「裸の撮影」ガイドラインを発表 イギリス映画業界団体

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性的表現にも演出と合意形成を 「#MeToo」時代の映画・ドラマ撮影

イギリスの映画・テレビ監督を代表する業界団体ディレクターズUKは21日、裸や擬似的な性行為のシーンに関するガイドラインを初めて発表した。俳優や性的表現の演出家などと、どのように協力すべきかを示している。

この前日には、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に出演していたエミリア・クラーク氏が、同作品での裸のシーンは「つらかった」と告白。他の作品でも裸になるよう圧力を掛けられたと明らかにした。

ディレクターズUKは声明で、「誰もが職場で安心感を得る権利がある。ハリウッドの大作であれ、ゴールデンタイムのドラマであれ、初出演の短編映画であれ、それは同じだ」としている。

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Image caption エミリア・クラーク氏はドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のデナーリス・ターガリエン役で服を脱ぐことを要求された

オーディションで全裸要求を禁止

ガイドラインでは、オーディションやコールバック(2次以降の審査)で全裸になることの要求を禁止している。また、最初のオーディションではセミヌードを求めてはいけないとしている。

「オーディションとはその性質上、力関係が不均衡であり」、「職を得るために不快な要求にも同意しなくてはならないと感じる俳優もいる」と、ディレクターズUKは説明している。

俳優に対しては、ビキニやトランクスなどを身に着けることや、オーディションに同伴者を連れてくることを奨励。また、セミヌードが要求されるオーディションは、48時間前までに俳優に通知し、全体の台本を渡すよう求めている。

制作側にはさらに、全裸やセミヌードを撮影する前には事前に書面で承諾を得ることを要求している。

「敬意ある環境をつくるべき」

新しいガイドラインは、米大物映画プロデューサーだったハービー・ワインスティーン被告の性的加害疑惑から始まった「#Me Too」運動を受けたもの。

イギリスの映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)やイギリス映画協会(BFI)、俳優などの労働組合Equity、キャスティング・ディレクターズ・ギルドといった業界団体からも支持を得ている。

ディレクターズUK映画委員会の会長を務めるスザンナ・ホワイト監督は、「制作サイドでクリエーティブ部門を主導する監督は、撮影現場にプロフェッショナルで敬意のある環境を整えなくてはならない」と指摘した。

「私たちは観客を引き込み影響を与えるような物語をつむぎたくてここにいる。そしてキャストやスタッフ全員が、特に繊細なシーンを作るときに、不安や搾取を感じたり、きちんと管理されていないと思うような立場に置かれてはいけない」

繊細なシーンにプロ意識を

ドラマ「ジェネレーション・キル」や「パレーズ・エンド」、「ブリーク・ハウス」などを手掛けたホワイト監督は、「私はキャリアを通じて、どうすれば繊細なシーンにプロ意識を持って臨めるのかを知っていることが、いかに大事かを見てきた」と語った。

「このガイドラインは、性的表現を監督する基準を定めており、映画やテレビの現場で安全な職場環境を育む一助になるだろう」

BAFTAも声明を発表し、ガイドラインは業界内の「虐待やハラスメント」に対処するために「非常に役立つもの」だと評価した。

「ディレクターズUKは課題をきちんと取り込み、ガイドラインにはさまざまな情報を盛り込んでいる。良くない行いを目撃した時にどう対処するのかだけでなく、虐待やハラスメントなど強制的な振る舞いが許されない環境を作るために何ができるのかを示すものになっている」

(英語記事 Nude scenes guidance launched for UK directors

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