。そして4週間前、優勝できると感じた」と話した。

そして、「選手と国をとても誇りに思う。我々は一緒にがんばり、勝利を本当に信じた。南アフリカ国民であることを誇りに思う」と加えた。

一方、イングランドのエディ・ジョウンズ監督は、「優位に立つことができなかった。特に開始から50分は、スクラムで圧倒された。締まった、ペナルティで動く試合では、有利に展開するのは難しい」と振り返った。

また、「きょうの南アフリカは、ボールの奪い合いでずっと上手だった。ラグビーでは重要なことだ。世界一のチームだと思っていたら、次の日には別のチームに打ち負かされる」と述べた。

この試合の最優秀選手:ハンドレ・ポラード(南アフリカ)

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Image caption 南アフリカのSOポラードは落ち着いて次々とゴールキックを決め、イングランドに1度もリードを許さなかった

この試合の最優秀選手には、25歳で迎えた大一番で冷静沈着にゴールキックを決め、チームに着実に点数をもたらした南アフリカのSOハンドレ・ポラードを選出した。

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