イラクの反政府デモ隊、イラン領事館に放火

Iranian consulate burns in Najaf Image copyright AFP
Image caption デモ隊は「イランはイラクから出て行け」と繰り返しながら、領事館に火を放った(27日、イラン南部ナジャフ)

反政府デモが続くイラクで27日、デモ隊が南部ナジャフにあるイラン領事館に放火した。領事館が炎に包まれる間、抗議に参加した人たちは、「イランはイラクから出て行け」と繰り返した。

複数報道によると、デモ隊が突入する直前に領事館職員は脱出したという。

イラク国内でイラン領事館が襲われるのは11月に入り2カ所目。3日夜には、イスラム教シーア派の聖地カルバラで、同様の攻撃があった。

イラク南部や首都バグダッドを中心に2カ月近く続く抗議行動で、少なくとも344人が死亡している。

26日にはカルバラで2人、27日にはバグダッドで2人が、治安当局に撃たれて死亡した。

ロイター通信によると、南東部の港湾都市バスラでも1人が治安当局の発砲で死亡した。バスラでは24日にも2人が治安当局に殺害されている。

また23日には南部ナシリヤで反政府デモの参加者が少なくとも3人死亡した。

抗議に参加する人たちは、政府に横行する汚職を非難し、雇用機会の拡大や公共サービスの改善を要求している。

デモ隊はさらに、隣国イランがイラクに内政干渉し、今のアブドルマフディ政権を支えていると非難している。

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2019年の世界で相次いだ抗議デモ 共通項は

イラン政府はイラク政府のほか、イラク国内で影響力をもつシーア派民兵組織を支援している。そのイランは過去に、政府に抗議する人たちに対して、「通常の法的枠組みの中」で変化を目指すよう呼びかけていた。

イランはさらに、イラクに「混乱を広めた」のは欧米諸国だと批判していた。

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Image caption 放火されたイラン領事館

実現しない改革への不満

イラクでは昨年10月末に、アーディル・アブドルマフディ政権が発足した。新首相は様々な改革を約束したものの、高い失業率や政府汚職の蔓延(まんえん)、不十分な公共サービスは改善されず、住民の不満は募る一方だった。

今年10月1日に、若者を中心としたデモが首都バグダッドで始まった。治安部隊がこれを強硬に取り締まると、抗議行動も激化して国内各地に広まった。

まず6日間にわたり続いた一連のデモでは、市民149人が死亡。アブドルマフディ首相は内閣改造や政府高官の減給を約束し、若者の失業率改善のための施策を発表した。

これに対して抗議者たちは、要求への対応が不十分だと反発し、10月末に抗議行動を再開した。

イラクのバルハム・サリフ大統領は、各党が次期首相の人選に合意できるならば、アブドルマフディ首相は辞任することになると発言している。

(英語記事 Iraq unrest: Protesters set fire to Iranian consulate in Najaf

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