【弾劾裁判】 トランプ氏について本格審理開始 手続きで攻防

Senate Majority Leader Mitch McConnell (C) walks to the Senate floor at the start of the trial Image copyright EPA
Image caption 共和党幹部のマコネル上院院内総務(中央)はスピード審理を実現しようとしている

ドナルド・トランプ米大統領に対する弾劾裁判の審理が21日、連邦議会上院で本格的に始まった。スピード審理で速やかに無罪判決を出したい与党・共和党と、新証人や新証拠の検討が必要だと主張する野党・民主党はこの日、審理の手続きをめぐり攻防を繰り広げた。

トランプ氏はスイス・ダヴォスの世界経済フォーラムに出席中で、弾劾裁判は「でたらめだ」と非難した。

新証人の喚問で対立

上院(定数100)で多数を占める共和党幹部のミッチ・マコネル院内総務は、新証人や資料の喚問を阻止する審理細則の決定を要求。「我々が提案する基本的な枠組みは、きわめて公平で公明正大なものだ」と主張した。

新証人として、昨年9月に解任されたジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を喚問できるかなどが、与野党の攻防の焦点となっている。

「公平な裁判にならない」

これに対して、民主党のアダム・シフ下院情報委員長は、検察官に相当する「弾劾管理人」として審理の冒頭で、ほとんどのアメリカ人は「これが公平な裁判になるとは思っていない。上院が中立に不偏不党な判断をするとは思っていない。結果はあらかじめ決まっていると思っている」と批判した。

シフ委員長は、下院の弾劾調査を推進した1人。

シフ委員長はさらに、マコネル院内総務が「できるだけ速やかに」審理を終わらせようとしているとして、「証拠なき裁判など、まったく順序が逆だ」と述べた。

マコネル院内総務は当初、冒頭陳述の日程を3日から2日に短縮する意向だった。しかし、民主党だけでなく共和党の穏健派からも異論が出たため、3日間に戻すことにした。

「裁判に値しない」

大統領の弁護団長を務めるホワイトハウスのパット・チポローニ法務顧問は、民主党側の主張は「まったく裁判に値しない」と批判した。

民主党側は、チポローニ弁護士自身が事実関係を知る証人の立場だと反発している。

この日の審理に先立ちトランプ氏の弁護団は、即座に無罪判決を出すよう上院に要求。下院が昨年12月に可決した権力乱用と議会妨害の弾劾条項は、「軽薄で危険」だと非難た。

さらに、いずれも犯罪には当たらず、弾劾に相当する行為ではないと主張する、弁論趣意書を提出した。

17日に上院で行われた弾劾裁判開始の儀式では、上院議員全員が中立な審理を誓っている。裁判長は連邦最高裁のジョン・ロバーツ長官。

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【弾劾裁判】 これまでの経緯を簡単に解説

トランプ氏は、今年の大統領選で対立候補になるかもしれないジョー・バイデン前副大統領とその息子について捜査着手を公言するよう、昨年夏にウクライナ大統領に働きかけ、引き換えに軍事援助の凍結をちらつかせたとされる。

これが権力乱用にあたると下院は決議。また、この問題について政府職員の議会証言を阻止するなど、下院の調査を妨害したとして、議会妨害でも弾劾決議した。

トランプ氏は自分の行動には何の問題もなかったと、繰り返し反発している。

アメリカ大統領が弾劾裁判にかけられるのは、史上3人目。

弾劾を決議した下院は民主党が多数だが、上院は共和党が53議席と多数を占めるだけでなく、有罪判決には3分の2(67議席)以上の賛成が必要となる。

そのため、トランプ氏が実際に解任される可能性はきわめて低い。

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【弾劾裁判】 トランプ氏の弾劾裁判になぜウクライナが関係するのか

(英語記事 Trump impeachment trial starts with rule wrangling in Senate

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