日本と韓国、なぜ争いが続く? 癒えない古傷

South Korean protesters hold a sign saying "Boycott Japan" in Seoul Image copyright AFP/Getty
Image caption 日本と韓国で続く論争は双方の国民をいら立たせている

韓国と日本の間で続く、貿易と政治をめぐる争いは、100年以上前からある古傷が原因になっている。

この2国は世界最大級の経済大国および技術大国だけに、その報復合戦は世界に影響を及ぼしている。

争いの中心は、韓国が適切とする賠償金の支払いを日本に要求していることだ。日本が1910~1945年に朝鮮半島を占領した間の、強制労働などの残虐行為に対するものとしている。

一方、日本は賠償問題について解決済みとしている。

いったい何が起きているのか?

争いの背景は?

両国は複雑な歴史を共有している。遅くとも7世紀から断続的に戦闘を続け、日本は繰り返し、朝鮮半島の侵略を試みてきた。

1910年には日本が韓国を併合し、植民地化した。

1930年代後半には、日本は動員を開始。工場や炭鉱で強制労働させたり、日本軍兵士として徴兵したりした。

日本はさらに、アジア各地の何万人もの女性を日本軍兵士に奉仕させる目的で、軍の売春施設に送り込んだ。それらの犠牲者は「慰安婦」として知られるようになった。

日本の韓国支配は、1945年の敗戦で終わった。だが、韓国の朴正煕(パクチョンヒ)大統領が、何億ドルもの融資や援助と引き換えに日本と国交を正常化させたのは、その20年後だった。

日本は、外交関係の回復と8億ドル以上の経済協力を定めた1965年の日韓基本条約で、問題は解決されたと主張している。

しかし、解決とはほど遠い状態のままだ。

なぜ解決されない?

韓国の外交官で「対日外交の名分と実利」(Diplomatic Propriety & Our Interests With Japan)の著書がある劉義相(ユ・ウィサン)氏は香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストに、両国で争いが続く理由として2つの点を挙げた。1つは、1965年の条約は「植民地時代に関するすべての問題を解決」していないこと。もう1つは、同条約が「個人の賠償請求権を市民から奪った」ことだ。

「慰安婦」の問題は、特に論争が絶えない。2015年に日本は謝罪を表明し、被害者支援の基金に10億円の拠出を約束した。この額は韓国が求めたものだった。

安倍晋三首相は当時、「今後、日韓は新しい時代を迎える」、「子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない」と記者団に語った。

だが、韓国側の活動家たちは相談を受けていなかったとし、この合意を拒んだ。2017年に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、合意内容の変更を示唆した。

歴史をめぐる論争は、どちらの国にも折れる姿勢がうかがえないまま続いている。

なぜいま噴出?

この問題が再燃したのは、2018年に韓国の大法院(最高裁)が日本の企業に対し、強制労働をさせた韓国人に賠償を命じたのがきっかけだった。

関連企業の1社、三菱重工業は、この裁判所命令に応じるのを拒んでいるとされる。他の2社は、韓国にある資産を差し押さえられている。

この問題は、多くの韓国国民の怒りを買い、日本製品の不買運動が起きている。所有する日本車を叩き壊す男性も現れた。

互いに領有権を主張する島々をめぐる、両国の緊張も高まっている。

そうしたなか日本政府は、すべての賠償問題は1965年の日韓基本条約で解決されたとの見解を堅持した。

そして2019年8月、日本は韓国を、貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから除外すると発表。さらに、サムスン電子などの韓国企業にとって重要な、半導体の原材料などの輸出管理を強化した。

これを受け韓国は、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると発表。両国間の安全保障上の協力関係に「深刻な」変化をもたらすと述べた。

河野太郎外相(当時)は「現下の地域の安全保障環境を完全に見誤った対応」とし、韓国に強く抗議した。北朝鮮のミサイル開発の動きを捉えることなどを目的に、3年前にGSOMIAを推進したアメリカは、これまでのところ反応を示していない。

日韓の貿易紛争が世界の電子産業に悪影響を及ぼすことを懸念し、株式市場は下落した。

しかし11月に入って、韓国はGSOMIAの継続決定を発表。両国間の緊張が和らぐ兆しもみえている。

(英語記事 Why South Korea and Japan have fallen out

この話題についてさらに読む