ホワイトハウス、トランプ氏の公聴会出席を拒否 弾劾調査の「公正さ」に疑問と

President Trump leaning on his hand with the American flag in the background Image copyright Getty Images
Image caption 公聴会に出席した場合、ドナルド・トランプ大統領と弁護人は証人に質問できたのだが……

米ホワイトハウスは1日、ドナルド・トランプ大統領の弾劾調査を進める米連邦議会下院の司法委員会が4日に開く公聴会について、トランプ氏も弁護士も出席しないとする書簡を、同委員会に送った。

司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党)は先月26日、トランプ氏に文書で、公聴会への出席を呼びかけていた。「手続きに文句を言うのをやめるか」選ぶ機会を大統領に与えたという。

その回答期限を迎えた1日、ホワイトハウスのパット・シポローニ法律顧問は書簡の中で、トランプ大統領が「公正に」公聴会に参加できるとは思えないとして、トランプ氏の出席を拒否した。

2回目の公聴会にトランプ氏が出席するつもりかどうかについては、ホワイトハウスは言及しなかった。書簡によると、2回目の公聴会への出席要請については、6日までに別途回答するとしている。現時点で2回目の公聴会の日程は決まっていない。

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ホワイトハウスの書簡の内容

米政治ニュースサイト「ポリティコ」が掲載したホワイトハウスの書簡は、弾劾調査では「適正手続きと基本的な公正性が完全に欠如」しているとして下院委員会を非難。4日の公聴会への出席要請は、ホワイトハウス側に十分な準備時間を与えておらず、証人に関する情報提供もなかったとしている。

シポローニ法律顧問は、複数報道によると「どうやら証人は全員、研究者」で、「事実証人は誰も」含まれていないようだと史的。事実証人とは、焦点となっている事柄について自分自身が知っている内容を証言する。一方で、専門家証人は意見を述べることで裁判官を援助する。

法律顧問はさらに、同委員会側は証人を3人呼んだが、3人のうち共和党側の証人は1人しか認めなかったと不満をあらわにした。

弾劾手続きに「一貫性」を

シポローニ氏は、1998年のビル・クリントン大統領(当時)に対する公聴会では、もっと公平性が保たれていたと主張。歴代の弾劾調査では手続きに「一貫性」があったとして、ナドラー委員長を批判した

トランプ氏が今後の公聴会に出席するには、ナドラー氏が「適正手続きの権利の保護」と、その手続きが「公明正大」であることを確保する必要があるだろうと、シポローニ氏は述べた。

4日の公聴会では何が起きるのか

4日の公聴会で、弾劾調査は次の段階を迎える。

焦点となっているのは、今年7月のトランプ氏とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談の内容。この時、トランプ氏はゼレンスキー氏に対し、来年の大統領選で民主党候補になる可能性が有力視されているジョー・バイデン前米副大統領(民主党)とその息子でウクライナのエネルギー企業ブリスマの幹部だったハンター氏について捜査するよう求めていた。

民主党は、トランプ氏が軍事援助の停止をちらつかせて、ウクライナ側に不正に圧力をかけたかを調査している。トランプ氏はいかなる不正行為も否定しており、こうした調査は「魔女狩り」だと反発している。

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12月3日に報告書

下院情報委員会は先週、2週間にわたった公聴会を終えた。公聴会が開かれる以前は、関係者が非公開で証言をしていた。

同委員会のアダム・シフ委員長(民主党)は、弾劾調査を進めてきた情報、監視・政府改革、外交の3委員会が現在、報告書をまとめていると説明。12月3日に公表すると述べた。

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非公開証言の内容が明らかに

米行政管理予算局(OMB)高官、マーク・サンディ氏の証言記録が26日、公表された。

サンディ氏は非公開で証言した際、ウクライナへの軍事援助停止を受け、同局職員2人が辞任したと明かした。そのうちの1人はOMBの弁護士で、1974年議会予算法違反にあたるかもしれないと懸念を示していたという。

「歴代大統領のように」

ナドラー委員長は26日トランプ氏に書簡を送り、「大統領がどんな選択をするかだ」、「この機会を生かして弾劾公聴会に出るか、調査手続きについて文句を言うのをやめるかだ」と述べた。

「トランプ氏が歴代大統領のように、直接または弁護士を通して調査への参加を選ぶよう期待する」

またナドラー氏は、公聴会は大統領にとって弾劾の歴史および憲法上の根拠を話し合う機会になるとしている。

「あなたが行ったとされる行動について、下院がその権限を行使して弾劾決議案を採択するに値するかどうかも、話し合う」

Image copyright Reuters
Image caption ナドラー委員長はトランプ氏に、公聴会への出席か「文句を言うのをやめるか」のどちらかだと伝えたという

弾劾調査の今後は

司法委員会は12月初旬にも、トランプ氏のどの行為が違法か示す弾劾訴追の決議案の下書きを始めるとみられる。

民主党が過半数を占める下院でこの決議案が可決されると、上院で弾劾裁判が開かれる。上院は与党の共和党が過半数を握っている。

もし上院議員の3分の2以上がトランプ氏を有罪と判断すると、同氏は解任される。その場合、弾劾手続きで失職する初の米大統領となる。ただ、上院で有罪とされる可能性はかなり低い。

政府と共和党は、弾劾裁判は最長2週間とするよう求めている。

(英語記事 Trump declines to attend impeachment hearing

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