【弾劾裁判】 野党・民主党に打撃 頼みの共和党穏健派が証人召喚に反対

Republican Senator from Tennessee Lamar Alexander Image copyright EPA
Image caption 共和党穏健派のラマー・アレクサンダー上院議員は証人召喚に反対すると発表した

ドナルド・トランプ米大統領の弾劾裁判は30日、焦点となっていた証人の召喚がないまま結審し、大統領が無罪となる可能性が高まった。連邦議会上院で、野党・民主党が頼みにしていた与党・共和党の穏健派議員が、証人召喚に反対すると発表した。

下院でトランプ氏を権力乱用と議会妨害で弾劾訴追した民主党は、上院でトランプ氏に対して不利な証言をするかもしれない証人の召喚を要求していた。

しかし、民主党が頼みにしていた共和党穏健派の1人、ラマー・アレクサンダー上院議員(テネシー州)は30日夜に声明を発表。これまでの審理で民主党はトランプ氏の行動が「不適切」だったことは証明したものの、それが罷免に相当することにはならないとした。

「すでに証明されたことについて、そして合衆国憲法が高い基準を設定している弾劾罷免に相当する不法行為に当たらないことについて、これ以上の証拠は不要だ」と、79歳の議員は述べた。

民主党は、昨年9月に解任されたジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の証言を強く希望していた。ボルトン氏は近く発刊する著書で、トランプ氏の発言について書いているとされる。そこには、政敵ジョー・バイデン氏の捜査にウクライナが合意するまで、同国への軍事援助を凍結するつもりだと、トランプ氏が自分に言ったと記述してあるとされる。

大統領の罷免には上院(定数100)の3分の2以上の賛成が必要だが、証人召喚には過半数で足りる。そのため、45議席を持つ民主党は民主系無所属議員2人に加え、共和党から4人の賛成を得られれば、ボルトン氏らの証言を求めることができた。

下院は、トランプ氏が昨年7月にウクライナ大統領との電話で、軍事援助の凍結解除をちらつかせながら、バイデン親子への捜査を働きかけたほか、これに対する下院の調査を妨害したとして、トランプ氏を昨年12月に弾劾訴追した

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Image caption ボルトン氏は昨年9月、大統領補佐官(国家安全保障問題担当)から解任された

もしもボルトン氏が上院で、大統領が確かに自分を選挙で有利にするために外国に交換条件として軍事援助の凍結解除を提示したと証言した場合、トランプ氏のよる権力乱用の重要な証拠になると、民主党は期待していた。

トランプ氏の弁護団はこうした事態を受け、大統領が自分の再選のために行うあらゆる行為は国民の利益のためだと言えるので、罷免には相当しないと主張。これには共和党からも異議が出ていた。

ホワイトハウスはその一方、国家安全保障上の重要機密が漏洩される懸念を理由に、ボルトン氏の著書の出版を阻止しようとしている。ボルトン氏は、そのような機密は本に含まれていないと反論している。

共和党の穏健派は何と

民主党は、アレクサンダー議員のほか、ミット・ロムニー議員(ユタ州)、リサ・マーコウスキー議員(アラスカ州)、スーザン・コリンズ議員(メイン州)の支持を得たいと期待していた。コリンズ議員とロムニー議員は30日までに、上院での証人召喚に賛成すると表明していた。

これに対してアレクサンダー議員は、「問題は(弾劾罷免に相当する問題行動を)大統領が行ったかどうかではなく、大統領がそうしたか判断するのが合衆国上院なのか、それともアメリカ国民なのかだ。月曜にアイオワで始まる大統領選挙で国民がその判断をするよう、憲法は規定しているのだと私は考える」と、証人召喚に反対する理由を説明した。

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【弾劾裁判】 トランプ氏の弾劾裁判になぜウクライナが関係するのか

上院では31日、共和、民主両党の最終弁論の後、証人召喚について採決する。もし50対50の同数になれば、証人召喚の動議は否決されたことになる。弾劾裁判の裁判長をつとめるジョン・ロバーツ最高裁判所長官が賛成票を入れて賛成51、反対50にする可能性はゼロではないが低い。

(英語記事 Trump impeachment: Major blow for Democrats in witnesses battle)

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