独立スコットランドのEU加盟に「共感」 元EU大統領

Donald Tusk

ドナルド・トゥスク前欧州理事会常任議長(大統領に相当)は2日、BBCの報道番組「アンドリュー・マー・ショー」に出演し、スコットランドがイギリスから独立して欧州連合(EU)に加盟する案について「共感」を覚えていると発言した。

イギリスは1月31日にEUから正式に離脱した。一方、スコットランドは2016年の国民投票でEU残留を表明しており、自治政府のニコラ・スタージョン首相は、イギリスからの独立に向けた住民投票の実施と、EU加盟を目指している。

トゥスク氏は、独立したスコットランドのEU加盟は喜ばしいことで、EU側も熱意があるとした。その上で、自動的に加盟が認められるわけではない述べた。

イギリスのドミニク・ラーブ外相はトゥスク氏の発言に対し、EU内の「分離主義者を鼓舞する可能性がある」と指摘。「あまり欧州的ではない、むしろ無責任な発言だ」と批判した。

「イギリスの首脳はもちろん、欧州の指導者たちも(トゥスク氏の)この発言を歓迎するか疑問だ」とラーブ外相は述べている。

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トゥスク氏はポーランド出身。昨年11月までの5年間、EUの欧州理事会で議長を務めていた。

独立したスコットランドがEUに加盟する見通しはあるかとの質問にトゥスク氏は、「イギリス国内の協議を尊重する」と述べ、自分は介入する立場にないと話した。

しかし、EU側の支持の度合いはどれくらいかと聞かれると、「心情的には、ブリュッセルではみんなが熱意を持つに違いないし、欧州全体でもそう言えるだろう」と答えた。

「私たちの心情について聞いているなら、いつでも共感があることが見て取れるだろう」

一方でトゥスク氏は、独立したスコットランドによる加盟申請が自動的に受理されることはないとくぎを刺し、「形式」や条約締結などが必要だと話した。

「深く悲しんでいる」

イギリスは1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)、47年間加盟していたEUを離脱した。

2016年の国民投票ではイギリス全体でEU離脱が51.9%、残留が48.1%だった。一方スコットランドでは、離脱が38%に対し、残留が62%だった。

スコットランドのスタージョン自治政府首相はブレグジット当日、怒りの色をにじませながら、多くのスコットランド人が「本当に深い悲しみ」を覚えていると述べた。

EUの首脳からは他にも、ブレグジット(イギリスのEU離脱)を悲しむ声があがっている。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はフェイスブックで「深く悲しんでいる」とコメント。欧州議会でブレグジット交渉を担当していたヒー・フェルホフスタット氏は、「イギリスがまた加盟したいと思えるようなEU」になるよう努力していくと述べた。

欧州理事会初代常任議長のヘルマン・ファン・ロンパイ氏も昨年、ブレグジットによってスコットランド独立に対するEU側の見解が変わるだろうと発言している。

「特別待遇」は望めない

ファン・ロンパイ氏が会長を務めるシンクタンク「欧州政策センター」は昨年、スコットランドが独立した場合のEU加盟について分析を行った。

それによると、スコットランドが合憲的な住民投票によって独立した場合、EU側はスコットランドと「前向きに協議」すべきだと結論付けている。

一方で、スコットランドはEUに対し「特別待遇」を期待するべきではなく、統一通貨ユーロの導入も含め、加盟に伴う全ての義務を受け入れる必要があるだろうと指摘した。

EUに新たに加盟するには、加盟全27カ国の承認を得る必要がある。すでにいくつかの国が加盟申請を行い、同意プロセスに進んでいる。

(英語記事 'Empathy' for Scotland joining the EU, says Tusk

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