習主席、香港長官に「高度の信頼」 上海で会談し表明

Hong Kong Chief Executive Carrie Lam looks down during a news conference in Hong Kong, China, June 15, 2019. Image copyright Reuters
Image caption 香港政府の林鄭月娥行政長官は今年4月、犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案を立法会(議会)に提出。それをきっかけにデモが始まった(写真は6月15日)

中国の習近平国家主席は4日夜、香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と上海で会談し、林鄭氏に「高度の信頼」を寄せていると伝えた。中国国営メディアが報じた。

香港では今年6月以降、反政府デモが続いており、林鄭氏は苦しい状況に追い込まれている。先週には、中国政府が林鄭氏の更迭を検討していると報じられた。

しかし、中国国営新華社通信によると、習氏は4日の会談で、林鄭氏への全面的な支持を表明したという。

林鄭氏に「高度の信頼」

新華社通信は、握手を交わす習氏と林鄭氏の写真を配信。香港での衝突の鎮圧に努める林鄭氏を、習氏が称賛したと報じた。

習氏は、「中国中央政府は林鄭氏に高度の信頼を寄せている。この暴動を止めること、そして秩序を回復することが、依然として香港で最も重要な任務だ」と述べたという。

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香港政府は今年4月、犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改定案を立法会(議会)に提出した。

香港市民の間では、改定案が成立すれば、中国政府による香港統治が迫り、香港の高度な自治性が維持されなくなるとの懸念が拡大。デモへと発展した。

これまでのデモは、大規模なもので200万人近くが参加したと言われている。

林鄭氏は先月、改定案を正式に撤回したものの、デモは続いている。デモ参加者は、行政長官選挙での普通選挙の実施や、デモ参加者に対する警察の暴力をめぐる独立調査などを要求している。

デモは収まらず

抗議行動の波は今週も続き、住宅地の太古地区では、機動隊がデモ隊の集団に向けて催涙ガスを噴射した。

3日には、同じく太古地区で、ナイフを手にした男がデモ会場のショッピングモールで市民4人を切りつけたほか、止めに入った香港東区区議会の趙家賢区議会議員の耳の一部を噛みちぎった。

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Image caption 機動隊がデモ隊の集団に向けて催涙ガスを噴射した(香港、11月2日)

香港の管理を見直し

デモの終わりが見えない中、中国政府幹部は先週、香港の管理方法に変更を加える用意ができていると、初めて示唆した。

国務院香港マカオ事務弁公室(HKMAO)の沈春耀主任は、記者団に対し、中国当局は香港政府の行政長官の任命や解任をどうやって「完全」にするか、方法を模索していると述べた。

沈氏は、変更案の実際の内容については詳しく説明しなかった。

香港政府トップの行政長官は現在、1200人からなる選挙委員会で選出される。この人数は有権者の6%に過ぎず、その構成は中国政府寄りだ。

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Image caption デモ隊は身を守るためにガスマスクを身につけ、傘を手にするようになった(香港湾仔地区、11月2日)

香港は特別な場所

香港はかつて、150年以上にわたってイギリスの植民地だったが、「一国二制度」の下に1997年、中国に返還された。

返還後の香港は香港特別行政区となり、独自の法制度や国境を持つほか、国本土では制限されている集会やデモの自由、言論の自由などの権利も保障されている。

……だが、状況は変わってきている

しかし、複数の人権団体は、こうした自由は徐々に失われていると指摘する。さらに、高等法院が民主派議員の議員資格を剥奪(はくだつ)した事例などを挙げ、中国政府が香港の自治に介入していると批判する。

アーティストや文筆家は、検閲の圧力にさらされていると話す。英経済紙フィナンシャル・タイムズの記者が香港独立を目指す活動家を招いたイベントの司会をしたところ、香港への入国を拒否された。

中国政府は2014年、親中的な選挙委員会が選んだ候補者の中から有権者が行政長官を選ぶ案を発表。しかし、「見せかけの民主主義」だという批判が集まり、議会で却下された経緯がある。

香港の憲法ともいえる「香港特別行政区基本法」の期限が切れるのは28年後の2047年。それ以降に香港の自治がどうなるのかは不透明だ。

(英語記事 China expresses 'full confidence' in Carrie Lam

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