BBC受信料の未払い、政府が刑事罰の廃止を検討

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イギリスのリシ・スーナク財務省首席政務次官は16日、公共放送BBCの受信料未払いを刑事訴追の対象から外すことを政府が検討していると明らかにした。

イギリスでBBCを視聴するには年間154ポンド50ペンス(約2万2000円)の受信料がかかる。払わなかった場合は裁判所への出廷が求められるほか、最大1000ポンド(約14万5000円)の罰金が科せられる。

BBCは、受信料未払いに対する刑事罰を廃止すれば、年間2億ポンドの損害が生じると警告している。

日曜紙サンデー・テレグラフは15日、12日の総選挙で与党・保守党が大勝した後、ボリス・ジョンソン首相がこの件について検討するよう指示したと伝えた。

16日にBBCの「アンドリュー・マー・ショー」に出演したスーナク次官は刑事罰の廃止について、「首相が検討対象にすると指示した項目のひとつだ」と認めた。

「受信料未払いが犯罪扱いされることは、以前から疑問視されていたと言っても支えないと思う」

スーナク氏は、受信料の確実に徴収するための代替案については言及しなかった。

2015年に行われた政府検討会では、受信料未払いを刑事ではなく、駐車違反の罰金や渋滞税のように民事で取り扱うべきだという案が出ていた。また、未払い光熱費や固定資産税と同じように扱ってはどうかという提案もあった。

しかし、未払いリスクが拡大する可能性があることから、当時の政府検討会は刑事罰の廃止は推奨しないと結論していた。さらに、受信料未払いを民法で取り扱ったとしても、最終手段としては刑法に頼る必要が出てくると判断した。

BBCの昨年の受信料収入は36億ポンドで、収入全体の75%を占めている。

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ジョンソン首相は総選挙に向けた選挙活動中、受信料システムをまったく別のシステムに変えることを「検討する」必要があると述べていた。

「他の報道機関が自分たちで資金を集める中、あるメディアが受信料で資金を得ていることが、なお長期的に意味のあることなのか考えてみなくてはならない」

「普通税のような形で資金を得るシステムは熟考に値する」

「受信料に見合う価値」

スーナク氏は番組内で、受信料そのものの長期的な将来について「憶測は控える」と述べた。

BBCの公共放送としての運営方法は、国王の特許状(ロイヤル・チャーター)に明記されている。現行の特許状の期限は2027年まであるため、スーナク氏は受信料もこの年までは「確保されている」と話した。

一方、「人々のメディアの消費方法は変化しており、我々がこうしたことを何度も検討するのは当然のことだ」と述べた。

BBCの広報担当は、前回の政府検討会で、受信料未払いを刑法で罰する現在のシステムを続行すべきとの報告が出ていると強調した。

「政府はこの件について、すでに勅撰弁護士に委託し綿密な調査を行い、『現行の刑法による抑止と訴追のシステムを続行すべき』との回答を得ている。また、これは受信料を支払っている人々にとって公正で、金額に見合った方法だ」

「さらに政府検討会によると、受信料未払いの審理に裁判所が使う時間は、全体の0.3%に過ぎないことが分かったという」

(英語記事 Licence fee decriminalisation being considered

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