ブルームバーグ氏、選挙活動で「知らないうちに」受刑者を雇用

2020 Democratic presidential hopeful and former New York Mayor Michael Bloomberg Image copyright AFP
Image caption マイケル・ブルームバーグ氏は、刑務所内のコールセンターで委託業務を行っていた業者との契約を打ち切ったと説明した

2020年の米大統領選の民主党候補に立候補しているマイケル・ブルームバーグ氏は24日、選挙活動の電話業務に、「知らないうちに」受刑者を雇っていたことを明らかにした。

ブルームバーグ氏によると、同氏の選挙事務所が電話業務を委託した業者が、州刑務所内でコールセンターを運営していたことが判明。ブルームバーグ氏はこの業者との契約を解除した。

アメリカでは憲法修正第13条によって奴隷制度が禁止されている一方、受刑者に労働を科すことは認められている。自主的な労働もあれば、従わなければ罰せられる労働もあるという。

米富豪実業家で前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏は、11月に民主党候補者指名争いに参戦すると明らかにした。

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「委託先の委託先の委託先」

受刑者の雇用を最初に報じたのは米ニュースサイト「The Intercept」。それによると、ブルームバーグ氏の選挙事務所はコールセンターを運営するプロコムという会社に電話業務を委託した。

プロコムはオクラホマ州の複数の刑務所でコールセンター2カ所を経営している。情報筋によると、このうち女性刑務所の中に置かれたコールセンターで、服役囚がブルームバーグ氏の業務のために雇われたという。

ブルームバーグ氏は、この件をThe Interceptの記者からの電話で知ったと話している。

「我々はこうした慣行を支持していない。委託業者には、請け負い業者に対しもっと徹底的な審査を行うよう求めていく」

ブルームバーグ氏の広報を務めるストゥ・ローザー氏はツイッターで、「委託先の委託先の委託先が受刑者を雇っていたことについて、ブルームバーグ陣営の言動を強調しておきたい。我々はこの件を知らなかったし、決して認めていない。こうした慣行を良しとはしておらず、ただちにプロコムや同社に雇われた人たちとの取引を停止した」と説明した。

米経済誌フォーブスによると、ブルームバーグ氏の総資産は520億ドル(約6兆円)と、ドナルド・トランプ大統領の総資産の17倍にもなるという。

11月下旬に民主党候補選に参加して以降、ブルームバーグ氏はすでに5900万ドルを広告などに費やしている。

最新の世論調査によれば、同氏の支持率は5%。民主党候補選に向けては、ジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)、エリザベス・ウォーレン(マサチューセッツ州選出)上院議員がトップ争いをしている。

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受刑者支援か、搾取か

アメリカでは過去、多くの企業が国外の安い労働力の代わりに「刑務所でのインソーシング(内製)」を利用していた。

刑務所内での仕事は、スターバックスの製品梱包から下着の製造まで多岐にわたる。昨年にはカリフォルニア州で頻発した山火事対策に、受刑者が日給1ドルで雇われた。

受刑者による労働は地域経済を活性化するとともに、受刑者に技能や収入を与えることで再犯率を下げているとする意見もある。

一方で、受刑者の労働は搾取の側面があり、服役囚の社会復帰支援より企業の利益を優先しているとの批判も出ている。

2018年には、アメリカの17の州の服役囚が、刑務所の状態に対する注意喚起のため、平和的なストライキを行った。

このストで受刑者らは、「刑務所内での奴隷制」を終わらせ、正当な賃金を支払うよう求めた。このストを計画したとされる受刑者は、後に独房での監禁と、外部との連絡の禁止という処罰を受けた。

(英語記事 Bloomberg says his campaign used prison labour

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