【英総選挙2019】 議会が解散、選挙期間が正式に開始

Boris Johnson and Jeremy Corbyn Image copyright PA Media & EPA

12月12日に総選挙が開かれるイギリスで6日未明、議会が解散された。5週間の選挙戦が始まり、各党が次々と動き出している。

ボリス・ジョンソン首相は6日午前にもバッキンガム宮殿を訪問し、エリザベス女王に選挙活動期間の開始を伝える。

ジョンソン首相率は自分こそ「欧州連合(EU)離脱を実現できる」と話しており、ブレグジット(イギリスのEU離脱)協定について膠着(こうちゃく)状態にある議会の刷新を図りたい考えだ。

一方、最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首は、政権を奪取して「本当の変化」を作り出すと約束している。

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イギリスは10月31日にEUを離脱する予定だったが、議会で離脱協定案とそれを法制化するための協定法案の審議が行き詰まり、ジョンソン首相はEUに離脱延期を要請。EUとイギリスは新たな離脱期限を2020年1月31日とすることで合意した。

議会はその後、ジョンソン首相が提出した解散総選挙法案を可決。選挙戦はブレグジットが焦点になるとみられている。

イギリスでは総選挙は5年ごとと決められているが、今度の選挙は5年間で3度目となる。

また、英下院は10月14日に開会したばかりだった。19日間という会期は過去70年で最も短かった。

解散により議員は一般人に戻るが、閣僚は後任が決まるまで現職にとどまる。

ジョンソン首相はブレグジット実現を強調

ジョンソン首相は6日にイングランド中部ウェストミッドランズで演説し、選挙活動について説明する予定。

英紙デイリー・テレグラフへの寄稿でジョンソン首相は、イギリスはブレグジットによって「交通渋滞にはまったスーパーカー」になってしまったと説明。「ブレグジットを実現すれば、イギリスに流れ込むのを待っている何千億ポンド規模の投資が始まる」と話した。

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Image caption ボリスジョンソン首相(中央)は5日、現政権で最後となる閣議に出席した

一方、総選挙については、本来はやりたくなかったものの「他に選択肢がなかった」と話した。

「これが唯一、ブレグジットを実現する方法だった。残念ながら、完全に行き詰まっている議会を変えるために国民の意思を問うのが答えだ」

「過去3年間の惨めなパターンを払拭(ふっしょく)し、マンネリから抜け出そう」

また、労働党のコービン党首を引き合いに出し、「選択肢は明確だ。『迷い』と『遅れ』という2つの助言者にばかり頼るコービンと共に行くか(中略)、分別がある穏健な保守党政権を支持するか」と述べた。

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Image caption 労働党のジェレミー・コービン党首(右)

ジョンソン首相はまた、コービン氏について、旧ソヴィエト連邦の最高指導者だったヨシフ・スターリンに似ていると批判を展開。

労働党は、「スターリンが富農を処刑していた時代以来、見たことがない喜びや悪意を持って」富裕層を「批判している」と述べた。

20世紀初頭のロシア帝国では、富農(クラーク)がロシア革命後にソ連の共産主義の下で殺されたり、餓死に追い込まれたりした。

さらに、労働党が政権を握れば、ブレグジットの是非を問う2度目の国民投票だけでなく、スコットランドの独立をめぐる2度目の住民投票を許してしまうだろうと指摘した。

コービン党首は以前、スコットランド独立の住民投票は「必要でも必須でもない」と話していたが、スコットランド国民党(SNP)党首のニコラ・スタージョン氏は、労働党政権が樹立されれば住民投票が可能になるだろうと話している。

コービン党首は「権力と富を分け合う約束

コービン党首は6日、イングランド中部テルフォードでの集会に出席する。演説では、「権力を分けるために権力を求める」、「現職とは非常に異なる首相」を目指すと述べる予定だ。

また、ワーキングプアを終わらせるとともに、貧困層支援のフードバンクを5年以内に不要にすると約束する。

「権力と富を大金を持たない人、上流階級に友達がいない人と分け合うというが私の政治的立場だ」

「党首としての私の役割、そして労働党の役割は、こうした人たちのために戦い、本当の変化を作り出すことだ」

コービン党首は先週行われた選挙活動始動の集会でも、労働党は「権力と富を大多数の人たちに与える」と発言している。

他党も続々と公約を発表

5週間の選挙戦の開始とともに、他の野党も次々と公約を明らかにしている。

  • 緑の党は、気候変動対策に1000億ポンド(約14兆円)を投じる公約を発表する予定
  • 自由民主党は公約で、メンタルヘルス対策に年22億ポンドの予算を振り分ける方針を掲げた。これに伴い、所得税率を1%引き上げる予定
  • SNPはブレグジット阻止に向け、スコットランドのEU残留派の住民に支持を呼びかけている

政権奪取に意欲的な自由民主党のジョー・スウィンソン党首は、今回の選挙では「新しく今までとは違う政治」が出現する「劇的な変化」が起こるだろうと発言。

自分はジョンソン首相やコービン党首よりも「優れた」首相になれるだろうと話した。

(英語記事 Starting gun fired on five-week race for No 10

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