TikTok、中国非難の動画を投稿した米少女に謝罪 アカウント利用禁止を解除

デイヴリー北米テクノロジー記者

Feroza Aziz Image copyright TikTok
Image caption アジズさんは、動画によって「無実のイスラム教徒」が拘束されている状況に人々の関心を向けたいと語った

中国系動画サイトTikTok(ティックトック)は27日、アメリカの10代の少女に対し、同サイトを利用できなくしたのは間違いだったとして謝罪した。

この少女は、中国によるイスラム教徒のウイグル人の扱いを批判する動画を投稿。動画は急速に拡散されていた。

TikTokは、フェローザ・アジズさん(17)のアカウント利用停止を解除したことを明らかにした。

ただ、利用禁止にしたのはアジズさんのかつての行為が理由で、中国政治とは無関係だとの主張は変えなかった。

アジズさんは、TikTokの説明は受け入れられないとツイートした。

「ビンラディン容疑者の画像が理由」

TikTokのアメリカにおける安全管理を担当するエリック・ハン氏は、アジズさんの利用を今月になって禁止したのは、故オサマ・ビンラディン容疑者(国際武装組織アルカイダの創設者)の画像を含む動画を投稿したためだと説明した。

「風刺目的の動画だというのは理解しているが、こうしたことは現在、厳しく制限している」と述べた。

TikTokが利用を禁止すると、利用者は同じ端末を使って新アカウントを開設することはできない。

しかし、アジズさんがウイグル人に関する動画を投稿したのは、同じ機器で開設した新たなアカウントだった。TikTokで人気の、化粧のコツを紹介する内容を装っていた。

TikTokは、同一端末から複数アカウントを設定するなど「プラットフォーム全体」での問題行動を取り締まる際に、アジズさんを含め2406端末に紐(ひも)づくアカウントを停止したと説明している。

ハン氏は、「すでに停止されていた利用者のアカウント (@getmefamousplzsir) が、2つ目のアカウント (@getmefamouspartthree)と同じ端末に紐づいていたため、同じ端末から利用可能になっていたつ2目のアカウントに本人がアクセスできない状態になった。しかしアカウントそのものは有効だったし、掲載ビデオへのレビュー投稿は続いていた」と説明する。

Image copyright Reuters

「エラーについて謝罪する」

ウイグル人の人権問題を訴えるアジズさんの動画はこれまで、さまざまなソーシャルメディアで200万回以上再生された。

ところが27日、TikTokがこれを削除した。

TikTokのハン氏は「人的なモデレーションのミス」だったと説明。「私たちのコミュニティー・ガイドラインは今回の動画のようなコンテンツを排除するものではないし、動画は削除されるべきではなかった」と述べた。

そして、「この私たちのエラーについて、当該利用者に謝罪したい」と表明した。

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「TikTokは怖くない」

アジズさんは、TikTokの説明に納得せず、ツイッターにこう投稿した。

「最新情報。TikTokは公式に謝罪して、私のアカウントを返してくれた。今回の件は、過去に削除された私のアカウントから削除された無関係の風刺動画のせいだと、私が信じるかって? ウイグル人に関する3部構成の動画を投稿した直後に? いいえ」

アジズさんはさらに、BBCの取材に、「(ウイグル人について)話し続ける。ツイッターでも、インスタグラムでも、私が使っているどのプラットフォームでも、TikTokでさえも」と表明。

「TikTokは怖くない。利用停止の後も。TikTokを怖がったりしない」と話した。

15億ダウンロード

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチはBBCに、TikTokの透明性の欠如に注目する必要があると述べた。

同団体の中国専門家、王亚秋氏は、「TikTokは削除する動画や利用停止にするユーザーについて、情報を開示しないし、削除や停止の判断に使う人工知能ツールについても情報公開していない」ことが問題だと指摘する。

「TikTokは中国国外のコンテンツの促進や削除に関して、中国政府の指示を受けていないと一貫して強調している。しかし、すべての中国企業は株主に限らず中国共産党への説明責任もあるなかで、TikTokは疑惑を晴らそうという努力をほとんどしていない」

中国企業の北京字節跳動科技(バイトダンス・テクノロジー)が所有するTikTokは、過去2年間で急速に利用者を増やしている。ダウンロード数は世界で15億回に達しているとされ、ゲームを除くとフェイスブック、インスタグラムを抜いて今年3番目に多くダウンロードされたアプリになるとみられている。

こうしたことから、中国政府の影響を懸念する声が欧米の市場で上がっている。

アメリカでは、バイトダンスによる米動画アプリ「Musical.ly」(ミュージカリー)買収をめぐり、対米外国投資委員会(CFIUS)が調査を開始している。同委員会はとりわけ、TikTokのデータ保存やプライバシーに対する行動を精査している。

同社はMusical.ly買収を通じて、13歳未満のユーザーの情報を大量に取得した。この個人情報の取り扱いについて、保護者の同意を得ずに子供の個人情報を集めたのは違法だと主張する米連邦取引委員会(FTC)に対して、バイトダンスは今年2月、罰金570万ドル(約6億3000万円)を支払うことで和解に合意している。

(英語記事 TikTok apologises and reinstates banned US teen

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