BBCの名司会者、インタビュー応じないジョンソン首相に挑戦

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「今からでも遅くない」 BBC司会者がジョンソン氏に対談呼びかけ

BBCの有名司会者アンドリュー・ニール氏が5日、12日の総選挙を前に30分のインタビューに応じるよう、ボリス・ジョンソン英首相に挑戦した。

ニール氏は総選挙を前に、BBC Oneの番組「アンドリュー・ニール・インタビューズ」で、有力政治家と1対1のインタビューを行っている。これまでに主要野党の党首らが登場したが、ジョンソン首相だけが取材に応じていない。

ジョンソン首相は、綿密な質疑を避けているのだという批判を否定している。

しかしニール氏は5日、ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首へのインタビューの後、ジョンソン氏を名指ししてインタビューに応じるよう要請。「まだ遅くはありません。インタビューの用意はできています。ジョンソン氏が好きな言い回しを使えば、オーブンは温まっています」と語りかけた。

「質問のテーマは信頼です。なぜ政界とジャーナリズムでのキャリアを通じて、批評家だけでなく近しい人までもが、ジョンソン氏は信頼に値しないと考えるのでしょうか」

「そしてもちろん、これは今、ジョンソン氏が私たちに約束していることにも関係しています」

ジョンソン首相はほかにも、英民放ITVの司会者ジュリー・エッチンガム氏による党首インタビューシリーズにも参加しないとしている。

「責任を問う」

ニール氏は番組の中で、「政治家にインタビューを強制できる放送局はない」と話した。

一方で、「何十年もの間、党首インタビューはBBCのゴールデンタイムの総選挙特集の目玉です」と釘を刺した。

「このインタビューを通じて、我々は視聴者の代わりに、政権を握るかもしれない人を詰問し、責任を問います。それが民主主義です」

「我々は常に、党首らがインタビューに応じてくれると信じて前進してきました。そして毎回、彼らは参加してくれました。全てです。今回までは」

質問を列挙

ニール氏は続いて、ジョンソン氏への質問の一例を列挙。中でも、選挙の焦点のひとつとなっている国民保健サービス(NHS)に触れた。

ジョンソン氏はNHSに340億ポンドを追加投資すると話していたが、ニール氏はこれについて、インフレ率を加味すると実際には200億ポンドにしかならないと指摘。また、欧州連合(EU)離脱後の通商協定でNHSにアメリカ企業の参入を許すという過去の発言についても質問したいと話した。

さらに、ジョンソン氏が緊縮財政に反対姿勢を示していることにも、「信頼への疑問がある」と話した。

その上で、「イギリスの首相は時に、トランプ米大統領やロシアのプーチン大統領、中国の習国家主席などと対峙(たいじ)しなくてはなりません。なので、私と30分間話してほしいというのも、そう大きな要望ではないはずです」と締めくくった。

Image copyright Getty Images
Image caption 労働党のジェレミー・コービン党首(右)は、反ユダヤ主義をめぐる疑惑などについて質問された

ニール氏のインタビュー番組にはこれまでに、最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首、スコットランド国民党(SNP)のニコラ・スタージョン党首、自由民主党のジョー・スウィンソン党首、ブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首が出演。ニール氏から数々の厳しい質問を受けた。

コービン党首は11月末のインタビューで、労働党が反ユダヤ主義的だという批判について、ユダヤ教コミュニティーへの謝罪を拒否した。しかし12月3日には、ITVの朝の番組で、謝罪の言葉を口にしている。

スウィンソン氏は、保守党と自由民主党の連立政権時代、社会福祉予算の削減に賛成したことを謝罪した。

スタージョン氏はスコットランドのイギリスからの独立やEUについて詰問されたほか、スコットランドのNHSをめぐるSNPの立場について問いただされた。

ファラージ氏は、保守党と議席を争わないとする党の方針について追及を受けた。

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労働党がBBCに抗議

労働党は5日夜、BBCが偏向報道をしているとして、トニー・ホール会長に書面で抗議を行った。

同党のアンドリュー・グウィン選挙活動コーディネイターは、コービン党首がニール氏のインタビューに応じたのは、ジョンソン首相も同じ条件に同意していると「明確に理解」していたからだと説明。

その上で、「しかしBBCは保守党党首に同等の説明責任を求めず、自分を好意的に見せられるプラットフォームを選ばせている」と指摘した。

BBCはこの抗議に対し、書面で回答する予定。BBCの広報担当者は声明で、「BBCは今後も独立した編集方針を貫き、恐れやひいきのない、公平かつ中立な選挙報道に注力する」と述べた。

ジョンソン首相は6日夜、BBC Oneの討論番組でコービン党首と直接対決する予定だ。

首相はITVのインタビューにも応じず

ジョンソン首相の選挙事務所はこの日、首相は総選挙前にITVのインタビューに応じる時間がないと認めた。

ITVのエッチンガム氏は報道番組「Tonight」で各党首のインタビューを行っているが、これに登場しないのはジョンソン氏ただ一人だ。

ITVの広報担当者は、総選挙が発表されてから何度も、ジョンソン首相に出演を打診してきたと説明。今回、出演しないことが決まったため、「番組ではアーカイブ映像や別の人のインタビューを交え、首相の経歴について紹介する」とした。

(英語記事 Andrew Neil issues interview challenge to Johnson

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