中国の新型ウイルス、2日間で新たに139人発症 北京でも

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中国・武漢で患者を搬送する医療スタッフ。今回、国内初の武漢以外での患者が確認された
中国内陸部の武漢で多発している新型ウイルスによる肺炎について、同市当局は20日、2日間で新たに136人が発症し、1人が死亡したと発表した。また、同国で武漢以外でも初めて3人の患者が見つかった。
新たな発症者は、武漢のほか、北京と広東省深圳で確認された。
これにより、昨年末から急増している患者の数は200人を超えた。この肺炎による死者は3人となった。
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世界保健機関(WHO)は、これまで以上に調査と試験に力を入れた結果、発症者数が急増したと説明した。
新型コロナウイルスによる今回の肺炎は、タイで2人、日本で1人の感染がそれぞれ確認されている。
イギリスの複数の専門家はBBCに、感染者数は当局の発表を大きく上回る可能性があると話した。
北京で2人、深圳で1人
武漢の当局によると、19日夜の時点で市民ら170人が病院で治療を受けており、うち9人は深刻な状態だという。
一方、北京・大興区の保健当局は、武漢を訪れた2人が、新型コロナウイルスによる肺炎で治療を受けていると発表した。
また深圳では、武漢にいる親類を訪ねた66歳の男性が発症したと、当局が発表した。
感染を防ぐには
WHOは、新型コロナウイルスについて、動物が発生源である可能性が高いとの見方を示した。同時に、「近距離で接触した人から人への感染も一部」確認されているとした。
また、感染を防ぐ方法として、野生動物への直接の接触を避けることや、肉や卵の調理で火をよく通すこと、風邪やインフルエンザのような症状のある人に近づかないことを挙げた。
中国政府の保健当局は、新型ウイルスについて「まだ予防と制御が可能」と述べた。さらに、感染源や経路、変化の方法が不明なため、注意して監視する必要があるとした。
中国は今週、春節(旧正月)を迎え、何百万人もが移動することから、監視の強化を誓約している。
SARSウイルスに類似
今回の肺炎について、WHOはコロナウイルスが原因と結論づけている。
コロナウイルスは多くの種類があるが、人間への感染が確認されているのは6種類(今回の新型で7種類に増えるとみられる)に限られる。
重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスもコロナウイルスの一種だ。2002年には中国で8098人がSARSに感染し、うち774人が死亡した。
今回の新型ウイルスは、遺伝子の特徴から、これまで人間への感染が確認されたどのウイルスよりもSARSウイルスに似ているとされる。

中国・武漢の新型ウイルス、2人目の死者 日本でも感染者
中国・武漢で昨年12月から新型ウイルスが原因とみられる肺炎が多発する中、当局は16日、2人目の死者が出たと明らかにした。