WHO、感染拡大防ぐ「絶好の機会」 中国の対応を評価  

A Chinese woman and her child at the Ninoy Aquino International Airport Image copyright Getty Images

世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は4日、新型コロナウイルスをめぐる中国政府の対応は、ウイルスの拡大を防ぐ良い方法だと評価するとともに、世界的危機への発展を阻止する「絶好の機会」にあるとして行動を呼びかけた。

中国政府は、新型ウイルスのアウトブレイク(大流行)への初期対応をめぐり、国際社会から広く批判を受けている。

中国国内では、2月4日だけで4000人近い感染が新たに確認された。

1日で死者65人、感染者4000人

中国国家衛生健康委員会(NHC)の最新データによると、死者は1日で65人増え、合わせて490人に達した。65人は新型ウイルが発生した湖北省で死亡した。

これまでに中国だけで2万4000人が感染。世界各国でも感染者が確認されているが、中国よりはずっと少ない。

中国大陸以外では、香港で1人、フィリピンで1人が死亡した。

WHOの主張

テドロス事務局長はスイス・ジュネーヴでのテクニカル・ブリーフィングで、湖北省武漢での中国当局の対応を称賛した。交通網が制限され、封鎖状態にある武漢には、数百万人が残されている。

「(新型ウイルスの拡大を阻止する)絶好の機会だ。中国が新型ウイルスの発生地で高レベルの強力な対応措置を講じているからだ。このチャンスを利用し、さらなる感染拡大を防ぎ、制御しよう」。事務局長はこう述べ、先進国がデータの共有をし損ねていると強調した。

事務局長はまた、これまでに22カ国が中国への移動や貿易を制限すると正式に発表していることに言及。こうした制限をしないよう繰り返し求めた。そして、「短期間の相応の」対応を、定期的に見直して行うべきだとした。

中国の張軍国連大使は、一部の制限はWHOの忠告に反しているとして、各国に過剰に反応しないよう求めた。

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この前日、中国の共産党最高指導部が、新型ウイルスへの対応に「欠点と不足」があったと認めた。中国政府は、アウトブレイクが始まった当初、新型ウイルスの重大性を過小評価したり、感染の事実を隠そうとしたりしていたとして非難されている。

武漢の病院で働く医師が昨年12月、同僚医師らにアウトブレイクについて警告しようとしたところ、「虚偽の発言をした」として告発され、警察から「違法行為」をやめるよう指示された

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10日間で病院ができるまで 中国・武漢のタイムラプス映像

「パンデミックではない」

WHOは先月30日、世界的な緊急事態を宣言したが、世界的なパンデミック(伝染病)とはいえないとしている。

WHOの感染症部門のシルヴィ・ブリアン氏は、「現時点では」パンデミックではないとしたうえで、「適切な対応や、効果的な対抗策の実施を妨げる」可能性のある根拠のないうそに対抗する重要性を強調した。

WHOによると、中国国外では、これまでに9カ国でヒトからヒトへ感染したケースが27件確認されている。

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「治療法ない」新型ウイルス、24時間態勢でワクチン開発を アメリカの研究者ら

中国のNHCによると、死亡した人の約80%は60歳以上の高齢者で、そのうち75%には心血管疾患や糖尿病などの既往歴があった。

新型ウイルスは重度の急性呼吸器感染症を引き起こす。通常は発熱、続いて乾性咳の症状が現われる。ほとんどの感染者は、インフルエンザのように完治する傾向にあるとみられる。

どれくらい速く感染は拡大する?

香港大学は、実際にウイルスに感染した人数は当局の発表よりはるかに多いと推計している。

2002年~2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)のアウトブレイク対応で、WHOで陣頭指揮をとったデイヴィッド・ヘイマン博士は、AP通信に対し、新型コロナウイルスは依然として増え続けているとみられ、ピーク時期を予測するには時期尚早だと述べた。

Image caption 各国の新型コロナウイルス感染者数。左からタイ25人、日本20人、シンガポール18人、韓国16人と続く。 出典:欧州疾病予防管理センター/BBCリサーチ(グリニッチ標準時2月4日午後12時30分現在)

(英語記事 'Window of opportunity' to stop coronavirus

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