新型コロナウイルス、フィリピンで男性死亡 中国国外で初

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Image caption フィリピンの緊急医療関係者

フィリピン保健省は2日、新型コロナウイルスに感染していた中国人男性1人が1日に死亡したと発表した。中国の国外で死者が出たのは初めて。一方、中国・武漢では、感染者を受け入れる仮設病院が完成した。

中国当局によると、国内の死者数は361人に増えた。死者の大部分は中国・湖北省内で亡くなっている。確認された感染者は1万7000人以上に上った。

フィリピンで死亡したのは、新型コロナウイルスが初めて確認された湖北省武漢市出身の中国人男性。44歳だったという。

フィリピン保健省によると、この男性は、先月30日に同国内初の感染が確認された中国人女性(38)と共に、武漢から香港を経由してフィリピンへ入国。マニラ市内の病院に入院したが、重度の肺炎を発症した。

フィリピン政府は、男性の死亡公表から間もなく、中国からの外国人旅行者の入国を直ちに禁止すると発表した。フィリピンはこれまで、湖北省から訪れる人のみについて入国を制限していた。

世界保健機関(WHO)によると、この男性はフィリピン入国よりも前に新型ウイルスに感染していたとみられる。

男性には、感染前からなんらかの健康上の問題があったとされる。

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Image caption 消毒薬をかけられる武漢から帰国したインドネシア国民

アメリカやオーストラリア、ロシア、日本など、中国からの入国禁止措置を取ったり、ウイルスに感染している自国民を強制的に隔離したりする国が相次いでいる。アメリカとオーストラリアの両政府は、最近になって中国にいた外国人全員の入国を禁止した。

新型ウイルスの感染者数は、2003年に20数カ国以上に拡大した重症急性呼吸器症候群(SARS)を超えた。一方で新型ウイルスの死亡率はずっと低いことから、それほど致命的な感染症ではないことを示している。

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中国国外で初の死者

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Image caption 1月にフィリピン国内で初めて新型ウイルス感染が確認されると、マニラ市内ではマスクを買い求める人々が店に殺到した

フィリピンのWHO代表、ラビンドラ・アベヤシンゲ氏は、国民に対し冷静を保つよう求めた。

「これは、中国国外で初めて報告された死亡例だが、国内で発生したものではないことを、我々は心に留めておく必要がある。この感染者は、このアウトブレイクの発祥地から来ていたのだから」

地元の報道機関「ラップラー」は、フィリピン保健相のフランシスコ・デュケ3世が死亡した男性について、「容体は安定し、回復の兆しをみせていた」ものの、24時間で容体が急速に悪化したと述べたと報じた。

デュケ保健相は、同省は、ホテルスタッフなどの、死亡した男性や同行者の女性と接触した可能性のある人々に加え、この男性と同じ便に搭乗していた人々について、隔離措置を取るために該当者を探し出そうとしていると述べた。

Image caption 各国の新型コロナウイルス感染者数。左から日本20人、タイ19人、シンガポール18人、韓国15人と続く。 出典:欧州疾病予防管理センター(グリニッチ標準時2月2日正午現在)

中国で新病院が10日で完成

武漢市では2日、新型コロナウイルスの感染者を受け入れるための仮設病院2棟のうち、「火神山医院」が完成した。

病院内にはベッドが1000床が用意され、国営メディアによると、3日にも患者の受け入れを開始するという。

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10日間で病院ができるまで 中国・武漢のタイムラプス映像

地元テレビ局は、感染症に詳しい人を含む、中国軍の医療スタッフ約1400人が武漢入りし、新病院へと移動していると報じた。

2棟目の雷神山医院は5日にも竣工する予定。

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Image caption 中国軍の医療スタッフが新病院を運営するという

国家衛生健康委員会の焦雅輝報道官は、新病院2棟が完成することで、武漢市内では、感染の疑いのある人や感染が確認されている人に対処するのに十分な、1万床以上のベッドが確保できるだろうと、ロイター通信に述べた。

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わずか6日で病院を建設 新型ウイルス猛威ふるう中国・武漢

中国政府は1日、新型コロナウイルスによる影響拡大への懸念が高まる中、1700億ドル(約18兆4400億円)経済投資を行う方針だと発表した。

武漢市は封鎖状態にあり、中国国内の複数の主要都市では、必要不可欠ではない事業が停止されている。

武漢から東に位置する、人口約600万人の皇崗は、今後数日間で同市内の症例数が急増する見込みだと警告していると、国営メディアは報じた。武漢からの移動が禁止される前に、最大70万人が武漢から皇崗に戻っている。

中国メディアによると、皇崗と温州では、2日おきに食料や日用品などの購入するために自宅を離れることが可能な人を、各家庭1人に指定するなど、住民に厳格な制限を課している。

渡航制限の効果は?

世界の保健当局者は、渡航を制限しないよう忠告している。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は先月31日、「渡航制限によって、情報の共有や医薬品のサプライチェーンが妨害され、経済を損ねるなど、良い効果よりもさらなる害を及ぼす可能性がある」と述べた。

WHOは、国境を閉鎖すれば、密かに入国する人が現われ、ウイルスの感染拡大が加速する恐れがあるとして、公式の国境検問所でのスクリーニングを導入するよう推奨している。

各国での渡航制限の広まりに反発している中国は、公式の忠告を無視しているとして外国政府を非難している。

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「治療法ない」新型ウイルス、24時間態勢でワクチン開発を アメリカの研究者ら

(英語記事 First death from coronavirus outside China/China set to open speed-built coronavirus hospital

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